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スクナビコナ

Author:スクナビコナ
千秋真一に23%似ているらしい、兵庫県在住のブロガーです。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。

〒激励・感想などはこちら〒
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「スクナビコナ」とは?

日本神話に出てくる
知恵の神様の名前です。
恐れ多い名前ですが、
ブログをする気構えとして、
名乗ることにしました。

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山椒(参書)を入れるとニュースも辛い?
中小企業診断士をめざしつつ、日々のニュースやおススメ本など話題を提供。「突然スピーチを頼まれた」「ちょっと小生意気な話」など話のネタにしてください。
映画『スカイ・クロラ』を観てきました ―押井守監督が描く不条理の中を生きる子どもたち―
映画『スカイ・クロラ』を観てきました。

評価としてはS>A>B>C>Dの5段階で「A」。

あらすじ
大人になることがない少年・少女「キルドレ」。彼・彼女たちの日常は、戦闘機に乗って基地を飛び立つこと。そして、敵機に遭遇したら命懸けで戦うこと・・・

しかし、彼・彼女たちが生きている世界では、別に国家間の戦争が起きている訳ではない。この世界は恒久的な平和を実現した世界である。彼・彼女たちがやっている戦いは、国家から戦争を請け負った「戦争請負会社」同士で行なわれる「ショーとしての戦争」の一端だ。

少年・少女のまま老いることも寿命で死ぬこともない、バイオテクノロジーの粋を集めた存在であるキルドレ。そのキルドレが死ぬのは、戦死したときだけ。戦争請負会社はキルドレたちを戦争に放り込み、キルドレたちが繰り広げる、本当に「人」が死ぬ戦争を一般市民に向けて中継する。決して終わることのない戦争、毎日のように繰り返される戦争を・・・


感想をつらつら・・・
「・・・重い。そして、めんどくさっ」というのが、観終わった直後の感想。

戦争は人間にとって取り除くことができない要素であって、恒久的平和を実現しても残るのか? 問答無用で戦争に組み込まれて生きることは、どういうことか? 不老不死の身体を手に入れることは本当に幸福なのか? 前の身体で生きていた間に身につけた経験や技術を移植されても、唯一の自己は確立するのか? 手応えのある「生」とは何か?

実に、重い問いが次々と圧し掛かってくる作品でした。このようなストーリーを、あっけらかんと語られるのもそれはそれでどうかとは思いますが。すごく重いです。

さらに「キルドレ」という存在について、劇中で出てくる話は断片的。ただでさえ重いストーリーに、世界観を解釈する作業が加わるのは、非常にめんどくさかったです。映画を観る前に、パンフレットやナビゲーターを一読されることをお奨めします。

途中で考えるのを止めたくなるほど重い問いかけをしてくる作品でしたが、CGなどの完成度は、そういった思索へも集中できる圧倒的な完成度でした。言いたいことを何の技術で伝えるかという面では、全編セル画に至った宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』と押井守監督の『スカイ・クロラ』は、正反対の答えに辿り着いた感じがしました。
特に、アニメーションでしか実現できないであろう、幾つもの編隊を組んだ戦闘機部隊、爆撃機が入り乱れる空中戦は圧巻。


観終わった直後、作品のあまりの重さに「このまま『NARUTO』でも観ないとバランス悪いなぁ・・・」と感じました。けれども、しばらく反芻して整理ができてくると「すごいものを作ってきたなぁ・・・」と、作品への見方が変わってきました。
直後の評価はAマイナスでしたが、総合的には「A」と評価できる作品だと思います。


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画『崖の上のポニョ』を観てきました ―「人魚姫」を下地に宮崎駿監督が映画を描くと―
映画『崖の上のポニョ』を観てきました。

評価としてはS>A>B>C>Dの5段階で「A」。

あらすじ
海なる母・グランマーレと人間を捨てた男・フジモトとの間に生まれた娘・ブリュンヒルデ(=ポニョの本名)は、ある日、妹たちと暮らしていたフジモトの元から家出をします。

ブリュンヒルデはクラゲに乗って大海をただよっていましたが、底引網に巻き込まれてビンの中に入ってしまい、網からは抜け出せたものの力尽きて崖のある岬へ打ち上げられてしまいます。
そこへちょうど下りてきたのが、崖の上の家で母・リサと暮らしている人間の少年・宗介。宗介に助けられて、「ポニョ」という名前をもらったブリュンヒルデはしばしの時を宗介と過ごしますが、後を追ってきたフジモトの手によって海に連れ戻されてしまいます。

