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スクナビコナ

Author:スクナビコナ
千秋真一に23%似ているらしい、兵庫県在住のブロガーです。
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山椒(参書)を入れるとニュースも辛い?
中小企業診断士をめざしつつ、日々のニュースやおススメ本など話題を提供。「突然スピーチを頼まれた」「ちょっと小生意気な話」など話のネタにしてください。
法務大臣を「死に神」と呼んだ朝日新聞が踏みにじったもの 憲法、刑法、刑事訴訟法、裁判、刑務官・・・
被害者団体が、朝日新聞の法務大臣は「死に神」に抗議
13人の死刑を執行した鳩山法務大臣を「死に神」と表現した朝日新聞の記事について、「全国犯罪被害者の会(あすの会)」は25日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「死刑執行を望む犯罪被害者遺族も死に神ということになる。侮辱的で感情を逆なでされた」とする抗議文を、同日付で朝日新聞に送ったことを明らかにしました。

抗議文で同会は「法律に従って執行を命じたにすぎない法相を非難することは、法治国家を否定することになる」と批判。記事の意図などについて同社に回答を求めました。


法治国家・日本における「死刑制度」の定め
日本国憲法、その下に定められている刑法、刑事訴訟法には以下のように定められています。

憲法・第41条(国会の地位)
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

憲法・第59条(法律の成立)
法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

憲法・第76条(司法権の機関と裁判官の職務上の独立)
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

刑法・第9条(刑の種類)
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

刑法・第11条(死刑)
死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。

刑事訴訟法・第475条
死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。 

刑事訴訟法・第476条
法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない。

刑事訴訟法・第477条
死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。
2 検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。

法務大臣を「死に神」と呼ぶ朝日新聞が踏みにじったもの―憲法、法律―
死刑に対して賛否はあるでしょうが、上記したように、日本において死刑制度は法律によって定められた制度です。

法律は唯一の立法府である国会で定められるものですが、刑法は平成に入ってから12回の改正を経ており(最終改正は07年5月23日)、刑事訴訟法に至っては26回の改正を経ています(最終改正は08年6月18日)。中には文言の書き換えだけの一部改正もありますが、それだけ検証を繰り返していることを示しています。

社会正義とは、漠たる意見では実社会で効力を持たず。法治国家・日本では、法律の文言にしなければなりません。そのために存在するのが国会です。

法務大臣を「死に神」と呼ぶ朝日新聞が踏みにじったもの―裁判、刑務官―
刑事裁判で下される判決は、刑法や罰則を定めのある法律に基づき、裁判官がその良心に従って検察官と弁護人から提出された証拠を検証した結果です。死刑が言い渡される事件の場合、その残虐性などから被告人の責任能力の有無が問われ、「精神鑑定」が申請されるなどより慎重な審理をされることがほとんどです。

また日本の法曹史上、幸いにして死刑を好んで濫発するような裁判官は出てきておらず、死刑判決を下した多くの裁判官が、判決を言い渡した後も自身の判決が正しかったのか自問を繰り返しています。

死刑執行についても、その方法、判決言い渡しから執行までの期間が、刑法および刑事訴訟法によって定められています。

冤罪の可能性がある事件については、再審制度がある以上、再審請求をして審理を尽くすべきだと考えます。
しかし、現行犯逮捕であった事件や、どのようにも覆すことができない物証がある事件については、刑事訴訟法の定めに従って、死刑判決言い渡しから6カ月以内に執行するのが本来です。死刑判決を言い渡しておいて、10年、20年と死刑囚の身柄を拘束し続けているのも、法務大臣、ひいては日本国が法律に反している状態にあるのであって、非常に問題です。

さらに死刑執行は、法務大臣の命令に従って、刑務官の責任によって行なわれます。
日本の死刑は絞首刑で、絞首台には死刑執行合図のボタンとして5つのボタン(4つはダミー)を、5人の刑務官が同時に押すことで執行されます。ダミーがもうけられているのは、刑務官の精神的負荷を和らげるための措置であり、それだけの重圧の中で刑が行なわれていることも示しています。

「死に神」表現は、表現の行き過ぎでは済まされない
朝日新聞が法務大臣を指して「死に神」と読んだ行為は、単なる表現の行き過ぎなどと済ませられるものではありません。

日本国憲法の下、基本法として定められてなお検証に検証を繰り返している刑法とその議論を踏みにじるものであり、刑事訴訟法にある定めに対して無知であり、裁判官が下した死刑判決の裏にある苦悩も見ておらず、法務大臣に課している責務を軽んじるものであり、実際の死刑執行の重圧に耐える刑務官に対する思慮も欠いています。

さらに「全国犯罪被害者の会」が抗議文を出されたように、いや出させてしまったと言うべきかもしれません。が、「犯人の死刑という形でしか、事件の終わりを見出せない事件」というのも、厳然とあるわけです。それは被害者・被害者遺族の感情に限らず、「これだけの事件を犯した者を、生きて再び同胞として迎えられるか?」という社会的な問いにまで至るものもあります。

