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国債格下げ 経財相「増税への催促」 ・・・83兆円だった08年度予算への回帰だと思いますが?

<国債格下げ>迫られる財政再建 経財相「増税への催促」
(毎日新聞 1/27付)

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債格下げに踏み切った背景には、菅直人政権が目指す税制抜本改革の実現性に対する強い不信感がある。

格下げの発表された27日夕、政府関係者は「民間の会社の評価なので(直接の)コメントは控える」(野田佳彦財務相)と平静を装ってみせた。国債の95%が国内で購入されていることから、政府内には「ただちに国債急落(長期金利は上昇)することはない」との見方も根強い。

だが、今回の格下げでS&Pは、民主党政権が昨年6月に打ち出した「20年度までに基礎的財政収支を黒字化する」との財政健全化目標や、11年度内の法案提出を目指している「税と社会保障の一体改革」の実現性に疑問符を突きつけた。参院で与野党が逆転する「ねじれ国会」下、消費税増税を含む財政再建に向けた超党派の合意を取り付けるめどが立っていないためだ。

一方、与謝野馨経済財政担当相は27日夜、BSフジの番組で「格下げは(消費税増税を)早くやりなさいという催促だ」と指摘。S&Pによる「外圧」を、消費税率引き上げの必要性を訴える材料にしたい考えも示した。

ただ、今回の格下げが、税と社会保障を巡る与野党協議を始めるきっかけになるとの見方は少ない。財政再建への取り組みが停滞し続ければ、ムーディーズなどほかの格付け会社にも格下げの動きが広がり、国債の信認は大きく揺らぐことになる。【坂井隆之】

・・・83兆円だった08年度予算への回帰だと思いますが?
08年9月に米国のリーマン・ブラザースが破綻(リーマン・ショック)したことで顕在化した世界金融危機がなければ、当時の福田内閣が組んだ総額・83兆円の予算は正しかったはずです。膨らみすぎた累積赤字が脅威と感じられる規模になれば、緊縮財政へ舵を切るのが当然なのですから。


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麻生内閣による財政拡大も、「金融不安による景気停滞で消費者の財布が固くなった。だから、政府がお金を使うしかない」というケインズ型財政政策に沿ったもの。“カンフル剤”とも表現されるように、一時的な景気刺激策であって、本来は継続的に使うのではありません。

しかし、鳩山内閣も菅内閣も『前年度比』という近視眼的予算編成を行って、一時しのぎのカンフル剤であるはずの財政拡大を常態化させてしまいました。予算編成に取り組む民主党のこの基本姿勢にこそ、日本国の国家予算が史上最高額を更新し続ける異常事態の元凶です。

無批判な“前年度比”が、過去最高額を叩き出す元凶
リーマン・ショックは2年半も前のことであり、世界金融危機の震源地も米国からEUに移るほど、事態は大きく変化しています。2010年のTOYOTAの新車販売台数も09年からV字回復しており、同じような業績回復は他にも見られます。

事態が変化しているのですから、「リーマン・ショック以前、福田内閣が実現できた総額・83兆円に立ち返るべきではないか?」といった発想を持って良いはずです。

けれども、菅内閣が組んだ2011年度予算は『前年度比』による予算でした。通常国会の代表質問に対する菅首相の答弁も、「本事業への予算は前年度よりも拡充し」「前年度○○億円だったものを、今年度は△△とし」といった文言ばかりが並んでいます。

重ねて言いますが、10年度予算は、麻生内閣が世界金融危機という異常事態に対して組んだ“カンフル剤予算”に、鳩山内閣が政権公約でうたった新規事業予算を上乗せしたもの。つまり、異常に異常を重ねた予算であって、『前年度比』の基準には不適当なものです。

菅内閣が、子ども手当などの政権公約をどうしても果たしたいのなら、それらの予算を計上しても構いません。有権者が心から望んでいたのかどうかは、いずれ行われる衆議院総選挙で明らかになるのですから。
しかし、総選挙まで政権を預かる政治家の最低限の責任として、せめて「正常な規模だった08年度予算、総額・83兆円+政権公約予算」に抑える工夫は果たすべきでしょう。単純な前年度比で考えられるほど、累積赤字の膨らんだ国家の予算編成は安直ではありません。

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通常国会24日召集…予算案焦点、小沢氏追及も ・・・予算の組み替えは、自民党も責務を負うべき

通常国会24日召集…予算案焦点、小沢氏追及も
(読売新聞 1/23付)

第177通常国会は24日召集される。

参院で野党が多数派を占める「ねじれ国会」で、政府・与党が、2011年度予算案と、今年度内に成立させなければ国民生活に影響が生じる予算関連法案を早期に成立させることができるかどうかが最大の焦点だ。自民党などは、民主党の小沢一郎元代表の政治とカネをめぐる問題などを厳しく追及する構えだ。

通常国会の会期は6月22日までの150日間。政府は11年度予算案のほか、64本の新規法案の提出を予定している。このうち、11年度予算の執行に必要な予算関連法案は26本。

このほか、昨年の臨時国会で継続審議となった郵政改革法案など法案19本を合わせ、計83法案、19条約案が審議される。政府はさらに21本の法案提出を検討している。

・・・予算の組み替えは、自民も責務を負うべき
総額・92.4兆円と、再び赤字国債が税収を上回る異常な予算案が組まれた2011年度本予算案。

しかし思い返せば、小泉内閣の頃の国家予算は87.2兆円(02年度)、88.8兆円(04年度)、84.4兆円(06年度)と、90兆円以下でした。福田内閣では83.0兆円(08年度)まで本予算を縮小してきました。