しかし宗介に逢って、「人間になりたい」と望むようになったポニョは・・・

感想をつらつら・・・
ジブリ作品は、「いつか、『となりのトトロ』に出てくるさつきとメイの家に住みたい」と思っているほど好きですが、『ポニョ』は事前の期待値は低めで見てきました。

なぜなら、『ポニョ』のプロモートが個人的に合わなかったからです。予告編を最初に観たのは『名探偵コナン 戦慄の楽譜』か『隠し砦の三悪人』の前で、あまりにギャップがあって「監督は、何処へ行こうとしているんだろうか?」とただ疑問だけが残るだけ。完成記者会見での宮崎駿監督のコメント「全部手描きで作りました。(セル画を)17万枚描きました」というコメントも、「ストーリーメーカーが、CGだと巧くいかなかったとか、セル画の枚数だとか、技術の話でアピールしたらダメだろう」と感じていたからです。


で、観終わったあとの最初の感想は、「リサは、かっこいいお母さんだなぁ」でした。
少女の姿になって現れたポニョのことをすんなり受け入れてしまったり、大嵐の中、勤め先のデイケアセンター「ひまわりの家」のことを心配して飛び出していったり、宗介に責任があることをきちんと話して任せたり、すごくかっこいいお母さんだなぁと見惚れました。
MBSの番組でインタビューに応えた鈴木プロデューサーの「女性はエライという作品です」というフレーズは、ピッタリだと思いました。

また、人魚姫(人魚と人間の出会い)や北欧神話(ブリュンヒルデは、北欧神話に出てくる戦乙女・ワルキューレの長女の名前)、もっとも多種多様な生物が住んでいた時代の海など、ストーリーの下地が実はしっかりしているのも分かってきました。


けれども、ゴミを大量にすくい上げる底引網や洗剤の容器などがただよう港付近の海が、リアルなディテールという形で表した環境破壊へのメッセージとなっており、そこを説教臭く感じてしまいました。これを感じてしまうと、少し映画の世界から引いてしまうため、スクリーンで描かれている礼儀正しくしつけられた心配りもできる5歳の少年・宗介と、観客側にいる現実の5歳の野生児たちとのギャップが、どうにも埋まりませんでした。

自宅でDVDで観ると評価が上がる気がしますが、今のところ評価は「A」です。


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画『西の魔女が死んだ』を観てきました
映画『西の魔女が死んだ』を観てきました。

評価としてはS>A>B>C>Dの5段階で、S一歩手前の「Aプラス」。
「史上最大のスペクタクル」「大ヒット満員御礼」という言葉とは無縁の作品ですけど、「豊かな時間」を過ごさせてくれるいい作品だったと思います。

あらすじ
中学校へ入学して間もない頃、学校へ行くのが苦痛になってしまった少女・まいは、母親の提案で、おばあちゃんのもとでしばらく過ごすことになりました。
まいにとって、山の奥の奥で野菜とハーブを育てて暮らすイギリス人のおばちゃんは、「おばあちゃん、大好き」と言うと、いつも「I know」とやさしく応えてくれる大好きな人。まいは、おばあちゃんとの生活を喜んで始めます。

おばあちゃんと2人きりの生活が始まって間もなく、まいは、おばあちゃんの家系は魔女の血筋だという話を明かします。おばあちゃんのいう魔女とは、草木についての知恵や知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す力を持つ人のこと。

まいは「魔女になりたい」と願い、おばあちゃんのもとで"魔女修行"を始めます。おばあちゃんがまいに課した最初の修行は、「早寝早起きし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をすること」でした。
まいにとってそれは、自分の意に反した単純なものでしたが、おばあちゃんはまいを諭します。「魔女にとって必要なのは精神力を鍛えること、そしてそのためには『何事も自分で決めること』が大切。早く寝ることも、早く起きることも、一日の時間割を決めて規則正しい生活を続けることも、自分の精神力を鍛えること」。
こうして、まいの"魔女修行"が始まりました・・・

感想をつらつら・・・
派手なキャンペーンが貼られた作品ではありませんし、間もなく講演期間が終わるというタイミングでしたので、映画館はスクナビコナ一人の貸切でした。

