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細川厚労相、引責辞任を否定 主婦年金救済策混乱めぐり ・・・通知を出した課長の更迭が先では?

細川厚労相、引責辞任を否定 主婦年金救済策混乱めぐり
(朝日新聞 3/8付)

細川律夫厚生労働相は8日の記者会見で、専業主婦の年金届け出漏れ問題への対応の混乱について「抜本的な解決策を早急に提示し、解決していくのが、今の私の務めだと考えている」と述べ、引責辞任しない考えを強調した。ただ野党は細川氏の責任は免れないとして、参院への問責決議案提出を視野に追及を強める構えだ。

細川氏は8日午前の衆院厚生労働委員会で、厚労省の課長通知による救済策について、長妻昭前厚労相からの業務引き継ぎ書に記載されていなかったと説明。「(事前に)説明を受けて内容を熟知したなら、私も『もう一度考えなければならない』と考えたと思う」と釈明した。1月下旬に救済策の説明に来た厚労省幹部に対して「こんな大事なことをなぜ説明しなかったのか」と叱責し、救済策の実行を止められないか相談したとも述べた。野党はこうした経緯を確認するため、長妻氏を参考人として衆院厚労委員会に呼ぶよう求めた。

細川氏の対応について、公明党の山口那津男代表は8日の記者会見で「国会審議で詰めるべき課題を解明したうえで(参院での)問責にふさわしいかどうか検討する」と述べた。自民党が検討している菅直人首相への問責決議案提出については「直ちに考えるべきかどうかは、予算案の審議中でもあり、基本的にその使命を果たすべきだと考えている」と語り、早期提出には慎重な考えを示した。

一方、前原誠司前外相の辞任について首相は8日の閣僚懇談会で報告し、「閣僚がそれぞれの仕事をしっかり進めていくように」と指示した。

閣僚からは同情論が相次いだ。与謝野馨経済財政相は8日の記者会見で「知り合いの寄付でしかも年5万円。悪質性、故意性もない」と指摘。松本龍環境相も「辞める必要はなかったのではないか。せつない思いだ」と語った。

外国人からの政治献金を禁じた政治資金規正法の改正に言及する声もあった。同法を所管する片山善博総務相は「罰則の対象範囲をもっと明確にする必要がある」と述べ、野田佳彦財務相も「この問題にスポットライトを当てた議論をしていない。よく議論した方がいい」と語った。

前原氏辞任の影響について野田氏は「(土俵際の)徳俵だから踏ん張りどころだ。どれだけみんなが力を結集できるかだ」と強調。蓮舫行政刷新相は「外相でも首相でも短期間での交代は国益に大きな影響がある」と述べ、菅直人首相への問責決議案提出を検討している野党を牽制した。

・・・通知を出した課長の更迭が先では?
該当者が100万人にも上るとの見方もある、専業主婦の国民年金の届け出が漏れ。元を辿れば、国民年金掛金の徴収業務を怠ってきた旧社会保険庁に原因があります。

「あなたの年金は、このように変わっていますよ。掛金の未納が発生しているため、払ってください」という徴収業務を、夫の脱サラ等々の機会ごと、逐一にきちんと済ませていれば、今日のような大量の届け出漏れは出てこなかったはずです。旧社会保険庁のような杜撰な組織に、大事な老後のお金の管理を任せきりにして放置するようなことさえなければ、未然に防止できた問題です。

しかしながら、自民政権、自公政権時代には、立法府による行政府への厳しい監視はなく、宙に浮いた年金問題と同様に専業主婦の年金届け出漏れ問題も、『立法的救済』が必要なほどの大事件になってしまいました。そう、100万人分の年金受給資格の救済策とは、最早、一課長で決済できるレベルの話ではないのです。

未納分を分割で完納してもらうのが筋では?
この課長が出した救済策は、さらにお粗末でした。「無届けの人には直近2年分だけ保険料を納めてもらう。それ以前の期間は未納扱いとせず、受給額も減らさない」という現状の追認。記録を訂正すると長期の未納者が続出するおそれがある、と考えたのが理由だそうです。