朝日新聞が踏みにじったものは、あまりに大きいようと考えます。


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環境省が温暖化被害軽減策を提示 コメ改良、スギ林の自然林化、感染症を媒介する蚊の防除
環境省が温暖化被害軽減策を提示
環境省は18日、地球温暖化の日本への影響とその被害を抑える適応策をまとめた報告書を公表しました。すでに国内各地で影響は現れており、2020〜30年ごろには、災害や健康被害、自然生態系の変化など幅広い分野で、より大きな影響が出ると予測。国として適応計画を策定するよう提言しています。

有識者らでつくる研究委員会(座長・三村信男茨城大教授)が最新の研究成果を集め、食料や防災、健康など6分野について検討。「コメや果樹の品質低下、高潮被害の発生、熱中症患者の増加など温暖化が原因である可能性のある影響が今世紀に入り急速に広がっている」と結論づけました。


2020〜30年で、最大約2度の気温上昇を予測
2020〜30年ごろを想定した近い将来、台風の大型化や進路の変化に伴って災害が増えたり、熱中症などによる健康被害が広がったりするなど、より大きな影響が出ると予測しています。さらに地震など他の要因が温暖化影響と重なると、さらに激しい被害が出る可能性があると指摘。北海道での高山植物の一部絶滅など取り返しのつかない影響も出てくるとの見通しを示しました。

環境省が示した報告書は、2020〜30年ごろの気温上昇を最大約2度と見込んでいます。
これは国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書に基づいたもので、現状のまま追加的な対策をとらない場合、2070〜99年の日本の年平均気温が1961〜90年の平均と比べて1.3〜4.7度高くなると考えられています。

世界の温暖化対策は『京都議定書』に続く13年以降について何も決まっておらず、IPCC報告書によると、ただちに世界中で温室効果ガスの排出をゼロにしても、過去に排出されたガスによって当面は気温上昇は止まらない状態。今回の報告書が予測する近い将来の影響は、排出削減の努力にかかわらず避けられないと見られています。

悪影響を回避・軽減・遅延させる適応策を重視
このため環境省は、悪影響を回避・軽減・遅延させる適応策を重視。ただし予算などに制約があるため、効果的で効率的な「賢い適応」という考え方を提唱しています。

地域ごとの特性に応じて、インフラ整備だけに頼るのではなく、避難態勢を検討するといった対策を組み合わせる重要性を指摘。どんな対策技術や政策が考えられるか初めて例示し、その実施のために国レベルの適応計画をつくることを訴えています。また、すでに影響が著しいミカン農家や九州の稲作農家などには早急な対応が必要としています。

環境省は、温室効果ガスの排出削減対策の強化とともに、関係各省が着手しつつある適応策についても政府内で本格的に連携して取り組むよう呼びかける方針です。


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着ぐるみでアピールする法相はともかく 実施までの1年となった裁判員制度の意義は?(2)
さらに裁判員制度に絡めた動きの記事を2つ。

横浜地裁で模擬評議 量刑分かれた裁判員、感情的になる人も
来年5月21日施行まで1年をきった裁判員制度に向けて、横浜地裁で23日、模擬評議が行なわれました。模擬評議に参加したのは、公募に応じた市民約50人で6グループに分かれて評議を行ないました。

評議対象となった事件は、「殴るなどしてきた男性に対して、被告人はナイフで反撃。殴りかかってきた男性を刺殺したことで殺人罪に問われた」というもの。被告人質問などの様子を再現した最高裁製作の映画を見た後、6〜11人のグループごとに別室で事件について約1時間半の議論をしました。

各グループでの議論は、裁判官が論点を整理しながら話し合いを進めましたものの、中には「被害者の方が悪い」などと感情的になる人も現れました。
結果、ナイフによる反撃が正当防衛と認定されれば無罪になるため、事実認定に議論が集中した2グループは判決を出すところまで至りませんでした。判決を出した残りのグループも量刑は分かれ、懲役3年という判決が2グループ、懲役5年という判決が1グループ、懲役8年という判決が1グループとなりました。

裁判員による量刑の差が注目される同種の試みは全国で行われていますが、横浜地裁では初めての実施。
参加した女性(38)は「同じ映画を見たのに、結果が全然違う。裁判員になる人は必ずしも常識のある人ばかりではないので、怖い」と不安を口にしました。一方、川口政明裁判官は「実際の評議の時間はもっと長く、コンセンサスが得られると思う。今回の模擬評議では裁判官に親しんでもらえたと思う」と成果について話しています。

量刑のバラツキ防止 裁判員制度へ検索システム稼働
来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は先月から、裁判員裁判の対象事件の判決をデータベース化し、キーワードを入力するだけで類似事件の刑の重さが検索できる「量刑検索システム」の運用を始めました。

「量刑検索システム」は、全国の地裁・支部にデータベースの端末を設置。裁判員裁判の対象になる事件の判決を言い渡した裁判官が、
(1)事案の概要
(2)凶器の種類
(3)被害の程度
(4)共犯者の有無
(5)被告人の反省の度合い
(6)被害者の処罰感情
など、十数項目の情報を入力していく仕組みになっています。既に約100件の事案について入力が進められており、来年5月までには3000件を超えるデータが蓄積される見通しです。