しかし、とても「豊かな時間」を過ごさせてもらえる作品だったと思います。
観終わったときの感覚は、宮崎駿監督の作品『耳をすませば』に近い感じでしょうか。

『耳をすませば』は自分の夢と今の実力との差からくる葛藤で、『西の魔女が死んだ』は自分の潔癖と世間との間からくる葛藤が主題となっているため、主人公が抱えている悩みの質は違うのですが。
『耳をすませば』の主人公・月島雫が、天沢聖司とその祖父たちとの触れ合いの中で処女作を書きあげるところまで変わっていったように、『西の魔女』のまいが、おばあちゃんとの生活・魔女修行を通じて変わっていくところから、同じ「自分より先の人生を生きている人たちに導かれ、変わっていくこと」を感じたのだと思います。作品全体が、温かい雰囲気に包まれているのも共通点でしょうか。

個人的には、『インディー・ジョーンズ』より観る価値がある作品だと思いました。


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映画『ザ・マジック・アワー』を観てきました
映画『ザ・マジック・アワー』を観てきました。

評価としては、S>A>B>C>Dの5段階で「Aプラス」。素直に楽しめるコメディーでした。

あらすじ
映画の舞台は、登場人物たちが携帯電話を使っていることから分かるように今の日本ですが、今の日本とは思えない映画『アンタッチャブル』のセットのような港町・守加護(シュカゴ)。

その守加護の町を牛耳るギャングのボス・天塩(テシオ)。その愛人・マリを寝取ってしまった備後(ビンゴ)は、これからコンクリート詰めで海に沈められようとする中、苦し紛れに伝説の殺し屋・デラ富樫を連れてくることで命を助けてもらう約束を取り付ける。もちろん、伝説の殺し屋などと面識などない備後は、三流役者を代役に仕立て上げるが・・・。


感想をつらつら・・・
場面場面で、事情を知っている側と知らない側との間で生まれるギャップ。
当然、そのギャップは状況を破綻させる致命傷になりかねないわけですが、必死に妻夫木聡さん演じる備後が取り繕ったり、登場人物同士がお互いに知っている範囲の事情で何となく理解して収まってしまったりと、笑い処の絶えない作品でした。

三谷幸喜監督に予算を渡すと、エライ作品になって返ってくることが良く分かります。
映画の舞台セットから、作り込まれた「映画内映画」、脇役のキャスティング、主要登場人物の設定・名前に至るまで、三谷監督らしい細々としたこだわりも随所にあります。スクリーンいっぱい、隅々までご覧になることをおススメします。

三谷監督の作品では映画よりも舞台、特に『笑の大学』『ショー・マスト・ゴー・オン』が個人的に好きなのですが、今回の『ザ・マジック・アワー』はおもしろかったです。通常料金で見ても間違いナシの作品だと思いました。



テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画『最高の人生の見つけ方』を観てきました
映画『最高の人生の見つけ方』を観てきました。

評価としては、S>A>B>C>Dの5段階で「A」。
いつもは作品のいい部分に対して、個人的に気に入らない演出などがあって減点するパターンですが、今回は減点要素なしに「A」評価です。


主人公は、モーガン・フリーマン演じる黒人労働者のカーター、ジャック・ニコルソン演じる白人経営者のエドワードの2人。
カーターは、歴史学者への志半ばにして生活上の理由から46年間、自動車工を務めてきた人物。一方のエドワードは、一代にして10億ドルを稼いだ病院経営者。重要なネタばれは、この2人が作る『THE BUCKET LIST』の中身でしょうから、一応、中身と2人の結末については触れずにおきます。

元々の洋題である『THE BUCKET LIST』とは、「kick the bucket(=死ぬ)」という慣用句から名付けられたもので「死ぬまでにやりたい事リスト」となります。
これを、『最高の人生の見つけ方』と訳したのは良いですね。劇中で「THE BUCKET LIST」は「棺おけリスト」と訳されていますが、ストーリーは邦題となった『最高の人生の見つけ方』にピッタリなものでした。


そもそも、なぜ自動車工と病院経営者が出会うことになったのか?
エドワードは、自身の病院経営方針として「病院はリゾートホテルではない。1室は2床」という原則を貫いてきました。ガンに倒れたエドワード自身もその例外ではなく、先にガン治療で入院していたカーターと同室となったわけです。