しかし、中にはご自身できちんと年金の変更手続きをされた専業主婦もおられるわけで、これではあまりに不公平でしょう。

普通の感覚から言えば、不公平な現状の追認よりも、望ましい公平性の実現を志向すべきです。
ならば、「現行法では2年分しか追納できないが、公平な年金負担の見地に立ち、未納分を分割で完納してもらう時限立法を国会で議論して欲しい」と考えるのが、一行政官に過ぎない立場から出せる回答ではないでしょうか。正直者がバカを見ない制度を維持することこそ、行政官の本分であるはずです。

一行政官でありながら、年金の公平性を揺るがす救済策を、国会への断りなく実行した課長。その救済策の引き継ぎさえしなかった、“ミスター年金”と呼ばれた長妻昭前厚労相の甘い判断。
ことごとく悪い方へ間違えるこの人らの考え方は、よく分かりません。


――――――――――――――――――――――――――
関連記事
厚労相「前大臣から引き継ぎなし」…年金問題
(読売新聞 3/8付)

細川厚生労働相は8日午前の衆院厚生労働委員会で、専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題の救済策について、「(昨年9月の)前大臣からの引き継ぎ書の中にはなかった」と述べ、前任の長妻昭・前厚労相から引き継ぎを受けていなかったことを明らかにした。

公明党の坂口力氏の質問に答えた。切り替え忘れ対象者を保険料を払う必要のない「第3号被保険者」とみなす救済策は、長妻厚労相時代の昨年3月に決定。細川氏は今年1月下旬の事務方からの説明で初めて詳細を把握したとしている。

また、厚労省の石井信芳・年金管理審議官は同委で、救済策への申請が2月23日までに5854人に上ることを明らかにした。細川氏は2月24日に救済策の留保を表明し、申請手続きを凍結した。同省は申請人数について、これまでは2331人(1月30日時点)としていた。
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国民年金保険料10年分の後払い可能に ・・・問題は、先輩が築いた上に乗っても感じる不公平

国民年金保険料10年分の後払い可能に 民自が修正合意
(朝日新聞 11/13付)

国民年金保険料の未払い分を過去10年間さかのぼって後払いできることを定めた国民年金法改正案をめぐり、民主、自民両党は12日、修正することで合意した。10年間の後払いを無期限ではなく、今後3年間限りの特例として認める。これを受けて、同法案は今国会で成立し、来年度にも実施される。

国民年金の保険料は、原則として毎月支払う必要があり、納付期間が25年以上なければ将来の年金がもらえなくなる。また、支払い満期の40年間に満たないと受け取れる年金額は減らされる。現行では、さかのぼって後払いできるのは過去2年分だが、改正案はこれを10年に延ばす。国民年金は未納率が4割に達していることから、制度の維持のためにも保険料納付を奨励する狙いがある。

厚生労働省の推計では、10年間さかのぼって後払いすることで年金額を増やせる人は、最大で1600万人に上る。さらに、最大で40万人は将来、年金がもらえない事態を避けられるという。

民主党政権は、先の通常国会にこの法案を提出。ただ、後払いできる期間を「無期限」としていたことに、自民党は「40年に4回納めればいいことになれば、モラルハザードを引き起こす」と反対していた。

これに対し、民主党は期限を「3年間」と区切る修正案を提示。自民党は、先の通常国会で廃案となった障害者自立支援法改正案の成立を条件に、受け入れを決めた。公明党も、参院選マニフェストで後払いできる期間を10年に延ばす方針を記しており、法案に賛成する見通しだ。(山田史比古、及川綾子)

・・・問題は、先輩が築いた上に乗っても感じる不公平
30年前なら、年金受給者は、焼け野原となった終戦直後の日本国を再建において第一線に立ち、陣頭指揮を執ってこられた方々。「戦争は悲惨だった」という戦争体験の語り手を超えた、新しい日本国の大黒柱となられた方々であり、現役世代が年金制度を通じて引退世代を扶養する賦課方式の年金は異論無く受け入れられたと思います。