同システムでは、端末に複数の条件を入力すると、類似事件の量刑一覧が検索できるようになっています。
例えば、路上で起きた強盗致傷事件の場合、「路上」と「強盗致傷」の二つのキーワードを入力すると、「刃物で2週間のケガを負わせて、60万円を奪った事件は懲役10年」「工具で襲ったが現金は奪えず、被害者との示談が成立している事件は懲役6年」といった、類似事件の一覧表が示され、どんな事情が量刑に影響を与えているかが一目で比較できます。さらに、各事件の量刑分布が棒グラフでも示されるようになっています。

裁判員裁判において、類似の事件で量刑に極端な差が出ないよう、最高裁は同システムで裁判員が過去の事例を参考にできるようにする方針です。

――――――――――――――――――――――――――
前回挙げた3つの記事については、「そういう準備を進めているのか」ぐらいで構いません。
問題は上記の2つの記事です。この2つの記事は、良くも悪くも「裁判員制度」を導入する意義を強く問うているものです。

「どこの裁判所でも、同じ傷害事件には同じ量刑が下る」大義
「刃渡り30cmのナイフを使って、通りすがりの1人の被害者に、介護が必要なほどの後遺症が残る全治1カ月の重症を負わせた」事件が、奇しくも北海道と大阪で起こったとき、両事件で被告人に科せられる懲役刑は同じ年数であるべきかもしれません。

仮に、北海道地裁の判決が懲役8年で、大阪地裁での判決が懲役3年だったとしたら、「大阪で傷害事件を犯した方が得」ということになりかねません。こういう事態を防ぐためには、北海道地裁でも、大阪地裁でも懲役8年という判決が出るようになっている方が良いと思われます。 

その実現のためには、最高裁が構築を進めている「量刑検索システム」が非常に有効に働くことでしょう。
自分が担当することになった事件について類似事件を抽出し、「かつての判決は、他の地裁は、他の地方の裁判員は、どの程度の量刑をもって、被告人を許すことにしてきたのか?」を簡易に知ることができます。おそらく大半の裁判員裁判において、この「量刑検索システム」がはじき出す量刑が、全国相場として適用されることでしょう。
しかし、本当にこれは「良いこと」なのでしょうか?

例えば、先日、差戻審判決が下った「光市母子殺害事件」。

この事件は「18歳の青年が犯した2人殺人」と類型化されますが、実は、従来から存在している「量刑の全国相場」から言えば「無期懲役が相当」とされてしまう事件です。
しかし、被害者の処罰感情などを鑑みた最高裁が、「死刑を回避するのに十分な、特に酌量すべき事情があるかどうか、さらに慎重な審理を尽くさせるため」として広島高裁へ差し戻しました。差戻審になることまではあり得ることですが、死刑を回避する理由が本当にあるか慎重に審理を尽くしなさい、という注文を付けたことは異例です。
その結果、差戻審では死刑判決が下りました。

つまりこの事件は、従来の「量刑の全国相場」という壁を突き崩したわけです。

裁判員制度の意義を、改めて問うべし
私は、横浜地裁で行なわれた模擬評議の結果について、つまり同一事件を扱って判決が分かれたということについて、非常に良いことだと評価しています。なぜなら、同一事件を扱っているにもかかわらず、「判決未到達が2」「懲役3年が2」「懲役5年が1」「懲役8年が1」と分かれたということは、各グループが一つの事件について色々な角度から考察をした結果だと考えるからです。

おそらく、懲役3年にとどまったグループでは、被告人の行為はあくまで「殴りかかってきた男性に対する防衛行為」と見て大きな情状酌量をしたのでしょう。一方、懲役8年としたグループでは、「経緯はどうあれ1人の人間を殺した事実は重い」と見たのでしょう。

つまりどのグループも、類型化されたよくある事件の一つではなく、「自分が関わることになった唯一の事件」として考え抜いたわけです。
それぞれの裁判員が、自分の価値観や人生経験を背景に被告人の立場をより重く見たり、逆に被害者の命をより重くみたりした結果、各グループ間で判決が分かれたわけです。これは、「愛知県地裁の管轄内だったら得、鳥取地裁の管轄内だったら損」という問題をはらんではいますが、「それぞれの事件は、それぞれ唯一無二として扱われるべき」という裁判の本来像は取り戻しています。

このそれぞれの事件は、それぞれ唯一無二として扱われるべき」ということは、実に重要なことです。
重要なことですが、この観点に関して、長年にわたって「職業裁判官の限界説」が問題視されてきました。しばしばなされてきた、「世論から乖離した判決」「裁判官の世間知らず」という批判がそれです。

裁判員制度を導入し、裁判に素人を参加させるということの意義は、「量刑の全国相場の打破」、「被告人の罪の重さを世間はどう見るかという市民感覚の取り込み」にあります。
時と場合によって、厳罰化にブレたり、大きな情状酌量がつくこともあるでしょう。しかし素人を裁判に参加させる意義は、そうしたブレの中で「妥当な刑罰とは何か。常に問い続けること」にあるのではないでしょうか?