ところが、09年度・麻生内閣の時に、90兆円以下での予算編成が崩れる兆候が表れます。09年度本予算は一気に5兆円の財政出動を行って88.5兆円を提示したのです。

麻生内閣は、リーマン・ショックに始まる金融危機の煽りを受けました。しかし、麻生内閣は金融危機に対して、08年度一次補正予算、08年度二次補正予算、09年度一次補正予算で対応しています。実際に09年度本予算を底上げしたのは、前年度比で2.5兆円を上乗せした“年金費”が第一、9000億円を上乗せした“地方交付金”が第二、3000億円を上乗せした“公共事業”が第三です。

麻生内閣で最初に打った「社会保障と地方に手厚く」という一手をさらに強めたのが、鳩山内閣による10年度予算の92.2兆円であり、菅内閣による11年度予算の92.4兆円だと見るのが公平な評価だろうと思います。
バラマキを始めたのは、自民・公明の連立による麻生内閣です。自民党は前政権与党として、もっと深く予算案の編成に首を突っ込む責任があるのではないでしょうか?

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予算の縮減効果から、2.9兆円の子ども手当を問うべき
もちろん政権与党であるからには、日本国予算に最大の責任を負うのは菅内閣。では、その菅内閣が頭を使わずに11年度予算案を組んだのでしょうか?

鮎滝は、2010年度予算と比較する限り、「菅内閣は公共事業も地方交付金も削って苦労している。ただし、充分かどうかは意見が分かれる」というところから議論を始めるのが妥当だと思っています。

さて、相応に頭を使った菅内閣の予算案について、大きな争点とすべき点はどこでしょうか?
鮎滝は「2.9兆円の“子ども手当”の扱い」が、予算の縮減効果も含めて、妥当な争点だと考えています。

年金予算がさらに膨らむ中で、子ども手当も給付しようという施策の是非。「いまの子どもを育てる養育費を、将来、成長した子どもたちが返す国の借金で賄う」ことの論理的妥当性など、子ども手当は廃止を含めた検証が必要な施策でしょう。
子ども手当を廃止するだけで、2011年度予算案は89.47兆円にまで抑えられるのですから。


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関連記事
財政赤字20年度23兆円 消費税9%相当、内閣府試算
(中日新聞 1/21付)

内閣府は21日、政府の経済財政の中長期試算を閣議に提出した。財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、2020年度には約23兆2千億円の赤字になるとの内容。政府は同年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げるが、昨年6月に示した試算より赤字は、1兆5千億円拡大した。財源不足をすべて消費税で補うと、約9%の税率引き上げが必要になる。

基礎的財政収支は、国債などの利払い費と償還費を除いた歳出を、借金に頼ることなく税収などで賄えているかを示す指標。借金への依存が高まれば赤字になる。

今回の試算は20年度までの名目経済成長率を1%とする「慎重シナリオ」が前提。だが、年金や医療などの社会保障費が一段と増えて基礎的財政収支の赤字が拡大する見通しとなり、政府の財政健全化の目標達成は、さらに難しくなったことが鮮明になった。

政府は昨年6月、財政運営戦略を閣議決定。国内総生産(GDP)比の基礎的財政収支の赤字を10年度比で15年度までに半減させ20年度までに黒字化するとの目標だ。

今回の試算によると、11年度の基礎的財政収支の赤字は27兆1千億円。赤字額は名目GDP比では、5.6%となる。

試算では、20年度の基礎的財政収支はGDP比で4・2%の赤字となる見通しとなった。昨年6月の試算では3.8%で赤字が拡大する見通しとなった。これは11年度の税制改正の影響により法人事業税収が減少、地方財政の悪化が見込まれるためだ。

経済成長率が3%を上回る「成長戦略シナリオ」が前提でも、20年度の基礎的財政収支の黒字に16兆2千億円足りない。不足財源は、消費税率で7%程度の引き上げに相当する計算だ。

稼がずに借りる民主党予算は、金銭感覚を腐らせる ・・・11年度予算92兆4100億円で過去最大

来年度予算92兆4100億円、3年連続最大に
(読売新聞・朝日新聞 12/24付より)

国の2011年度予算案で国の予算規模を示す一般会計総額が約92兆4100億円に上り、当初予算としては過去最大を更新することが23日、明らかになった。

2年連続で国債発行額が税収を上回る異常事態となる。野田財務相は23日、首相公邸で菅首相に予算案の概要を説明し、了承を受けた。政府は24日に臨時閣議を開き、予算案を正式決定する。

一般会計総額は10年度の約92兆2900億円をわずかに上回る。歳入では、新規国債発行が約44兆3000億円、税収が約41兆円となるほか、税外収入を約7兆円確保する。

借金の返済にあてる国債費を除く歳出額は70兆9千億円程度と、10年度とほぼ同額。高齢化に伴う社会保障費の1兆円超の自然増や「子ども手当」の3歳未満の増額分(約2500億円)を、公共事業費の削減などで補った形だ。国債の元利払い費は21兆5千億円程度を見込み、総額は92兆4千億円程度となる。

景気の本格回復をめざし、成長分野への配分を重視して規模を確保した。菅直人首相が22日に指示した科学技術予算の増額は、予備費を使って400億円ほど積み増し、10年度と同水準にすることで決着した。

経済成長や雇用増につながる事業に優先配分する「元気な日本復活特別枠」は2兆1千億円程度。当初は1兆円超を想定していたが膨らませ、増えた分は既存予算を削ることで帳尻を合わせた。

稼がずに借りる民主党予算は、金銭感覚を腐らせる
「配偶者控除の廃止は、主婦層の支持率を下げるからイヤ」
「高速道路料金・休日上限1000円は、ウケてるから止めない」