しかし、現在の年金受給者は、終戦直後の混乱期はまだ上司の言うままに動く部下か子どもであった方々。60年代の高度経済成長を支え、80年代のオイルショックを乗り切って来られた実績には尊敬を覚えますが、子どもの多産を抑える方向に向けつつ、それに適応していく社会システムの構築は疎かにされてきたように思います。
また90年代のバブル経済では、同じ不況であってもソフト・ランディングをさせられる立場におられたのに、莫大な負の財産を築き、社会の歪みを大きくされています。

そうした背景を踏まえると、「現役世代の6割の収入で引退世代を扶養せよ。なお、現役世代が引退した後の支給は保証の限りではない」などという現行の年金制度に、支え手・参加者が集まるはずはありません。

先輩の苦労に手触りがない中での賦課方式は無理
オイルショックは大変だったと思いますが、50代後半~60代後半の政治家たちは、その頃に築かれた諸外国に対するアドバンテージを「日本国は温室効果ガス・マイナス25%を掲げ、国内で削減できない分は途上国から買い受ける」などと言って、簡単に無価値化してしまいました。

あの政治家たちは年金受給世代の直接の後輩であるはずで、その後輩にも伝わっていないオイルショックの大変さが、30代以下に伝わることはないでしょう。

さらに、バブル経済が弾けて20年。30代以下が肌で感じたことのある時代は、この『失われた20年』だけです。現行の年金制度に必要な30代、20代の支え手は好景気を知らない世代であり、生まれる前から決められている賦課方式の年金制度を突きつけられても、そこには不公平感しかないはずです。

30年間、限界の見える現行制度で放置してきたツケ
第3次ベビーブームを起こしてくれていて、日本国の人口ピラミッドは菱形でなく釣り金型を維持。国民年金納付額が月額・7000円ぐらいであったなら、不公平を感じつつも支え手は横ばいでキープできていたかもしれません。

20年、30年前から賦課方式による年金制度に見切りを付けて、強制貯蓄方式の年金制度へ徐々に移行させていたなら、「将来の自分の食い扶持としての年金積立」であるため、潤沢な参加者のいる公的年金として成立し続けたかもしれません。

年金受給開始を70歳として、70歳まで現役という価値観を企業の雇用制度とマッチングさせてきたなら、現役世代の負担額を縮小することで、支え手を確保できる状況を作れたかもしれません。

しかし残念ながら、いずれの対処も、また他の対策も立てることなく至ったのが今です。

失われた20年の間に年金保険料未納者が急増したのは確かであるものの、不況はきっかけに過ぎません。根本にあるのは、現行の年金制度に感じる不公平であり、そうした“大きなツケ”としての事態をどう乗り切るかということこそが年金問題の論点です。

もし、そこを本気に議論した結果が「国民年金保険料10年分の後払い可能に」止まりであるならば、霞が関と永田町にいるのは絶望的に危機感と構想力の欠如した人材ばかりだと断ぜざるを得ません。あそこは、本来、日本国のスーパー・エリートの集積街ですよね?

年金制度を清算、納入分を返還して生活保護に一元化しては?
第3次ベビーブームは、現役世代の収入が引退世代扶養と子ども養育費用が膨らむだけですし、晩婚化、第一子出産年齢の上昇が進む社会状況では、起こそうにも起きようがないでしょう。強制貯蓄制度への移行も手遅れです。年金受給年齢の引き上げも、新卒・中途採用など企業の雇用制度との擦り合わせに相当の時間が必要です。

ならば、現行の年金制度を清算してしまった方が、話しは早いのではないでしょうか? 「国民年金保険料10年分の後払い可能に」という絆創膏を当てることしかできない状況が、現行の年金制度の限界を物語っています。

取り巻く周囲の環境に余裕がなければ、どうせツギハギの制度は行き詰まるわけで、長い不況に喘いでいる今を思うと、「年金は倒産した保険会社」と断定して清算し、新しく作り直した方が公正なものとなるでしょう。一から作り直す方が、新しいアイデアも盛り込みやすいですし、より高効率の公的年金制度にする期待だって持ち易くなります。

現行の年金制度と新・年金制度とのタイムラグは、生活保護で無理矢理に凌ぐことは可能でしょう。

年金改ざんで社保庁が2500万人に記録通知へ ・・・「虚偽公文書」の作成ないし変造だから刑事事件では?