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着ぐるみでアピールする法相はともかく 実施までの1年となった裁判員制度の意義は?(1)
実施まで残り1年を切った裁判員制度について、まずは裁判所、検察庁、日本法医学会が進めている準備について記事を3つ。

裁判員制度開始まで1年 IT法廷など準備進む
裁判員制度のスタートまでちょうど1年となった5月21日、鳩山法相が東京地裁に設置された「IT法廷」を視察。鳩山法相は6人の裁判員が座る席に座ったりして雰囲気を確認、「検察や弁護士会は1年かけて(裁判を)分かりやすくする工夫をしっかりやってほしい」と語りました。

市民が裁判員として加わる裁判員裁判では、検察側、弁護側双方が冒頭陳述や証人尋問の内容を分かりやすくすることが求められます。
「IT法廷」はその改善策の一つで、大型ディスプレーや小型モニター、DVDデッキなどを備えており、裁判員や検察官、弁護人らが同時に画像を見られるようになっています。検察の取り調べを録画録音したDVDも再生でき、全国の170法廷に設置される予定です。

裁判員裁判は09年5月21日以降に起訴された殺人などの重大事件が対象。
実際に裁判員裁判が始まるのは、公判前整理手続きなどを経た7月下旬か8月上旬になるとみられています。裁判員候補者には08年末までに、名簿記載通知が送付される予定です。

法医学会 遺体写真の代わりにイラストやCGも活用
来年5月に始まる裁判員制度で、日本法医学会(理事長・中園一郎長崎大教授)と最高検察庁は、市民から選ばれる裁判員の心理的負担を軽くするため、遺体写真の代わりにイラストやCGを使った立証を積極活用する方針を決めました。。

事件性が疑われる遺体の死因を究明する司法解剖の結果は鑑定書にまとめられ、裁判の証拠になりますが、中には残酷な遺体や傷の写真も添付されることがあります。

こうした遺体や傷の写真は、裁判員にショックを与える恐れもあります、そこで、写真の代わりにイラストを鑑定書に添付したり、鑑定医が法廷で証言する際にCGを使う代替案が浮上。日本法医学会内には、傷ができていく過程を連続イラストで表すアイデアを提案する学者もおり、裁判員が目で見て分かる説明方法が検討されています。

法医学会 司法解剖鑑定書に備えて『法医学用語集』を作成
司法解剖の鑑定書においては、難解な専門用語が並ぶことも多くあります。そのため、日本法医学会と最高検察庁は昨年7月に研究会を作り、司法解剖の結果をいかに裁判員に説明するか協議してきました。

日本法医学会は今年3月から、裁判員が参考にできる『法医学用語集』の作成を開始。
鑑定書に登場しやすい「死斑」(重力の作用で血液が下がることによって遺体の表面にできる変色)、「絞頸(こうけい)」(ひも状のものを首にめぐらせ、手などで絞めて圧迫し、窒息させる)といった用語を分かりやすく解説する作業を進めています。

『法医学用語集』には、約1500語を盛り込んで来年3月までに完成させて、市販や裁判所への納入も検討しています。執筆者の一人の福永龍繁・東京都監察医務院長は「裁判員制度を見据えた用語集だが、一般の方が法医学への理解を深めるためにも有用と考えている」と話しています。


「着ぐるみでアピールする法相はともかく 実施までの1年となった裁判員制度の意義は?(2)」へ続きます。


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09年5月、裁判員制度に向けた「取り調べ」改革 供述を録画、調書様式を一問一答へ
取り調べの「録音・録画」を今夏試行
警察庁は、本日・3日、警察の取り調べの一部録音・録画を、警視庁や大阪府警など大規模な警察本部で今夏にも試行することを決めました。
同庁は「真相究明の支障になる」ことなどを理由に取り調べの録音・録画に慎重な立場をとってきましたが、09年5月から始まる裁判員制度に向けて、「被告の自白が強制されたものでない」という任意性を立証するためにも試行が必要と判断しました。

録音・録画を試行するのは、裁判員制度の対象となる殺人などの重大事件で、かつ容疑者が自白しており、将来の公判で「自白の任意性」に争いが生じるおそれのある案件。最終的には、警察本部長、署長、警察庁が協議して、録音・録画を行なうかどうかを決定します。

録音・録画を行なう時間は、取調官が容疑者に対して行なう「供述調書の確認をするとき」に限定。
容疑者が自白して捜査が一定程度進展した時点で、取調官が供述調書を作成しますが、その際、調書の内容を容疑者に読み聞かせて内容に間違いがないか確認を行ないます。この状況をビデオカメラで録音・録画することとしており、時間は20分程度。容疑者が拒否した場合は行わないとしています。
録音・録画した内容はDVDに記録、必要に応じて公判に証拠として提出します。

日弁連などは、取り調べの全過程の録音・録画を求めていますが、「取り調べの機能を損ない、犯罪検挙に支障がある」として録音・録画は一部にとどめました。また、暴力団など組織犯罪の取り調べについても、捜査への支障が大きいとして対象から外されました。

取り調べの録音・録画については、検察庁で06年から一部試行されています。
今夏から始める警察での試行は、これまでの検察庁の試行状況を参考に決定。さらに、裁判員制度スタートまでに捜査に与える影響など課題を検証するとしています。

供述調書を「一問一答」形式に変更
最高検察庁は、同じく3日、必要に応じて容疑者の供述調書を「一問一答」形式にすることや、取り調べに対する苦情を上司が調査することなどを盛り込んだ「取り調べ適正確保方策」を公表しました。