・・・民主党で予算を考えている人物は、「何で税収を稼ぐか?」ということを真剣に考えているのでしょうか?
昨年・09年の衆議院選挙当選者の平均年齢は52.0歳であり、96年54.8歳、00年54.2歳、03年53.1歳、05年52.3歳と、この13年の間ずっと若返ってきています。また政党別の当選者平均年齢は民主党49.4歳、共産党56.4歳、自民党56.6歳、公明党58.0歳、社民党61.0歳と、民主党が最も若くなっています。

にもかかわらず、民主党が出てくる案は“現状維持”。
そこへ、子ども手当や高速道路料金引き下げなどを追加すれば過去最大の予算案になることなど、小学生にだって分かる算数です。新しいことを追加するなら、古いことを減らさない限り、前年度に対して増減無しの予算案など立てられません。

高速道路料金は特急料金である
そもそも高速道路料金・休日上限1000円は、「麻生内閣が思い付いた一時的な経済対策」でした。どうして民主党政権が、同じ政策を当然に引き継ぐのでしょうか?

民主党は民主党で高速道路無料化を掲げたわけですが、民主党も政府内部に入って、「高速道路無料化はムリ」という結論をもう得ているはずです。事業仕分けで実証してきたことではないですか。
「無い袖は振れない。国民の血税だから、尚のこと無い袖は振るな」という論理は、充分に支持を得られるでしょう。

さらに言えば、高速道路は国道1号線などに対する“特急自動車専用道”と位置付けられるわけで、「新幹線で乗車券に新幹線特急券を上乗せ」するように、特急料金としての高速道路料金が発生するのは至極当然です。
この合理性は、ドイツのアウトバーンを夢見ることさえ止めてしまえば、簡単に実現できる話。「ドイツにはドイツ、日本国には日本国の事情がある。両国の高速道路は異なって当たり前」で良いではありませんか。

子ども手当は「控除から手当へ転換」という公約だった
子ども手当にしても、「控除から手当への転換を図ります」という民主党公約に基づくものであったはずです。「選挙での票集めに直結する子ども手当だけ先行して、票を減らしかねない配偶者控除等は後回し」というのでは、選挙のたびにバラマキ政策を打って、日本国の国家財政をガタガタにしてきた自民党と何も変わりません。

民主党は、政権交代をやらせてもらった理由を、正しく理解できているのでしょうか?

あの夏の日本国の有権者は、「選挙対策、国会議員自身の当選確保のために、国民の税金を使って、経済対策という名のバラマキをやる自公政権はウンザリ。規制緩和などもっと賢い知恵を出せる政治家に日本国を運営させるため、自公政権は終わらせる」と思って、民主党に票を託したのです。自公政権と同じバラマキを継続するようでは、有権者の声に応えたことになりません。

大人の利権ではなく、子どもへのプレゼントを優先せよ
「親に振る袖がないから、子どもの服を切って、袖に縫い付けて振り回す」というのは、“大人の仕事”として胸を張れるものではありません。大人が子どもから搾取しておいて、一体、どこをどう評価すれば“大人”と呼べるのでしょうか。

クリスマスイブに、子どもからの搾取を前提とした国家予算を閣議決定する中道左派政権など、笑い話にもなりません。

お年玉までは、まだ1週間も残っています。大人なら、子どもへお年玉を出すことを優先しませんか。


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高速「平日2千円」合意 国交相と民主政調会長
(中日新聞 12/24付)

馬淵澄夫国土交通相は24日、民主党の玄葉光一郎政調会長らと会談し、高速道路の新料金について現行の土日・祝日の「上限千円」(普通車)を来年4月以降も継続した上で、新たに平日も「上限2000円」とする料金制度を設けることで合意した。新料金の対象は、制度開始時は自動料金収受システム(ETC)の搭載車に限定する方向とみられる。

軽自動車やエコカーを含めた詳細は今後詰め、早ければ来年1月末に発表する。首都高速道路や阪神高速道路については現在の定額から距離別に500~900円とする料金制度に変更する方針だ。トラックなど貨物車には上限制は導入せず、現行の時間帯割引や大口割引などを継続する。

新料金は来年4月から3年間程度の実施を目指す。ただ、新料金制度の導入により、自公政権下で確保された割引に必要な2兆円の財源は2年余りで使い切ることになるとみられ、それ以降の見通しは立っていない。

会談後、池口修次国交副大臣は記者団に対し「休日上限1000円は利用者から評価されており、今の経済情勢で引き上げは難しい」と話した。

税制改正大綱 高所得者層に負担ズシリ ・・・民主党は中道左派なのだから当然の税制

税制改正大綱 高所得者層に負担ズシリ
(フジサンケイ ビジネスアイ 12/17付)

2011年度税制改正大綱に盛り込まれた個人課税は「格差是正」の観点から、相続税の増税や所得税の控除縮小など高所得者に負担が集中する内容となっている。だが、落ち込む国内消費を引っ張っているのは富裕層だけに、個人増税に加えて環境税の導入が景気を冷え込ませる副作用も指摘されている。


「高所得者ほど負担増」という税体系を明確に示したのが控除の見直し。年収が増えるほど控除額が「青天井」で増えていた給与所得控除は、年収1500万円超の世帯は控除額を245万円で頭打ちにしサラリーマン全体の1%超(約50万人)が負担増となる。報酬の多い役員の所得控除は一般社員より圧縮。年収2000万円を超すと段階的に控除額が減る仕組みに改める。

また、23~69歳の扶養家族を抱える世帯の「成年扶養控除」は年収が568万円超の場合、廃止・縮小される。現在、適用を受けている納税者は約470万人いるが、うち23%にあたる約110万人の税負担が増す。


第一生命経済研究所の試算では、23歳以上の子供を養う年収800万~1000万円の世帯では所得税が実質年間7万600円の増税となり、1500万円の世帯では12万6000円の負担増となる見通し。「高所得層では負担が増したと感じる人が多いのでは」と控除の見直しが個人消費を下押しする可能性を指摘する。