年金改ざんで社保庁が2500万人に記録通知へ 
厚生年金の記録改ざん問題で、社会保険庁は、約2500万人の受給者に対して、標準報酬月額などの記録を来年中に郵送で通知することを決定。
さらに関連情報をインターネットで確認できる仕組みも、今年度中にスタート。社保庁職員の記録改ざんへの関与が判明したため、受給者に改めてチェックを呼びかけることにしました。

現役を引退して給付される年金受給額は、現役時代に更新してきた年金記録の「標準報酬月額」から算定されます。よって、年金掛金の回収率を上げたい社会保険事務所と、年金掛金の企業負担分を低くしたい会社との思惑が一致し、年金加入者の標準報酬月額を下げるといった改ざんをされていると、現役引退後の年金受給額が本来の額よりも少なくなります。

年金記録の改ざんは、第三者委員会による指摘から、会社経営者が「社会保険事務所から改ざんの指南を受けた」と証言したことから明るみに出ました。また元社会保険事務所職員が、保険料を滞納する会社に、標準報酬月額の引き下げや脱退を促すよう指導したことがあったと証言。
さらに、実際に「改ざんされた」と認められる年金記録が発覚しました。

社保庁は9日、オンライン上のすべての厚生年金記録のうち、標準報酬月額が不自然に引き下げられている記録や、制度から脱退した時期がさかのぼって訂正されている記録などを抽出し、該当者に通知して確認を促す方針を公表しました。


「虚偽公文書」の作成ないし変造だから刑事事件では?
刑法には、以下のような定めがあります。

刑法第156条(虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

前二条とは、天皇陛下が国会召集などで発する「詔書」の偽造に適用される第154条と、役所や公務員が作成する「公文書」の偽造に適用される第155条のこと。つまり「虚偽の公文書」を作成したときの刑罰は、公文書を偽造したときと同様に扱うことを意味します。
具体的には、虚偽に基づいて、役所か公務員の印章や署名がある公文書を作成・変造した場合には1年以上10年以下の懲役刑となり、役所か公務員の印章や署名がない公文書を作成・変造した場合には3年以下の懲役刑か20万円以下の罰金刑となります。

社会保険庁は調査主体に不適 警察か総務省が入るべきでは?
長年にわたる職務怠慢で「宙に浮いた年金記録」を出した社会保険庁が、「年金記録の改ざん」に手を染めた社会保険事務所を調査するのもおかしな話です。
これまでまともな指導・監督をしてこなかった社会保険庁に、今さらどのような健全性の優位があるのでしょうか? 厚労省でも、これまで何人も社保庁に出向者を出しておいて現在に至っているわけですから、調査主体として適当とは言い難いでしょう。

刑事訴訟法・第250条によって、10年以下の懲役刑となる虚偽公文書作成の罪は、5年前までに行なわれた事例しか検察官が裁判所に起訴する「公訴」はできません。しかし逆に言えば、まだ5年を経ていない事例については、刑事事件として処理する犯罪性の検証をしなければならないでしょう。

またすでに年金記録確認第三者委員会として総務省が入っていることから、少なくとも調査主体は、厚労省の外にある総務省が持った方が良いように思います。

リスク管理不充分な組織に公的資金運用ができるのか? 07年度の厚生年金運用は「5兆6000億円の赤字」

07年度の厚生年金運用は「5兆6000億円の赤字」
社会保険庁は8日、厚生年金、国民年金の07年度収支をまとめました。
厚生年金は簿価ベースでは黒字でしたが、積立金の市場運用で大幅な運用損を出した影響で時価では5兆5909億円の赤字。05年度分から公表している時価収支で赤字となったのは初めて。国民年金は簿価、時価ともに赤字でした。