従来の供述調書は、「今から○○の事件についてお話しします。私は……」といった一人称の文体で書かれるケースがほとんどでした。
しかし、取調官の質問と容疑者の答えを一問一答形式で記載すれば、認めている部分と否認している部分を明確にでき、調書が法廷で朗読される際に、容疑者が自分の意思で供述したことを裁判員に納得してもらいやすいという利点もあります。

また、言葉の不自由な容疑者などが自分の言葉で詳細に供述できないケースもあり、こうした場合は取り調べの実情を一問一答形式で忠実に反映させた方が調書の信用性が増す効果もあるといいます。検察当局では既に、一部で一問一答形式の供述調書を採用していますが、今後さらに積極的に活用していく方針です。

「取り調べ適正確保方策」にはこのほか、
▽取り調べに対する苦情があった場合は、上司の担当副部長が調査して記録に残し、可能な範囲で容疑者か弁護人に説明する
▽容疑者や弁護人から接見の申し出があれば、直ちに機会を設ける
▽取り調べ時間などを記した報告書に容疑者の署名・押印を求める
といった方策も盛り込まれました。今月中に全国の高等検察庁と地方検察庁に通達します。


――――――――――――――――――――――――――
裁判員制度に対する私見
最高裁が1日公表した「裁判員制度に関する意識調査」で、60・3%の人が「裁判員に選ばれれば参加する」と回答。06年12月に同じ設問で行われた内閣府の世論調査の65・3%より5ポイント低下していることが分かりました。

私は、「参加しないと仕方ないなぁ」という立場です。

裁判員制度は、「殺人罪」「強盗致死傷罪」「傷害致死罪」「現住建造物等放火罪」「身代金目的誘拐罪」など社会的に重大な事件に限って適用されます。具体的には、愛人関係のもつれによる「殺人」事件、女性をレイプした末に死なせた「強姦及び傷害致死」事件、一家を皆殺しにした上で放火をする「一家殺害放火」事件など。
より「死刑判決」となる可能性が高いものほど、裁判員制度を適用されることが多くなります。

こうした事件の判決について、裁判官は「この被告人を、本当に死刑にしていいのかどうか?」と1人で判断してきました。重大事件は3名以上の裁判官で担当しますが、最終的には裁判長が判決文を書いて読み上げているわけですから、やはり最後は1人です。

死刑判決は、法律論ではなく
被告人を死刑にするかどうかという判断は、第一級の推理小説を超えるトリックを使った殺人事件の解明でもない限り、高度かつ専門的な司法判断とは異なるものだと私は考えます。

むしろ、「こいつと同じ空気を吸っていると思うだけでもイヤ」「ご遺族の気持ちを考えると許せない」という、本当は倫理・哲学まで掘り下げるべきでしょうが、感覚や感情にずっと近い問題ではないでしょうか?

「司法のプロだから」「六法全書を暗記できている」という次元の話でないのなら、もっぱら裁判長に任せている現状は、「裁判長への押し付け」ではないかと考えています。たとい裁判長が、裁判官になるという道を自分自身で選んで進んできたのだとしても。

その代わり、「誤認逮捕でないかどうか?」「誰かを庇う身代わりではないか?」「自白の強要だけに基づいた立件でないかどうか?」「事件当時の状況はどうであったか?」「被害者、被害者遺族はどう言っているか?」「複数名の精神科医に診せた鑑定結果はどなっているか?」「更生の可能性はあるのか?」・・・、必要と感じるありとあらゆることについて質問し、議論させてもらいます。
被告人にとっても、加害者にとっても、被害者にとっても、「事件を決着させる結論を出すこと」が裁判の意義ですから、そこはトコトンやりましょう。

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一主婦、一会社員が死刑判決を下す日 09年春裁判員制度(2) 今日の映画:『セブン』
前回は、死刑制度について以下のことを記しました。
09年5月までに始まる裁判員制度が始まること。
日本の裁判員制は、「殺人罪」「強盗致死傷罪」「傷害致死罪」「現住建造物等放火罪」「身代金目的誘拐罪」「強姦及び傷害致死罪」など、より重大で、より死刑判決となりかねない事件ほど、適用される可能性が高いこと。
18世紀のフランスを「国王の代行者」としての信念によって、死刑執行人という一族の職業を全うしたシャルル−アンリ・サンソンという人物がいたこと。
当時のフランスにおいて死刑とは、衆人環視の中、「死刑囚の死ぬる覚悟」と「執行人の処する信念」が、ぎりぎりまで張り詰めたところで行われていた『最期の見せ場』だったこと。


現代日本になって死刑も変わった。でも・・・
処刑は、「公開処刑」から、「高い塀の奥の一室に置かれた絞首台での処刑」に変わりました。18世紀フランスの死刑執行人が全うした「国王の代行」は、「死刑執行合図のボタンに、4つのダミーを加えて執行」するものに変わりました。死刑判決の根拠は、「国王が定めた正義に法」から、「国民の合意による法律」に変わりました。

けれども、死刑はやはり一つの極限であることに変わりはないと考えます。だから、死刑執行に当たる刑務官は5人も配置して、ダミーのボタンが4つも用意されているわけです。

事実、死刑判決が出るであろう法廷は、かなり異様な光景です。

裁判官(裁判員もここに加わります)は、死刑に値するほどの重罪を犯したであろう被告人と面と向かいて、その後ろには犯人に目一杯の憎悪の念をぶつける被害者遺族がいて、時には自責の念に捉われつつも我が子の最後を見届けようという加害者家族がいて、さらに判決の読み上げは未だかとメモを構えるマスコミ関係者がいて・・・。

果たして、ごく普通の主婦や会社員から選ばれた裁判員は、被告人に「正義に照らした死刑判決」を言い渡すことができるでしょうか?