来年10月に導入する地球温暖化対策税(環境税)は、15年度までに輸入段階で原油や天然ガスなどにかかる「石油石炭税」を5割引き上げる。環境省の試算では、増税を完全実施した場合の家計負担は月100円程度増加するという。

内訳はガソリンが1リットル当たり0.8円弱、電気代が1キロワット時当たり約0.1円、それぞれ価格に転嫁される見通し。2400億円という税負担を国民が「広く薄く」負うことになりそうだ。

また、バブル以降、相続時の負担緩和のため減税が繰り返されてきた相続税は、今回の税制改正で一転して増税となる。

・・・民主党は中道左派なのだから当然の税制
ビジネスアイ紙は産経系列のため「所得税増税は反対だ!」と考えるのかもしれませんけど、今のご時世における世帯収入感覚を反映させる必要があるように思います。

まず、給与所得控除の縮小影響を受けるのは、世帯収入で1800万円を超えられる方々です。起業に成功して若くして高収入を得ている方々もいますが、夫婦とも派遣労働という世帯もあるご時世において、世帯収入1800万円というのはかなり恵まれています。

もちろん、それだけの高給を得るに値する努力をされてきたことを否定はしません。けれども、毎年、日本国が44兆円の新規赤字国債を発行している異常事態を考えれば、これまで高給を得る努力のできる環境を提供してきた国家へ、一定の還元を求められるのはやむを得ないのではないでしょうか。

次の成年扶養控除の縮小についても、夫婦の片方が求職中でも700万円、1000万円を超えられる世帯収入を得られているのは、やはり希有に恵まれていると思われます。世帯収入500万円以下では控除は変わらず、1500万円超で12万5000円の成年扶養控除を縮小させるというのは、「個人増税です」と言うよりも「富裕層増税です」と呼ぶ感覚に近く、反対の声はビジネスアイ紙が期待するほど大きくならないでしょう。

そもそも中道左派とは、民主党がそういう覚悟を持っているかどうかは多分に怪しいものの、“所得の再分配”をより強く志向するものです。海を挟んだ隣国である米国が、共和党政権から民主党政権に変わってようやく公的健康保険を導入できたように、そんなオバマ民主党に対して右派のTea Partyが「増税No!」を訴えるように、左派による高所得者層への増税は一般的な傾向です。

まあ、そうやって集めた税金を「高速道路料金 休日上限1000円の維持」などに浪費されるのはたまったものではないと思う点は、共有できると思いますが・・・。

統一地方選で勝つために、平日休日とも上限2000円案を取り下げるなど、選挙主導の自民党や小沢一郎氏とやっていることは同じ。この程度の覚悟で、政治家がグランドデザインを描く政治主導をうたっていたとは呆れるばかりです。
休日の高速道路料金上限を1000円引き上げるだけで落選する地方議員・首長候補など、「最初から政治家になれない人物だった」と切り捨てればよいものを。


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関連記事
休日1000円高速継続へ・・・統一選にらみ転換
(読売新聞 12/17付)

政府・民主党は16日、土日・祝日に「上限1000円」としている現行の高速道路の料金割引を、2011年4月以降も続ける方向で調整に入った。

国土交通省が今月9日、民主党に示した来年4月以降の料金案では、普通車の料金を曜日にかかわらず「上限2000円」とし、土日・祝日の「上限1000円」は廃止する方向だった。来年4月の統一地方選を控え、党内に休日に値上げとなることへの反発が強いことから、方針を転換する。

新たな料金案は、来週にも民主党政策調査会の役員会で決め、国交省も受け入れる見通しだ。ただ、「上限1000円」を続ける場合、国交省の当初案で11年度から3年間で使う予定だった約2兆円の財源を2年ほどで使い切ることになるとみられる。財源の先食いとなり、実施期間は2年程度となる可能性が高い。

愛知知事選出馬の大村氏が「中京都」公約 ・・・河村たかし・大村秀章による地方分権圧力

愛知知事選出馬の大村氏が「中京都」公約
(中日新聞 12/5付)

来年2月の愛知県知事選で、自民党を離党して出馬する大村秀章衆院議員(50)が県と名古屋市の一体化を目指した「中京都(仮称)」構想を公約に盛り込むことが分かった。

県、市で重複する行政サービスを見直し、看板政策である減税の財源や効果を最大限に引き出すのが狙い。河村たかし市長との連携を具体化するものとして注目を集めそうだ。

6日の出馬会見で正式発表する。

政令指定都市のある都道府県は県、市の二重行政が問題にされてきた。関係者によると、名古屋市内には出先事務所や公共施設など重複するものが少なくなく、これらの施設や企画立案部門などを統合することで行政コストを削減。浮いた財源の一部を市民税と県民税の10%減税に充てたい考えだ。

スリム化を通じて迅速な意思決定が図れることから、大胆な経済活性化策や環境政策なども可能と判断。東京都に対抗し「東京一極集中」の是正につなげる狙いもあるという。

ただ、実現には「都」を東京だけに限定している地方自治法の改正などクリアすべき課題が多い。このため第三者機関をつくり、具体的な検討を行う意向という。

中京都構想は河村市長とも既に合意。知事選と市長選のダブル選になった場合、「河村-大村連合」は「減税」に並ぶ新たな旗印として県民、市民の信を問うことになる。

大阪府でも、橋下徹知事が今春、大阪府と大阪市を廃止し、新たに「大阪都」を創設する構想を発表。政令指定都市の大阪市・堺市を再編するなどして、20の特別区にするとしている。