黒人労働者と白人経営者とでは、日常的にあまりに接点が無く反目が先に立ちます。しかし、抗ガン剤の副作用を共有する日々の中、2人はトランプなどをする仲になっていきます。そして、ふとカーターが書き出した「THE BUCKET LIST」をきっかけに、「どうせお互いに先は長くないんだ。やれることは全部やろう」ということになって・・・

「THE BUCKET LIST」には10億ドルの資産的背景が無ければやれない事柄もありますが、アメリカ的要素の中でも根明な部分が前面にでていて爽快なストーリーでした。


『最高の人生の見つけ方』は、個人的に思い描いている「最期の日々の過ごし方」に近くて共感を持つことができました。最期の時が分かったら、見たいものを見に、行きたい所に行くでしょうね。そのためにも、即死よりはガンで緩やかに死んでいくことの方が、私としては理想の死に方です。
『L change the WorLd』でのLの穏やかな死も良いですけど。


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映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』を観てきました
映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』を観てきました。


『隠し砦の三悪人』は、1958年に黒澤明監督が発表した作品。同作品は、後のジョージ・ルーカス監督の『スターウォーズ』に多大な影響を与えた作品でもあります。

黒澤版のあらすじは、戦国の世に国境を隣接する三国「秋月」「山名」「早川」があり、秋月が山名との戦で敗北。
秋月の武将・真壁六郎太は、秋月再興のために、秋月の雪姫と軍資金の黄金とともに隠し砦にこもります。その砦をたまたま見つけてしまった百姓の太平と又七は、真壁に捕まり、苦し紛れに「山名兵の監視が厳しい秋月と早川の国境でなく、山名領を通って、秋月の友好国・早川へ逃げる」ということを提案。真壁は、山名の裏を突くであろうその提案に乗り、真壁・雪姫・太平・又七の4人で、黄金を抱えつつ早川を目指すことにします。
しかし、その4人の行く手に山名の侍大将・田所兵衛が立ちふさがります。

今回の『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』は、『ローレライ』やリメイク版『日本沈没』を手がけられた樋口真嗣監督によるリメイクということで観に行きましたが、ストーリーは黒澤版から大きく変えたオリジナルになっています。
黒澤版での主人公は真壁六郎太ですが、樋口版では、隠し砦を見つけてしまう金掘り衆・武蔵(たけぞう)を主人公としています。

評価としては、S>A>B>C>Dの5段階で「Aマイナス」。
キャラ読み(?)と、こだわりの見える殺陣を見る分には面白いです。今週末で放映作品の入れ替えに掛かる映画館も多いかもしれませんが、悪くはない作品だと思います。



以下、感想をつらつらと・・・

主人公の金掘り衆・武蔵を演じたのは嵐の松本潤さん。秋月の雪姫を演じたのは長澤まさみさん。
お2人ともドラマで大活躍されているわけですが、ファンの方々には申し訳ないですけども「青い」という感想を持ちました。よく言えば新鮮なんですけど、時代劇とはちょっと相性が悪い新鮮さを感じました。

いまNHKでやっている大河『篤姫』。同作品の主人公・篤姫を演じているのは、若手の宮崎あおいさん。激動の時代へと入っていくまでに多くの費やす話数を使えるという利点もあるのでしょうが、宮崎さんは、新顔ながらも役と合っていると感じます。

だからという訳でもないですが、樋口版『隠し砦』の松本潤さんと長澤まさみさんにも、もう一超えして欲しかったです。
新鮮さもあっていいのですけども、スクリーンの中にいて欲しいのは、旨い話でちゃっかり儲けておこうとするどこまでも庶民の金掘り衆・武蔵であり、お家断絶の危機に追い込まれつつも気高さを保とうとする姫君・雪姫。嵐の松本潤さんや若手女優の長澤まさみさんを感じられてしまうのは、イマイチいただけません。

と、ここまでであれば映画の評価は「B」です。

しかし、私にとって大きなプラス要素と感じたのは、こだわりの見えた殺陣。
特に、阿部寛さんが演じる秋月の武将・真壁六郎太の殺陣は、刀の流れの演出など細部にまでこだわりが見えて非常に良かったです。また、椎名桔平さんが演じる山名の武将・鷹山刑部との対決も、見応えがありました。役としても六郎太と鷹山は、『隠し砦』の中の登場人物として、しっかりハマっていました。「さすがは、阿部さんと椎名さん」という感じでした。