厚生年金は、保険料収入の伸びや積立金の取り崩し増などで、歳入は36兆830億円(前年度比・5833億円の増)。歳出は7476億円増の35兆1451億円で、簿価上は9378億円の黒字となりましたが、運用収入が4兆8705億円減少したことが響き、時価は大幅赤字となりました。

一方、国民年金は歳入5兆5729億円、歳出5兆9322億円でともに前年度を下回り、簿価で3593億円のマイナス収支。時価では赤字幅が7779億円に膨らみ、2年連続の赤字決算となりました。

また、政府管掌健康保険の07年度収支も同時に公表。収入7兆7164億円に対し、支出は7兆8516億円で、1352億円の赤字でした。単年度赤字は02年度以来5年ぶりで、内訳は介護分が38億円の黒字だったものの、医療分は1390億円の赤字となりました。


公的年金・120兆円を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」
日本の公的年金制度は、①国民皆年金、②社会保険方式、③世代間扶養という要素から形作られています。
しかし少子高齢化が進む中、年金支給額のすべてを同制度のまま賄おうとすると、就労して年金掛金を納める現役世代への負担が大きくなることが問題視されました。そこで、納められた年金掛金の内で引退世代への支給に充てられなかった分を「年金積立金」とし、市場などで運用収益を上げることが考えられました。
その年金積立金の運用を行なっているのが、「年金積立金管理運用独立行政法人」です。

同法人は、07年度末で時価にして市場で91兆3000億円、財投債 で29兆2000億円を運用しています。
※財投債・・・特殊法人に融資するために、「財政融資資金特別会計」が国の信用で発行する国債。

株式、債券、財投債・・・、運用資産120兆円の内訳
ここ5年間の運用資産の内訳は、下記のように推移しています。

事業年度末・・・総額
(内訳:国内債権/財投債/国内株式/外国債券/外国株式/短期資産)
03年度末・・・70兆3507億円
(25兆2012億/22兆2897億/12兆0019億/3兆9520億/5兆9255億/9804億)
04年度末・・・87兆6188億円
(32兆2115億/29兆0368億/12兆4234億/5兆7923億/8兆1500億/49億)
05年度末・・・102兆4986億円
(34兆9242億/30兆2810億/18兆9789億/7兆5515億/10兆7617億/13億)
06年度末・・・114兆5040億円
(44兆1997億/29兆5287億/19兆0676億/9兆0694億/12兆6376億/10億)
07年度末・・・120兆4916億円
(56兆9443億/29兆1842億/13兆7923億/9兆6641億/10兆9057億/9億)

総額を見ていくと順調に増えているように見えますが、この年金積立金は、毎年「納められた年金掛金の内で引退世代への支給に充てられなかった分」を積み立てていくもの。常に、広く現役世代から集めた掛金が入ってくるため、「増えるのが当然」ということを前提に見る必要があります。

07年度の問題点は、株式市場で運用した資産の減少が非常に大きいことです。
年金積立金管理運用独立行政法人は、06年度末時点で、国内株式・19兆0676億円、外国株式・12兆6376億円もの資産を持っていました。しかし1年経って07年度時点で、国内株式を約5兆3000億円も減らして13兆7923億円、外国株式を約1兆7000億円も減らして10兆9057億円としています。それぞれの減少率は、27.7%、13.7%になります。

資産の運用規模は、通常、リスク分散できる規模となります。なぜなら規模が大きい分だけ、幅広くハイリスク・ハイリターンな銘柄とローリスク・ローリターンの銘柄を組み合わせられるからです。よって、百万や千万円単位で運用している個人投資家ならともかく、国内株式・外国株式で合わせて31兆7000億円も運用している機関投資家が、7兆円・22%・5分の1も損をするというのは、はっきり言って下手な資産運用です。

ちなみに、ここ5カ年のTOPIX、日経平均のチャートは下図の通り。


運用できる資産は積立金の増加で増えているはずなのに、04年度末の水準が見えるところまで下がった07年度末の資産残高は、やはり下手くそな資産運用の結果だったと評価されるものでしょう。このような資産運用のリスク管理ができない機関に、公的年金・社会保障費の運用を任せておいてよいのでしょうか?