・・・河村たかし・大村秀章による地方分権圧力
愛知県知事候補の段階とは言え、上記の大村秀章候補の「中京都構想」の凄さは、既に河村たかし名古屋市長と話をつけているというところ。その河村名古屋市長も辞意を表明しており、愛知県知事選とのダブル選挙の結果次第です。しかし、政令指定都市を抱える県の県知事候補と政令指定都市の市長が、共に政令指定都市の解体を志向しているのは愛知県だけでしょう。

同じく「大阪都構想」を掲げている橋下徹大阪府知事は、平松邦夫大阪市長との間で意見が折り合っていません。そのため、橋下知事を代表とする地域政党・大阪維新の会が、大阪市議会・堺市議会へ議員を擁立。大阪市と堺市を特別区へ解体する活動を始めた段階にあります。

国会議員らがねじれ国会を御することも出来ない中で、地方自治法の改正が何時になるかなど解ったものではありません。が、大村・河村両氏が首長となった際には、「中京都構想」を一息に進められるかもしれません。

東京23区という成功例を背景とした「中京都」「大阪都」
大村・河村両氏の中京都構想、橋下氏の大阪都構想の背景には、「府県庁と市役所、区役所の二重・三重行政というムダの排除」「県と政令指定都市で権限が衝突・停滞する事案の整理」に加えて、何よりも「東京都という成功例の存在」があります。

愛知県知事と大阪府知事が同格に扱われることは、第1工場をまとめる第1工場長と第2工場をまとめる第2工場長とが同格であることと重ねられます。
しかし、愛知県という地方自治体の中に、愛知県と同等の権限を有する政令指定都市・名古屋市が存在することは、単純に処理できそうな事象を複雑化させているように見えます。ようやく昇進したシステム開発部長のポストの隣で、システム開発部長並という人物が居ては、システム開発部長にとってもシステム開発部長並にとっても仕事をし難いことこの上ありません。

その点、東京都が持つ23の特別区は、政令指定都市を置くよりも優れた行政組織形態の1つとして考えやすい形です。

成長事業で業務量でも人員数でも大きくなってきたシステム開発部を、システム開発事業部へ。事業部内を第1ビジネスシステム開発部、第2ビジネスシステム開発部、セキュリティシステム開発部、データベース開発部、エンターテイメントシステム開発部などに分割し、それぞれに専門特化した部長を置いてくれた方が、それぞれの部長は動きやすいでしょう。
部長の上に事業部長を置くかどうかは、社長がシステム開発事業部とどのように向き合うか次第。事業の収益報告をまとめるだけなら、事業部長を置かずに、社長秘書の中からシステム開発事業部担当を選任するという形も採り得ます。

関西から発信された「大阪都構想」、愛知県から発信された「中京都構想」。さらに関西広域連合では、ハローワークや国土交通省近畿地方整備局、環境省近畿地方環境事務所の全面移管を求めています。
東京都の永田町や霞が関が、これらを受信・返信する日は来るのでしょうか?


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関西広域連合が始動 初代トップに兵庫・井戸知事
(中日新聞 12/5付)

近畿地方を中心とした2府5県でつくる広域行政組織「関西広域連合」が4日、大阪市内で7府県の知事による広域連合委員会の初会合を開き、始動した。府県を超えた行政事務の連携を強化し、国の出先機関廃止と権限移譲を求める。執行役トップの連合長には兵庫県の井戸敏三知事を選んだ。

7府県は滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、徳島。広域連合は地方自治法が定める特別地方公共団体で、都道府県レベルでは全国初の試み。

初会合では、出先機関改革を国に要請する対策委員会を設置。各府県の事務分野も承認した。権限移譲に伴って取り扱い事務を順次拡大する。連合長指名で和歌山県の仁坂吉伸知事が副連合長に就任した。

会見した井戸連合長は「出先機関からの権限移譲、地方分権を主体的に進めたい」と述べた。各府県議会の代表による広域連合議会(定数20)を来年1月中旬に招集する。

官邸丸見え? 周囲のビルに窓の配慮を ・・・狙撃され易そうな場所に座る奴の気が知れん

官邸丸見え? 周囲に建設のビルに「窓の向き配慮を」
(朝日新聞 5/14付)

東京・永田町にある首相官邸を取り囲むように高層ビルが次々と建設され、官邸側が「安全確保」に頭を悩ませている。官邸(5階建て)や公邸(4階建て)を見下ろせるため、政治の中枢がのぞかれかねず、要人への狙撃の恐れもある。このため窓の向きなどを建築主に要望している。



現在官邸の西と南の隣接地で高層ビル2棟の建設が進んでいる。「東急キャピトルタワー」(29階建て、完成予定7月)と「霞が関東急ビル」(17階建て、同11月)だ。

霞が関東急ビルは、完成部分には官邸に面した側に窓がない。官邸側が要望したとみられるが、設計した日建設計は「言えない」。東急キャピトルタワーの建築主の東京急行電鉄も「官邸側から要望を受けているのは事実だが、詳細は言えない」と口が堅い。

2005年開業の「東横イン溜池山王駅官邸南」は10階建てだが、官邸のすぐ南隣のため、要望を受けて客室の窓はすべて官邸の反対向きにした。東横インは「周辺との関係は大事」と、非常階段への侵入防止策をとったり、屋上の看板と台座のすき間を狭くしたりと、官邸側をのぞきにくい構造にしたという。

官邸周辺の高層ビルの先駆けは、官邸西隣に00年に開業した山王パークタワー(44階建て)だ。当時も「ビルからの狙撃や落下物が心配」と物議を醸し、官邸がはっきり見えないよう窓に特殊フィルムを張るなどの対応をした。

ただ、官邸といえども民間のビルの構造を強制的には制限できない。官邸事務所は「あくまでお願いレベル」で「セキュリティーの観点から、建築主側といろいろと調整している」と、注文をつけていることは認める。(山岸一生、鬼原民幸)