私の目から見た死刑存廃論
「殺人鬼なんかと一緒にいられるかい!」「遺族の代わりに敵をとるんや!」という、積極的死刑存続派の怒りの渦に入るのは危ういと考えています。
けれども、「人の命は地球より重い!」「どんなに酷い殺人を犯した人にも生きる権利がある!」という、積極的死刑廃止派の博愛の渦に入ることにも疑問があります。

前者は同じ人間社会で生きる被害者への共感であり、後者は同じ人間社会に生きる人命の尊重と、いずれも人間社会を成り立たせていくためには必要不可欠な感情から来ています。しかし、殊に死刑存廃論争において両論は、私の目からは、共に天高く感情の渦を巻いていて接点がないように見えます。

こういった現状から考え、どちらに依拠しても合理的結論には至らないと考えるようになり、私は、「消極的死刑存続」の立場に立っています。

死刑存廃の試行錯誤をしてきたアメリカ合衆国
明確に「州の独立性」を認めた連邦制国家であるアメリカ合衆国は、州単位の州法が基本となります。カリフォルニア州で事件を犯した者はカリフォルニア州法、コロンビア州で事件を犯した者はコロンビア州法によって裁かれることになります。

アメリカ合衆国は、「死刑しか言い渡し様のない重罪を犯した者」の処遇について、考え方は州によってバラバラです。しかし、その考え方は大きく4つに分けられます。

一つは、州法で死刑制度をもうけて、死刑を言い渡す。
一つは、州法で仮釈放なしの終身刑制度をもうけて、終身刑とする。
一つは、州法で量刑について、上限なく単純加算を許す。例えば、殺人1件に懲役30年、5件で合計懲役150年、さらに強盗1件20年を加えて合計懲役170年とするもので、寿命の上から耐えられるかの斟酌もしません。
残りの一つは、更生プログラムですので「補助的な位置づけ」になります。具体的には、終身刑または長期懲役受刑者と、被害者(または被害者遺族)との間で対話の機会をもうけて、「許し」の機会を作るというもの。

「許し」の機会をもうける更生プログラムの実績
実績といっても、稀なケースです。被害者遺族が拒否する場合もありますし、被害者遺族が犯人に殴りかかろうとして取り止めになる場合もあります。

しかし中には、死刑囚となった加害者遺族と被害者家族とが、「このような息子を育ててしまって申し訳ない」「あなたの誠意は伝わった。あなたも子どもを失って辛いでしょう」と手に手を取り合って、全米で死刑廃止運動をするようになったケースもあります。

これは一般的な更生プログラムの一つで、終身刑受刑者が、短期受刑者(麻薬の単純使用や窃盗犯など)に対して、「自分の罪の告白」をするというもの。

強盗殺人など重罪を犯した自分の罪の告白から始まり、自分の生い立ちや、罪を犯した時に思ったこと、刑務所の中で何を考えてきたかを語るわけです。
元マフィアやどこかの用心棒のように屈強で、腕中に彫り物を入れてる囚人が、「自分が犯した罪は何か」「罰を受けるとはどういうことか」「これまで思ってきたこと考えてきたこと」を語り聞かせるわけです。そして、「俺はこんな風になってしまったが、お前らは未だ間に合う。こうはなるなよ」と言って聞かせるわけです。「第二の自分」を生み出さないために。世間をナメて突っ張って、肩で風を切って街を歩きたいと思っている、甘ちょろい若造の思い上がりを打ち砕くために。
もちろん、このプログラムで罪の告白をする囚人は、それができると認められた模範囚です。

死刑に処することなく、殺人の罪を償えるか?
果たして、異様な緊張感に包まれた法廷で、主婦や会社員から選ばれた裁判員は、被告人に「正義に照らした死刑判決」を言い渡すことができるでしょうか?

私は、量刑の単純加算にアメリカで実践されているような更生プログラムを加えるのが良いだろうと、考えています。しかし、だからと言って、直ちに死刑廃止とはなりません。
なぜなら、量刑の単純加算+更生プログラムが、死刑に取って代われるだけの刑罰なのか、今なお分からないからです。それに、これを実現するには、法律の整備が先で、そのためには国民の合意が必要です。

したがって、私は、量刑の単純加算+更生プログラムを導入し、これが死刑に取って代わりうる刑罰だと分かった日が来た時。この時こそ、改めて死刑制度をなお存続させるか否かを問うべきだろうと考えています。
逆に言えば、その日が来ない限り、死刑制度は残さざるを得ないと言うことであり、「消極的死刑存続」という考えに至るわけです。

今日の映画:『セブン』監督:デヴィッド・フィンチャー
退職まで残り7日と迫った老刑事サマセット(モーガン・フリーマン)は、七つの大罪になぞらえた猟奇殺人事件に遭遇します。
その事件は、サマセットの後任としてやって来た新米刑事ミルズ(ブラッド・ピット)が捜査に当たることになります。サマセットは、その事件を残り7日で退職する自分の手には余ると考えて関わろうとはしませんでしたが、新米刑事にも荷が重過ぎることから、徐々に強く手を組んでいくようになります。