職員の着服防止 社会保険事務所窓口での「年金保険料の現金納付」全廃だそうですね

年金保険料、窓口での現金納付全廃へ
社会保険庁は28日、年金保険料などの現金を社会保険事務所の窓口で受け取ることを5月から段階的に取りやめ、09年10月以降全廃することを決定しました。背景には、職員による着服が「消えた年金」の一因となったことを受け、再発防止の狙いがあります。

まず09年5月以降、2カ月間の納付期限内の保険料について現金による領収を全廃。
10月からは、納付場所を社保事務所窓口に指定したもの、強制徴収を除く年金保険料すべてが現金納付できなくなります。

なお、国民年金保険料は、既に96%が金融機関などを通じて納められています。


それって何か、根本的に違わなくありません?
「社会保険事務所の窓口で受け取ると、着服の可能性があるため、これから窓口納付は受け付けません」
論理としては分かりますが、何か根本的なところで違うように思います。

例えば、他人の現金を扱う銀行員は、銀行法において「顧客に損害を与える目的で違反行為をした者は、一年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とされ、厳しくその業務を監視されています。
社会保険事務所の窓口職員に必要だったのは、こうした規律なのではないでしょうか?

銀行にまつわる厳しい現金管理
都市伝説でしょうが、銀行にまつわる話にこういうものがあります。

午後3時になって窓口を閉めたとき、窓口で取り扱った現金記録から計算される「銀行にあるはずのお金の残高」と「実際に銀行にあるお金の残高」を照合して、万が一、1円でも違っていたら床を這いずり回ってでもその1円を見つけ出すまで職員を帰さないという話です。

広く他の人たちからお金を預けてもらうことでまとまった資金を作り、その資金を企業への貸付などの運用で利益を出すのが銀行です。広く他の人たちからお金を預けてもらうためには、信用が第一。実に銀行らしい話です。

公務員は厳しく義務が定められている
公務員には、国家公務員法や地方公務員法で以下のような義務があると定められています。

・職務遂行上の義務(職務遂行・職務専念義務)
・法令と上司の命令に従う義務
・秘密を守る義務
・品位と信用を保つ義務

この通りされていれば、社会保険事務所の窓口で現金を取り扱うことに問題はないはずです。

社会保険庁は2010年に分割・民営化
社会保険庁は、2010年に分割・民営化されることが決まっています。この方針自体にも、「国が最後のセーフティーネットを、すべて管理するべき」という議論がありますが、今の法律では民営化されることになっています。

健康保険は「全国健康保険協会」、公的年金の運営業務は「日本年金機構」という新組織に、それぞれ移行します。

組織への信用は、結局、信用される職員の育成
民営化されるということは、「国の保護下」から「国の管理下」へと変わることであるため、年金が宙に浮く可能性は下がるかもしれません。

けれども、最後に組織の信用を支えるのは、やはりそこに勤めている職員一人一人が規律を守っているという積み重ね。信用できる職員がいるからこそ、1円たりとも盗まない、ごまかさない、間違えない職員がいる組織だからこそ、信用されるわけです。

やるべきことは、銀行員より厳しい、「社会保険庁職員管理法案」を作ることではないでしょうか?

「ねんきん特別便」電話相談に、時給5,500円のバイトを雇っている社保庁

宙に浮いた年金問題について、社会保険庁が設けた「ねんきん特別便相談専用ダイヤル」。この専用ダイヤルに対応する相談員に対して、社保庁が、最高時給5,500円を支払っていることが週刊文春による取材で判明しました。

社会保険庁は07年12月17日から、「宙に浮いた年金記録」の持ち主を確認しようと「ねんきん特別便」の発送を開始。専用ダイヤルによる電話相談業務を行っています。そのために総額18億円の経費を補正予算に計上し、相談に当たる予定の約1200人のうちまず約400人を、民間企業2社に08年1月21日から3月末まで業務委託しています。