・・・狙撃され易そうな場所に座る奴の気が知れん
「うわ~、こんな状況なのかぁ」
と危うさを感じたのは、首相官邸の取材をする池上彰氏とえなりかずき君が出ていた番組。
首相官邸の正面玄関のカットで、ビル影が出来ていたのを見たときです。おそらく山王パークタワー(最高部194.45m)のものでしょうが、「警察の遠距離狙撃部隊クラスなら、屋上から充分に狙撃できるだろうなぁ」と思っていました。

「こんな狙撃され易そうな場所に座る奴の気が知れん」
軍事国家アメストリスの女将軍・アームストロング少将なら、間違いなくそう言って嫌うであろう日本国首相官邸の作りは気になっていました。アメストリス大総統府は、掘りに囲まれた高い石垣の上に建ち、さらに東西南北全方位を高い塀で囲んだ戦時の建造物です。


↑『鋼の錬金術師 24』より

一国の中枢とは、通常、ここから考えられるもの
ロシア大統領府が今でもクレムリン宮殿に置かれていることには、相応の妥当性があるわけです。アメストリス大総統府ほど堅固である必要はないでしょうが、せめて米国ホワイトハウスのように、敷地内に影を落とせるようなビルを周囲に建てさせないセキュリティはあって然るべきでしょう。

日本では皇居がそのように位置付けられているよう、首相官邸に狙撃対策やテロ対策を施すことは、決して贅沢ではありません。

これは、テナント数や客室数で稼ぐ金銭などを軽く優越する国益問題です。
1億2000万人の日本国民代表とは、人一人の命を超えて扱われる立場であり、だからこそSPが文字通りに身命を賭して護るわけです。にもかかわらず軽々にその身命を危険に曝し、首相死亡による国会首班指名のやり直しなど、あってはなりません。

日本国首相官邸のセキュリティ確保は、官邸を中心に半径2km圏内の空中権を購入すれば良いだけの話であり、「いつ買いますか?」で済む話です。いちいち建築計画が持ち上がる度に、建築主に要望をしている状況など、一国の首相警護においてあり得ない状況でしょう。

例えば先日、金正日総書記の訪中にあたって、中国当局は鉄道沿いの主要ホテルから宿泊客の閉め出し、宿泊予約のキャンセルをさせています。“要の人”である要人の警護とは、そういうものです。

平和ボケの危うさは、地下鉄サリン事件、國松警察庁長官狙撃事件でいい加減に理解して良い頃合いではないでしょうか?


【追記】11年度の子ども手当満額は困難 野田副財務相 ・・・高福祉高負担を切り出すのは左派

11年度の子ども手当満額は困難 野田副財務相、財源難で
(共同通信 1/31付)

野田佳彦財務副大臣は31日、出演したNHK番組で、2011年度からの子ども手当の満額支給に関連し「ハードルは高い」と述べ、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた満額支給の実現が難しいとの認識を示した。

11年度から2万6千円の満額支給を実施した場合、地方負担分などを含め年間5兆円程度の財源が必要となる一方、税収の大幅な落ち込みが直ちに回復しないとの見通しがあるため。財務省の政務三役が、満額支給について見直しの考えを示したのは初めて。

財務省の試算では11年度は51兆円超の歳入不足に陥る見込み。この数字にはマニフェスト項目は反映されておらず、満額実施となれば歳入不足が拡大する恐れもありそうだ。

ただ野田氏は「(満額支給が)できないとは言っていない。これからの作業だ」と説明。今年6月までに取りまとめる11年度から3年間の歳入や歳出規模の見通しを踏まえ、満額支給が可能かどうかを慎重に見極める必要があるとの意向を示した。

番組に出演した自民党の与謝野馨元財務相は「5兆円は人の所得を移転させるだけ。(財源を)どこから取ってくるかの話をせずにばらまく話だけをするのは不誠実だ」と厳しく批判。

高福祉高負担を切り出すのは左派 民主党の役回り
消費税率引き上げ論が出てくると、「デフレ不況の中で家計に、そんな余裕はない」という一言で思考停止してしまいます。

しかし、一般歳出・53兆円でさえ税収で賄えずに借金で穴埋めし、毎年・20兆円の借金返済をしているのが今の日本国の姿。これで世界第3位の経済大国を運営する中央政府だというのですから、情けなくなってきます。
どこかで“中福祉小負担”という、自民党が作ってきた日本国政府像を終わらせる必要があるのではないでしょうか?

いまベターな立ち位置にいるのは、中道左派の民主党です。
労働者側に立つ民主党が“高福祉高負担”の日本政府像を描くことは、至極、もっともな展開だと考えられます。「家計に余裕はない」と言っても、高福祉の対価として「子どもの教育・医療・飲食費、定年退職した両親の生活費が全額国家負担」となれば、事情は変わってくるでしょう。

例えば「公立高校実質無償化」は、これまで家計で考えてきた学資保険や教育費積立を再考させ、家計負担を軽減する方向へ向かうものです。

さらに考え方を進めて「国を牽引するエリートは、国家が育てる」という理想の元、旧七帝大(東京大、京都大、大阪大、名古屋大、東北大、北海道大、九州大)は学部に関係なく、全額国費負担で授業料無料とすることも考えられる選択肢です。

中には、旧帝大の全額国費負担と育英会等の奨学金が重複する学生が出てくるでしょう。
ある一人の生徒で国費負担と奨学金重複した時、国費負担を優先する考え方を採れば、奨学金の枠が一人分空くことになります。つまり学生にとって、一生懸命に勉強して全額国費負担となる大学へ行くことが、親を早くに亡くした等の事情で、将来を拓くのが難しくなった同世代を互助する社会貢献へもつながるわけです。

「生活保険としての税金」として質と量の検討を
一家計一家計で日々やりくりしてきたことが、巧く稼げている家計からの再配分を含めて、家計と政府間でやりくりする仕組みへ移行させることは可能です。

「税金をとられるのは嫌だなぁ」というイメージから、「税金を納めておけばとりあえず安心」というイメージへ変えられれば、一気にその方向へ流れ出すでしょう。一家計で完結させようとするから「家計での節税」というフレーズまで生じるわけで、「生活保険としての税金」となれば意外と大きな額でも許容されるのではないでしょうか?