もう1人以外にハマっていたのが、武蔵と一緒に隠し砦を見つけてしまう新八を演じていた宮川大輔さん。新八の小悪党ぶりと、小悪党ゆえの間抜けな失敗はとても良かったです。

ということで、総合評価は「Aマイナス」。


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画『相棒―劇場版―』を観てきました GWにはこの映画を是非
ゴールデンウィークつまり「黄金週間」とは、俳優・中尾彬さんのお話によると、映画業界が「この5月連休に映画を観に行こう」と行なったキャンペーンが始まりなのだそうです。

と言うことで、映画『相棒―劇場版―』を観てきました。


評価としては、S>A>B>C>Dの5段階で「A」です。
映画の主題、犯人と右京さんとの頭脳戦ともに良かったです。特命係の自由度と名コンビぶりは、相変わらず見ていて爽快です。



以下、ネタバレありで感想を書いていきます。さすがに真犯人は書きませんが。

立て続けに起こった殺人事件。当然、事件は捜査1課の管轄で、特命係の右京さんと薫には関係ないわけですが、とあるSNSの存在が2人の所にもたらされたことで、右京さんは「立て続けに起こった殺人事件は、一連の連続殺人だ」と推理して捜査に乗り出します。
特命係の単独捜査の中で、右京さんは犯人とメールで接触。右京さんと犯人は、メールを介したチェスによる頭脳戦を繰り広げます。

右京さんと犯人との頭脳戦は見所ですが、映画の主題「途上国でボランティア活動をしている若者たちの現状」が非常に気になりました。

なぜなら、今の日本も同様の問題を抱えているからです。
――――――――――――――――――――――――――
昨年10月7日、イラン南東部ケルマン州バム付近で横浜国立大4年・中村聡志さんが、密輸団の手によって誘拐されました。
中村さんは大阪府出身で、「海外ボランティアに行く」と同4月から半年間、大学に休学届を提出。同6月にネパールでボランティア活動をした後、10月初めにパキスタンからイランに入国していました。
中村さん誘拐事件の報せは、翌10月8日、在イラン日本大使館に犯人たちが電話で伝えてきています。

密輸団は、中村さんの身柄をパキスタンとの国境に位置するシスタン・バルチスタン州に移して拘束。その後、パキスタン領内に逃げ込んでいます。

中村さん誘拐事件については、4月2日、密輸団との間で中村さん解放で合意したとの報道がなされましたが、まだ中村さんの解放は確認されていません。

――――――――――――――――――――――――――
実は、こうして途上国や紛争後の復興地域にボランティアをしに行っている若者はたくさんいます。
ボランティア派遣で有名な青年海外協力隊だけでも、現在派遣中の隊員は2,614名。その他にも国際的なネットワークを持つ大小のNGO・NPO団体がボランティア派遣事業とその斡旋事業を行なっています。

右京さんの頭脳戦を理解するためにチェスの基本知識を覚えていくのもいいですが、こうした目立たない国際情勢も踏まえていくと良い映画だと思います。

総合評価は「Aプラス」としても良いのですが、スピード感が増す場面展開の処理が個人的に引っかかったので「A」。


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映画『明日への遺言』を観てきました 東海軍司令官・岡田資中将、最期の法廷闘争
映画『明日への遺言』を観てきました。


評価としては、S>A>B>C>Dの5段階で「A」です。
横浜で行なわれたBC級戦犯裁判を題材とした法廷映画ですが、随所に興味をそそられる場面、考えさせられる場面があってとても良い映画でした。

映画の主人公は、太平洋戦争中の名古屋で守備防衛にあたっていた東海軍指令官・岡田資中将。
名古屋大空襲中、搭乗していた爆撃機を撃墜された米兵がパラシュートで脱出。捕えた米兵38名を東海軍が斬首刑に処したため、岡田中将と東海軍所属兵19名に戦犯容疑がかけられたという実話に基づく映画です。岡田中将は、空襲後に降下してきた米兵を処刑した正当性を堂々と主張し、また自分一人で全責任を負うべく、この法廷を闘います。

以下、ネタばれありで話を進めます。
文句なしにおススメできますので、GWに上映会館が近くになる方、DVD購入、レンタルなどで観たい方は、ぜひご覧になってからでもお読みください。