七つの大罪とは、伝統的にキリスト教徒たちによって「人を罪に導く可能性があると見なされてきた欲望や感情のこと」。具体的には「暴食」「色欲」「強欲」「憂鬱」「憤怒」「怠惰」「虚飾」「傲慢」。

次々と七つの大罪のメッセージを添えて殺されていく被害者たち、「暴食」と書かれて殺された肥満男、「強欲」と書かれて殺された弁護士、その弁護士によって服役を免れた男には「怠惰」、「色欲」と書かれて殺された娼婦・・・

この猟奇殺人の犯人を、どう考えますか?

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一主婦、一会社員が死刑判決を下す日 09年春裁判員制度(1) 今日の本:『死刑執行人サンソン』
3月4日、裁判員制度下における死刑判決について「全員一致」を条件とするべく、「死刑廃止を推進する議員連盟」(会長・亀井静香衆院議員)が、裁判員法改正案作成を発表しました。

09年5月までに始まる裁判員制度では、裁判官3人と市民から選んだ裁判員6人の計9人で量刑を多数決で決定。現在、施行予定の裁判員法では、多数決の要件は、最低1人の裁判官を含む計5人の賛成となっています。

死刑廃止を推進する議員連盟は、「死刑という重い判断はより慎重に決定されるべきだ」として、裁判員法に「死刑判決の場合に限って全員一致を条件とする」との特例をもうける改正案を作成。仮釈放のない終身刑を創設する刑法改正案と併せて、今国会に提出する意向を示しました。

同議連案では、「死刑賛成の意見が過半数に達したが、全員一致とならない」場合、終身刑とするしくみ。同議連事務局長の保坂展人衆院議員は「来春始まる裁判員制度まで残り少ない。迅速に改正案を取りまとめ、提出したい」と話しています。


09年春、「一主婦、一会社員が死刑判決を下す日」が来る
これは脅しでも何でもなく事実です。なぜなら裁判員制度は、「普段、会社勤めや子育てをしている市民を強制的に裁判に参加させるもの」であるため、裁判員制は社会的に重大な事件に限って適用されるからです。
日弁連が例として挙げているのは、「殺人罪」「強盗致死傷罪」「傷害致死罪」「現住建造物等放火罪」「身代金目的誘拐罪」など。

もう少し具体的に想定される事件にすると、愛人関係のもつれによる「殺人」事件。女性をレイプした末に死なせた「強姦及び傷害致死」事件。一家を皆殺しにした上で放火をする「○○一家殺害放火」事件。反社会思想に基づく「有毒ガスによる無差別テロ」事件。
より重大で、より死刑判決となりかねない事件ほど、裁判員制が適用される可能性が高くなります。

話の展開上、ここで『今日の本』を入れさせていただきます。

今日の本:『死刑執行人サンソン』安藤正勝
死刑執行人サンソンと聞いて、「あの人の事だ!」という方は少ないでしょう。しかし、「フランス革命のとき、元国王ルイ16世の死刑執行をした人物」と言えば、かなり具体的にイメージができると思います。

この新書は、『死刑執行人サンソン』という題名ですが、18世紀のフランスで行われていた処刑方法や拷問方法に関する解説書ではありません。この本は、奇しくもルイ16世の死刑執行人となったシャルル−アンリ・サンソンという男と、代々、死刑執行人の職業を受け継いできたサンソン一族の歴史を語るものです。
以下、この本の内容を交えて「死刑制度」について書いていきます。

死刑執行人を継承してきた一族
ブルボン王朝が治めるフランスにおいて、職業は世襲制。国王の子は国王に、貴族の子は貴族に、パン屋の子はパン屋に、鍛冶屋の子は鍛冶屋に、そして死刑執行人の子は死刑執行人になるものでした。

死刑執行人は、その職業柄、町の人々から忌み嫌われていました。「平然と人を殺せる奴等」と見られたのです。
日常生活品を買いに行って、売るのを拒まれることもありました。また死刑執行の際、必要な道具を忘れたことに気付いて町に買いに行ったところ売ってもらえず、役人を呼んで仲介をしてもらって、ようやく売ってもらえたということもありました。

死刑執行人の一族=医者の一族
では、サンソン本人が実際に「暴力的で野蛮な人」であったかと言うと、真逆であったという方が正しいでしょう。

当時、罪人に対するあらゆる刑罰、あらゆる方法による死刑、ムチ打ち、焼印なども死刑執行人の手によって行われていました。また拷問も、ルイ16世が禁止するまで、裁判官の立ち会いの下で死刑執行人が行っています。そして、あまたの刑罰、拷問を手がけてきたサンソン一族は、「人がどうなったら死ぬのか?」「人のどこが急所であるか?」「どこまでなら死なないか?」という人体のしくみに精通し、その知識は一族で伝承する書籍群にまとめられました。

「人がどうなったら死ぬのか?」を知ることは、「どうすれば、人を生き永らえさせられるか?」を知ることになります。
そうして死刑執行人の一族は、副業として医者をするようになりました。むしろ、人道主義・啓蒙思想が拡がる18世紀のフランスでは、医者としての仕事・収入の方が多くなっていた程です。