企業側から自民党が考えるのなら、「どうせ不景気で法人税収は上がらない。今のうちに、超低率法人税で外国企業の本社を日本へ集中させよう」という発想もできるかもしれません。

が、日本人の気質を考えた場合。「生活保険としての税金」というイメージをアピールして、政府へも下手な資産運用など考えさせずに、コツコツとお金を回していく方が、適合するのではないでしょうか?
「日本人の価値観は多様化した」と言いますが、「不況のときの就職先は、役所か有名大企業」「成果主義よりも年功序列」「ステップアップより終身雇用」といった態度は変わっていません。「ニッチ市場を見つけて、起業しよう」という気運も、急速にしぼんでいます。

日本人はやはり日本人で、「ケインズか? 自由主義か?」という米国流より、北欧に多い“高福祉高負担”の方が巧く日本は回っていくのではないでしょうか?


――――――――――――――――――――――――――
参考記事
「国の形」の議論を始める時(森信茂樹 中央大学法科大学院教授)
経済政策というものは、時々の異なる思想で運営される運命にある。「失われた時代」と称されるここ20年でも、まったく異なる二つの思想で経済運営が行われてきた。

変遷する経済政策の思想
一つは、90年代バブル経済崩壊後のケインズ政策である。「短期的には財政赤字が拡大しても、減税・公共事業により需要を拡大して経済が回復すれば、税収は増加し財政赤字は縮小する」という考え方で、小泉内閣の成立前まで続いた考え方である。結果的には巨額の減税で歳入レベルを構造的に低下させ、無駄な公共事業を全国展開させる結果に終わった。

小泉内閣はこれを否定し、「大きな政府は非効率、政府の規模が小さいほど経済効率がいい」「効率良い政府で経済が活性化すれば、税収も増え赤字は解消される」という新たな考え方の下、規制緩和・構造改革による経済活性化と財政赤字の解消(プライマリーバランスの黒字化)を目指した。一方で、税制改革による歳入確保努力はなおざりにされてきた。

このような二つの思想に基づく経済政策は、現在まで続くデフレ経済と危機的な財政赤字から判断する限り、とても成功とは言い難いもので、そのことが民主党政権登場につながる原動力となった。

新たな鳩山内閣は「コンクリートからヒトへ」という政策スローガンを打ち出した。公共事業を削減して社会保障を充実させ、それを経済成長につなげるというような意味だと考えられる。しかし、昨年末に公表された経済成長戦略は、抽象的すぎて「国の形」が見えるようなものにはなっていない。「国の形」とは、受益と負担のバランスを取った上で、どの程度の規模の政府が何を行うのか、その具体的な姿を示すことである。はっきりしないまま、2010年度予算で示されたものは、「中福祉・小負担」で、受益と負担の間の莫大なアンバランス(財政赤字)である。

民主党マニフェストで約束された、「新規施策の財源は歳出削減で」が実行されず、他方で「4年間は消費税率を引き上げない」としているので、今後とも「中福祉・小負担」といういびつな「国の形」は続きそうである。

政府の規模と経済成長の関係
最新のOECD統計を使って、政府の規模と経済成長の関係を考えると、いろいろ新たなことが見えてくる。まず社会保障支出と経済成長の関係であるが、これまで高齢化で社会保障支出が嵩んでくると国の活力が落ちると喧伝されてきたが、社会保障支出のレベルと経済成長との間には、負の関連は見受けられない、それどころか、社会保障レベルが上がるにつれて経済成長は安定的になっている。

次に、社会保障支出が充実している国ほど経済格差が小さいこと、格差が小さく平等度が高い国ほど、経済成長が高くなっていることも見て取れる。さらに、受益と負担のアンバランスのもたらす財政赤字が大きいほど経済成長が低いことが分かる。

このような事実の因果関係は必ずしもはっきりしないが、あえてストーリーを考えてみると「安定的な財源に裏打ちされた社会保障の充実は、人々に安心感を与え財布のひもを緩ませる。それが安定的な需要を生み出し経済成長につながる。また、格差が少ない社会では、みんなが切磋琢磨するので国民全体のレベルが上がり経済成長につながる」ということではなかろうか。

切磋琢磨する国へ
そこで、「政府の規模を今より大きくして、人々の勤労意欲を高めるような方向で社会保障制度を充実させ、生活の安心度合いを高める。同時にそれに見合う負担を求め、経済リスクにつながる財政赤字の拡大を防止する」ということが新たな思想として出てくる。

社会福祉の内容を、医療・年金・介護中心から子育て、低所得者対策へ、さらには教育へとシフトさせる。グローバル経済の下で、中国等からの低価格品流入による低所得化・非正規雇用化を防ぐ最大の対策は、教育の質を上げ労働の付加価値を高めていくことだ。

このような政策にはいずれも財源が必要となる。そのためには、国民と政府の相互信頼が不可欠である。事業仕分けの恒久化といった無駄の排除を継続的に行うシステムの導入により国民の理解を得ることを考えなければならない。

国会が始まったが、議論の本質は、皆が安心して「切磋琢磨」することのできる国づくりを行う具体的な形と、その意思を問いただすことではなかろうか。

――――――――――――――――――――――――――
関連記事
◆海外留学の高校生、ピーク時の7割に ・・・一人あたりGDPの高い北欧組の増強を(10/1/29)
◆省庁再編「子ども家庭省」を軸に検討 ・・・衆議院に『行政改革委員会』が無いのはおかしい(10/1/29)

橋下知事、府市再編へ政治グループ ・・・31区+31市9町1村による大阪府を志向か?