映画のあらすじ
さて、映画は冒頭で戦争について少し語りますが、基本的には法廷闘争がメインです。

名古屋大空襲中、搭乗していた爆撃機を撃墜された米兵はパラシュート脱出を敢行します。
名古屋方面を守備していたのは、岡田資中将を司令官とする東海軍。東海軍は、降下してきた米兵を、捕虜として扱わずに捕えて斬首刑に処します。

戦後、横浜で行なわれた岡田中将とその部下19名にたいするBC級戦犯裁判では、米兵を捕虜として扱わなかったばかりか、正式な軍律会議にかけることなく米兵を死刑にしたことについて違法性を訴えるアメリカ側検事。そして、死刑に処した米兵は国際法上違法とされる無差別爆撃の実行犯であり、また戦争中の混乱にあることから、自身の責任で略式による裁決・刑の執行を命じたという岡田中将の主張争いとなります。

メディアリテラシー上は・・・
実話に基づく映画とはいえ、一次資料は横浜で行なわれた岡田中将への裁判記録であり、この『明日への遺言』は、さらに原作小説『ながい旅』(著・大岡昇平)を間に挟んで制作されています。したがってメディアリテラシー上は、三次資料として観る必要があります。

しかし、その分を差し引いても岡田中将の高潔さは、あまりにも清々しく、「太平洋戦争の時、『中将』『ジェネラル』と呼ばれる方は、それだけ高みにおられる方だったのだなぁ」と、深く感じ入りました。

冷静かつ論理的に進められたBC級裁判に驚き
また、これまで私が聞いてきたBC級戦犯裁判は、「大した尋問もなく、地元住民の怒号の中、早々に日本兵が処刑されるのが常」でした。そのため、とても冷静かつ論理的に進められるこの横浜法廷は衝撃でした。

特に、岡田中将の主任弁護士を勤めたアメリカ人弁護士フェザー・ストンは、「公正であるべき」という信念のもと、「当時、名古屋で行なわれていたのは無差別爆撃である」ということを証明するため、アメリカ本国を糾弾することになりかねない証人を次々と召喚。あくまで客観的な証拠提示で、「米兵に行なったのは国際法が禁じる”無差別爆撃”を行なった者たちへの処刑である」と主張する岡田中将を弁護していく姿には非常に好感を持ちました。
どこぞの弁護士に爪の垢を煎じて飲ませたい。

人間・岡田資もとても魅力的
岡田中将の法廷闘争、岡田資氏の人間性に焦点を当てているため、「戦争とは何か?」という問題には直接的に踏み込みません。もう30分ぐらい尺を足したらそういった側面も描けそうですが、メインは人間・岡田資。

岡田資氏が、終始、中将として戦犯の全責任を負おうとする高潔さ、部下を鼓舞し続ける姿は「将軍とはかくあるべし」というものを見たように思います。

また、公判の合間で見えるエピソードの数々にも心打たれました。岡田氏がストン氏に家族を紹介するシーンや、お孫さんのとの初体面と短い間ですがそのお孫さんを抱き上げるシーン、部下たちと風呂場で「ふるさと」を合唱するシーン、米兵の死刑を執行したことに苦悩する部下を諭すシーン、いつの間にか米兵たちの呼び方が「オカダ」から「ジェネラル(閣下)」に変わるシーン、そして奥様に遺された遺書が読み上げられるシーンなどなど。

岡田中将が闘った横浜法廷の結末
最終的に名古屋での米兵処刑事件について、岡田中将は、自分一人の絞首刑にとどめ、未来ある若き部下19名全員を釈放させることに成功。

それだけでなく、多くのアメリカ側判事に絞首刑から銃殺刑への処刑方法変更の申請を引き出すことにも成功しています。銃殺刑は、軍人が軍人に行なう処刑方法で、これはアメリカ側に名古屋大空襲は無差別爆撃であったことを認めさせたことになります。もっとも、銃殺刑への変更に関してはマッカーサー元帥の裁可は下りませんでしたが。

これほど魅力的で、清々しい方が実在されていたことを思うと、身が引き締まる思いでいっぱいになります。「自分は、これほどの高みを目指して精進できているのか?」と。



本当は評価を「Aプラス」とすべきかもしれませんが、やっぱり三次資料として「A」に留めたいと思います。それ以上の評価を付けられるかどうかは、お任せします。


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