医者であるためには、相応の知識と教養が必要です。
当時、学問は貴族にだけ許された高級なものでした。そのような時代ですから、医者を務められるだけの知識習得にサンソンも苦労しています。サンソンを教育したのは、病気で瀕死となっていたところをサンソンの父に救われた1人の神父でした。

死刑執行は、苦悩の末の信念の先にあるもの
第一級の知識を備えたサンソンが、自身の職業に苦悩しなかったはずありません。
サンソンを支えたのは、「死刑とは、国王から委託されて行うものである」「死刑は、法に基づいて裁判官が言い渡した刑罰であり、それを滞りなく果たすことが職務である」という信念でした。

また、当時の死刑は、執行人としての腕前も必要でした。有名な断頭台、いわゆるギロチンは、フランス革命期に開発された物です。そのため、サンソンは剣をもって行う斬首刑も経験しています。

当時の死刑は、公開処刑でした。
剣で人の首を斬るというのは、技術的にとても難しいことです。死刑囚の髪に邪魔されて刃が滑ったり、手元が狂って頭や肩を打つこともあります。死刑囚の方も、失敗があり得ることを知った上で、最期の覚悟を示すように首を差し出します。
しかし、「最初の一刀」でどちらかが怯めば、その死刑は失敗に帰します。そうなると死刑囚の緊張が途切れ、斬り付けられた痛みも加わって暴れ出すことになります。

処刑場を囲む民衆は民衆で、死刑囚が、腕の悪い執行人の手によって惨たらしく殺されていくことを望みません。「あくまで人道的に、より苦痛なく、一刀のもとに死刑が終わること」を望んでいます。実際、死刑に失敗した執行人が、怒り出した民衆に殺された事例もあります。

当時の死刑は、衆人環視の中、「死刑囚の死ぬる覚悟」と「執行人の処する信念」が、ぎりぎりまで張り詰めたところで行われていた『最期の見せ場』だったわけです。



「一主婦、一会社員が死刑判決を下す日 09年春裁判員制度(2)」に続きます。

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犯行から26年後に発覚した女性教諭殺害事件 遺族への賠償責任認める 今日の本:『家栽の人』
<事件の概要>
1978年8月、東京都足立区立の小学校舎内において、警備員が女性教諭(当時29歳)を殺害。その後、警備員は、女性教諭の遺体を自宅の床下に埋めて犯行を隠し、殺人罪の時効が成立した2004年に自首しました。
この元警備員の男(現在71歳)に対し、遺族が損害賠償を求めて東京高裁で控訴審を争っていました。



<裁判での争点>
民法は不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を定めています。
今回の訴訟では、殺害から発覚まで26年が過ぎたこの事件について、「除斥期間」を適用すべきかどうかが争点となりました。

民法第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。


<東京高裁による控訴審判決>
青柳馨裁判長は「事件発覚まで被害者の殺害を知ることができなかった遺族の請求に、民法上の時効を適用するのは著しく正義・公平の理念に反する」と述べ、殺害行為に対する賠償責任を認めなかった1審・東京地裁判決を変更し、約4255万円の支払いを命じた。

青柳裁判長による判決は、「殺害された女性教諭本人の賠償請求権を遺族が相続した」という考え方に立って、「相続財産に関しては、相続人が確定した時から6か月を経過するまで時効は成立しない」とする民法の相続規定に着目。「死亡の事実が不明で遺族が相続の事実を知ることができなかった場合も、この規定を適用できる」としました。
その上で、今回のような「特段の事情」がある場合は、「相続人である遺族を保護するために、除斥期間を適用しないことは条理にもかなう」と述べています。

民法第160条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

なお、元警備員の男には、女性教諭を殺害した日からの遅延損害金も課されるため、実際の支払い額は1億円を超えるもようです。
1審判決は、殺害行為については除斥期間を適用して賠償責任を認めず、遺体を隠し続けた行為に限って「遺族が故人を弔う機会を奪った」として330万円の賠償を命じていました。



民法には、最初にこのように定められています。

民法第1条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。  2.権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。 3.権利の濫用は、これを許さない。

今回の東京高裁の判決は、民法にのっとる民事訴訟らしい判決だと思います。
刑法における時効


今日の本:『家栽の人』作=毛利甚八作、画=魚戸おさむ
家庭裁判所裁判官の桑田義雄が、少年審判や家事審判を解決していく話を中心に描かれるヒューマンドラマです。
弁護士と検察官が、丁々発止と渡り合ういわゆる法廷物とは違います。また、マスコミで取沙汰されるような少年事件とも距離があります。出てくるのは、周りに騒がれることを狙ったかのような凶悪事件ではなく、家庭のゴタゴタや行き過ぎてしまった触法少年・少女です。未成年ということに悪乗りをする少年は出てきますが。

主人公の桑田は、司法修習生時代の成績は抜群ながら、少年事件の解決と彼らの更生に使命感を感じて家庭裁判所に留まり続けている裁判官。不登校を続ける息子の父親でもあります。
頭ごなしではなく、横からの目線、横からだからこそ厳しい目線に立っているのが印象的です。

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