知事、府市再編へ政治グループ…来春の統一選にらみ構想
(読売新聞 1/13付)

大阪府と大阪市の再編・統合を唱えている橋下徹知事は13日、「新しい大阪をつくるには、相当な数の議員、首長の賛同を得ないといけない。4月くらいからその活動を始めたい」と述べ、来春の統一地方選をにらみ、府・市の再編を公約に掲げる新党や政治グループの結成を目指す意向を明らかにした。

橋下知事はこの日、報道陣に対し、大阪再編構想について「志を同じくする議員、首長を募り、統一選の争点にしたい。すでに数人の賛同者がいる」などと語った。

橋下知事は12日の記者会見で、「大阪の競争力アップのため」として、府・市の広域行政機能を統合する一方、同市内に人口30万人規模の「特別区」を複数設ける案に言及していた。

31区+31市9町1村による大阪府を志向か?
橋下知事が構想している『大阪府と大阪市の再編・統合案』について。
関西を離れると断片情報のみで、いまいちこの価値を理解していませんでした。しかし、本日放送された『たかじんのそこまで言って委員会』で橋下知事がされた、東京都を例とする説明で、ようやくイメージできました。

現在の大阪府(人口:884万人)は43の自治体(33市9町1村)で形成されています。
43自治体と大阪府の関係を図示すると、大阪市(人口:264万人)と堺市(人口:84万人)が大阪府と対等な関係となる政令指定都市であることから、次のようになります。
┌大阪府―┬高槻市
|      ├東大阪市
|      ├吹田市
|      ├茨木市
|      ├豊中市
|      ├枚方市
|      ├寝屋川市
|      ├八尾市
|      ├岸和田市
|      └その他、22市9町1村
├大阪市
└堺市

一方、東京都(人口:1300万人)は、いわゆる東京23区が市と同格扱いとされ、ほかの26市・5町・8村とともに東京都の下に置かれています。
東京都―┬足立区
      ├荒川区
      ├板橋区
      ├江戸川区
      ├大田区
      ├葛飾区
      ├北区
      ├江東区
      ├品川区
      ├渋谷区
      ├新宿区
      ├杉並区
      ├墨田区
      ├世田谷区
      ├台東区
      ├中央区
      ├千代田区
      ├豊島区
      ├中野区
      ├練馬区
      ├文京区
      ├港区
      ├目黒区
      ├昭島市
      ├あきる野市
      ├稲城市
      ├青梅市
      ├清瀬市
      ├国立市
      ├小金井市
      ├

「大阪府における稼ぎ手は、明らかに大阪市。この大阪市が政令指定都市となっていて、大阪府による行政計画から独立していることが、果たして府全体の生産性を向上させることにつながっているのか?」
橋下知事による『大阪府と大阪市の再編・統合案』は、この様に言い換えることが出来ます。

「日本国第二の都市の理想的なあり方」とは?
『大阪府と大阪市の再編・統合案』と聞くと突拍子もない案に聞こえます。聞こえますが、東京都を都市計画の成功例と捉えた場合、その見え方は変わってくるのではないでしょうか?

東京都で大都市圏形成を成功させている理由が、「東京23区を“政令指定都市・東京市”ではなく“市と同格の23特別区”としていること」ならば、「都道府県と同格の政令指定都市は、都道府県による“一体的な経済開発・発展行動”の阻害要因」ならば、大いに検証される必要があります。

確かに、これまでの市町村にとっては、住民・企業誘致を成功させ、村から町へ、町から市へ、市から政令指定都市へと昇格。基礎自治体としての権限を拡げることが一つの目標でした。

しかし、「行政サービス窓口としての基礎自治体。地域活性化の計画立案担当としての都道府県。国家安全保障およびセーフティーネット保証担当としての国家」というすみ分けこそ、社会資源の最適配分だという立場を採ると、「市から政令指定都市への昇格」には疑問符が付きます。なぜなら、政令指定都市は、行政サービス窓口と計画立案担当を兼務する自治体だからです。

大き過ぎる市は特別区へ分割する 名古屋市の地域委員会
従来は、「市が大きくなったから、それに見合う大きな権限を与える」という考え方でした。けれども、「大き過ぎる市は特別区へ分割する」方が正しいのかもしれません。この論理の流れから考えていくと、名古屋市で河村市長がやろうとしている「地域委員会が、市の予算編成の一部を決める」というモデル事業も、理に適っていることになります。

都道府県という枠も、区市町村という枠も、法律によって定めたもの。法律は、正式な手続きを踏めば改正できるものですから、より良くなることが分かっているのに変えないのは怠慢です。
企業は経済環境の変化によって部署を再編するのに、自治体の形は永遠不変ということはあり得ないでしょう。

――大阪市を解体して大阪24区(北区、東淀川区、都島区、東成区、福島区、生野区、此花区、旭区、中央区、城東区、西区、鶴見区、港区、阿倍野区、大正区、住之江区、天王寺区、住吉区、浪速区、東住吉区、西淀川区、平野区、淀川区、西成区)へ。
堺市も堺7区(堺区、中区、東区、西区、南区、北区、美原区)へ再編。
大阪府を、31区+31市9町1村に変える――

橋下知事による政治グループの話を抜きに、『大阪府と大阪市の再編・統合案』は、もっと議論されても良いのではないでしょうか?

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鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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