「政府対応遅かった」 避難住民はあきれ顔
(MSN 5/15付)日本政府が国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合に向けて作成した報告書骨子案で、緊急対応を妥当などとしたことについて、福島第1原発事故で避難を強いられた福島県の住民からは15日、「政府を信用できない」などの声が相次いだ。
「政府の対応は遅かったよ」。原発事故から2カ月以上過ぎて始まった計画避難で15日、福島県飯舘村から福島市に移った女性(53)はあきれる。避難所を転々としてきた生活を振り返り「今になって避難しろだなんて。政府は『妥当』と思っているのかもしれないが、私たちにとっては遅かった」と断じた。
川俣町山木屋地区から妻や5人の子供と避難したトラック運転手、佐藤健さん(40)は「(放射線測定に関する)情報が後から後から出てくる。公表が早ければ、その分早く避難できたのに」と、政府の自画自賛に首をかしげた。
・・・3月末、IAEAの避難勧告を無視してましたよね?
福島県飯舘村の住民避難については、IAEAが3月末、IAEAによる調査に基づいて避難勧告の検討を日本国政府へ求めています。しかし、そのIAEA勧告を、日本国政府は「国内では総合的に判断しており、現状の判断に問題ない」と言ってはねつけています。
そうした経緯があった上で、5月半ばに開始された、飯舘村など計画的避難区域に住まわれている方々の避難。
この1カ月半もの遅れの何処をどう取ると、『(日本国政府の)緊急対応を妥当』という自画自賛が出てくるのでしょうか? 対外的に格好つけたつもりなのかもしれませんが、論理的一貫性を欠いているため、実に無様です。
同じ無様なら、「あの時の判断は間違っていた。遅ればせで申し訳ないが、今からでも対処させていただきたい」と頭を下げる方が、よっぽど人として全うであるように思います。――――――――――――――――――――――――――
関連記事IAEA勧告要請、安全委「国内判断問題なし」
(読売新聞 3/31付)国際原子力機関(IAEA)が、高濃度の放射性物質が土壌から検出された福島県飯舘村の住民に対し、避難勧告を検討するよう日本政府に促したことについて内閣府の原子力安全委員会は31日、「国内では総合的に判断しており、現状の判断に問題ない」という見解を示した。
同委員会によると、日本では、空気中や摂取する飲食物に含まれる放射性物質の濃度などを測定し、人への影響を考慮しているという。
代谷誠治委員は「我々は、人体に直接的に影響を与える所を評価しているので、より正確である」と説明した。
一方、経済産業省原子力安全・保安院も31日、飯舘村での累積放射線量を試算した結果、「いま避難する必要性はない」との見解を示した。
IAEAの測定で避難基準超す
(毎日新聞 3/31付)【ウィーン樋口直樹】東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、同原発から約40キロ離れた福島県飯舘村で測定された放射線レベルが、国際原子力機関(IAEA)の避難基準を超えていたことが30日、分かった。IAEAはウィーンでの記者会見で、同原発から20キロ以内を避難指示圏に設定している日本政府に対し、状況を「注意深く」評価するよう勧告したことも明らかにした。
IAEAのフローリー事務次長は会見で、飯舘村での放射線レベルの測定値が「IAEAの作業上の避難基準のひとつを上回った」と述べた。その上で「我々は(日本政府に)状況を注意深く評価するよう勧告し、日本は既に評価中であることを示唆している」とも述べた。日本に対し事実上、地元住民への避難指示圏の見直しを促したものとみられる。
IAEAのこうした見解は、福島第1原発からどこまでの範囲の住民に避難指示を出すべきかを巡り、新たな議論を呼びそうだ。
IAEAによると、今月18~26日に同原発から25~58キロ圏で土壌のヨウ素131とセシウム137の量を調べた。その結果、飯舘村は土壌1平方メートル当たり約200万ベクレルだった。IAEAの避難基準の約2倍に相当するという。ヨウ素131かセシウム137かは明確にしていない。同村の測定値は1カ所のみで測られた散発的なデータで、あくまで初期的な評価だという。
飯舘村は、避難指示圏の外側に設けられた屋内退避指示圏(福島第1原発から20~30キロ)のさらに外側にある。福島第1原発から遠く離れた場所で放射線レベルが突出していることについて、日本の文部科学省は「地形や風向きの影響と考えられる」としていた。
一方、天野之弥事務局長は30日の会見で、原発の安全対策などに関する初めての高官級会議を6月20~24日にウィーンで開催すると発表した。IAEA加盟国の首相や外相などに招待状を送るという。