専用ダイヤル受付の民間企業委託状況
社保庁企画課によると、相談業務は、一般競争入札方式にかけられたが、落札は、価格ばかりでなく内容もみる総合評価方式を採用。結果、「もしもしホットライン社」と「KDDIエボルバ社」の2社が、それぞれ以下の金額で落札しました。

▽もしもしホットライン
管理者:時給5,500円 スーパーバイザー:時給3,200円 オペレーター:時給2,390円

▽KDDIエボルバ
管理者:時給2,900円 スーパーバイザー:時給2,300円 オペレーター:時給1,850円

管理者・スーパーバイザー・オペレーターによる受付体制は、一般的に、民間コールセンターで採られる形です。
管理者の業務は、電話相談業務の全体の効率化を担当。スーパーバイザーは、10人程度のオペレーターのまとめ役で、勤怠管理や指導、マニュアル作成、さらには相談サービスの品質管理などを担当。オペレーターは、直接電話をとって相談の受付を担当します。

両社の間で落札額が違っていることについては、参議院の補正予算委員会で、民主党・蓮舫議員が追及しましたが、舛添厚労相が「もう一度きちんと点検しないといけない」と答弁する段階に留まっています。

コールセンターでのバイト時給の相場
26日に『fromAnavi』で調べた、コールセンターでのアルバイト時給は以下の通り。いずれもオペレーター業務です。
▽ガリバーのコールセンタースタッフ・・・時給1,000~1,900円
▽KDDIのコールセンタースタッフ(アデコ社)・・・時給1,200円
▽損保会社の電話受付請負(ベネッセ系列)・・・時給1,200円

同じく26日に『リクナビ派遣』『リクナビNEXT』で調べた派遣社員での時給は以下の通り。こちらも、業務はオペレート。
▽ドコモグループコールセンター(アデコ社)・・・時給1,500円
▽通信販売会社(アデコ社)・・・時給1,400円
▽マックスコム(三井物産系列)・・・時給1,250~1,400円

今回の社保庁の委託料は、一般相場より高いことが分かります。また、管理者となると相場は時給3,000円程度になるようです。

民間企業への委託の妥当性
週刊文春の取材によると、社保庁から委託を受けた業者の勤務実態は、マニュアルを見ながら電話対応する即席バイト。さらに、現在の社保事務所の窓口相談員には、急遽採用された臨時職員も多いとのことです。

また同誌の取材に応えた厚労省職員は、電話オペレーターの管理、つまり教育や労務管理、情報管理といった仕事は、年金の仕組みにも精通している社保庁職員の本来業務。外部委託すべき業務ではないとしています。

しかし、現場の人手不足も事実
先週・20日に、社会保険事務所に行く用事があったのですが、事務所内は相談者でいっぱいでした。

私が社会保険事務所に行ったのは昼1時頃。私は、保険一般の用事でしたので20分程度(2人待ち)で用を済ませられました。
しかし、年金窓口は「通常の年金相談窓口」と「ねんきん特別便相談窓口」に分けられており、通常の年金相談窓口の方で30人待ち、ねんきん特別便の方で40人待ちとなっていました。

一刻も早い「社会保険労務士」の投入が必要
社会保険労務士とは、「社労士」とも呼ばれる労働社会保険と人事・労務管理のプロで、約1万4000人の方が開業しています。
当然、社労士は、国民年金にも厚生年金保険にも精通しており、役所への申請代理・代行のほか、年金受給などの相談も受付ています。

国民年金に絞っても、社労士は、年金の加入期間・受給資格等についての説明や、年金の裁定請求に関する書類を依頼人に代わって作成・提出することができます。
つまり、時給5,500円の民間業者へ委託をしなくとも、全国1万4000人の社労士の方々に応援を頼んだ方が、確実かつ効率的なわけです。

ところが、社労士への協力要請は、総務省の「年金業務・社保庁等監視委員会」から提案があったほか、舛添厚労相からも「全国社労士連合会に協力を要請すべき」との指示が出ています。これらの提案・支持に社保庁が腰を上げないというのが、実態であるようです。

2010年に非公務員型の公法人「日本年金機構」へ改編することが決まっている社会保険庁。現・社保庁職員は、能力・実績主義人事、民間企業へのアウトソーシングの推進を標榜する日本年金機構で、やっていけるのでしょうか?

昨年末までで、1万7114人の年金が回復 最高支給額は2823万円

昨年の通常国会で成立した「年金時効撤廃特例法」。
その適用の結果、昨年末で、5年以上前の記録漏れによる未支給分を受け取った人が1万7114人に上ったことが分かりました。記録回復に基づいて支給された年金は総額134億7549万円で、平均額は78万円。最高額は96歳男性の2823万円。

時効撤廃以前は、社保庁の記録ミスが訂正されても、未支給分は5年間しかさかのぼって受給できませんでした。


本来もらえるはずだった年金が支給されたので良かったことですが、96歳になって「すみません。3000万円払ってませんでした」と言われても困りますよね。
60歳からきちんともらえていたら、1年間で使えるお金が80万円、月で6.5万円増。税金がかかるのでもうちょっと少なくなるでしょうけど、賃貸マンションだったら、住めるところが変わるぐらいです。

宙に浮いた年金は、東京の社会保険庁が下手な顧客管理をしてきたことと、「下手な顧客管理をしているのだ」ということについての無自覚・無反省、そして地方事務所からもそれを是正できなかったことに原因があったのだと考えています。

宙に浮いた年金問題の検証(全3回)

中央集権型組織で、中央の能力が低いと非常に困ります。

社会保険事務所に行く機会があったのですが、何だかダンボールがいっぱい。受付窓口も、普段は会議室に使っているところに長机とノートパソコンを並べていました。現場は大混乱という感じでした。
これはこれで、新たに問題を起こしそうでちょっと怖いです。今後は、きちんとやって欲しいものです。

宙に浮いた年金問題 ねんきん特別便郵送開始 対象は受給者、納入者両方(3)

ねんきん特別便記事、最後の3回目。

ねんきん特別便が来たら?
最後に、「ねんきん特別便」が来た時の書面の見方を書きます。

1、届いたものが自分のものか確認
ポイントは、「氏名の漢字とフリガナ」「生年月日」「住所」 。ここはほぼ全部です!
思い出してください。すぐ下のねんきん特別便2回目の記事です。「宙に浮いた年金問題 ねんきん特別便郵送開始 対象は受給者、納入者両方(2)」で書いた②のように、「東京の社保庁は年金番号のみでデータ管理してきた」ことを。

2、加入記録の表と働いた記憶を照合
働いていた企業名、働いていた期間が、ちゃんと自分の記憶と合っているか確認が必要です。

転職をされている方は、前職をやめた時の資格喪失時期と、新しい就職先に勤め始めた加入開始時期の差分に特に注意します。あいだで短期に勤めたところが「抜け落ち」ていたり、年金番号が変わっていて、「前職の分が丸々ない」「新しい就職先が反映されていない」といった「行方不明」があるかもしれません。

同じ企業に勤めていても、他都道府県の支社を転々と転勤された方は、伴に所属する地方の社会保険事務所が変わっていっています。
年金番号統一化の以前から積立てをしておられる方は、転勤に伴う地方事務所の変更時に「抜け落ち」が起こっている可能性があります。

3、加入期間と積立て期間の差分を確認
いずれも「月数」で表示されますが、これが一致していない場合は、差分が企業で働いていなかった月数と合っているか注意が必要です。



「ねんきん特別便」が来たら、顧客管理のド素人がやった仕事の結果だと思ってちゃんと目を通しましょう。
「宙に浮いた年金」は、地方事務所や社保庁の中で、一人がんばる職員さんがいても防げなかった事態です。組織運営上、システム上の欠陥の結果です。顧客管理のシステム構築を軽んじた社保庁幹部の責任です。
目を皿のようにして、めいっぱい記憶をたぐりましょう。
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プロフィール

鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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