中国・雲南省昆明市でバス2台爆発、2人死亡 中国南西部の雲南省昆明市で21日午前、路線バス2台が相次いで爆発。少なくとも計2人が死亡、14人が負傷する事件が発生しました。 同省公安庁は「人為的な破壊事件」と断定、中国公安省も北京から刑事捜査の専門家チームを現地に派遣し、犯人を追っています。さらに22日になって、犯人に懸賞金が掛けられました。
中国では8月8日の北京五輪開幕に向けて各地で警戒態勢が強化されていますが、今回は、通勤ラッシュの混雑で安全検査が難しい地方都市の路線バスが標的となりました。公安当局は「テロ」ではなく「破壊行為」との表現にとどめていますが、五輪を狙ったテロへの不安が改めて高まりそうです。

通勤ラッシュを狙った無差別爆破テロか? 雲南省公安庁の報道官によると、1台目は21日午前7時5分ごろ、2台目は同8時10分ごろ。いずれの爆発も通勤客らを乗せて市街地を走行中に起こっており、1台目の乗客の女性(30)と2台目に乗っていた男性(26)が死亡しています。
現地報道では、バスの窓ガラスの大半は割れ、破片は約50メートルの範囲に散乱。二つの現場は直線で約4キロの距離にあり、約1時間のうちに相次いで起きています。公安庁は「人為的な破壊事件」と見て主要道路や駅、空港などを警戒。ミャンマーやベトナムとの国境の警備も強化して捜査しています。
中国の華僑向け通信社・中国新聞社は、現場検証に当たった公安当局者がバスの前列の座席の下に時限爆弾がセットされていたことを突き止めた、と報道。また、地元メディアの報道では、不審な物を持ち込んだ男2人が下車した後、バスが爆発したとの目撃情報もあります。
北京五輪に向け、中国当局がテロ警戒強化している最中の事件 中国では、五輪会場が集中する北京で20日から車両の通行規制が始まったほか、他の主要都市の空港などでも「特別検査活動」を開始。地下鉄などではX線による手荷物検査などを実施しており、警戒態勢を強めています。
しかし、今回のバス爆破事件の舞台となった雲南省・昆明市は、北京五輪妨害に直接は関係しない地方都市。五輪へシフトした警戒の盲点をつかれて行なわれた凶行と言えます。
揺れる中国の地方都市 民族紛争、所得格差・・・ 北京五輪が近付く中、中国地方都市での暴動が治まる気配はありません。 今月半ばには、新疆ウイグル自治区から雷管100個を所持して列車に乗り込んだ男が逮捕される事件もありました。この男は、五輪という世界が注目するイベントを利用して、ウイグル自治区の独立を訴えている勢力に属しているのかもしれません。
また一方で、北京五輪に向けて北京の大気汚染を抑えるべく、中国政府は、北京市内に入る自動車台数を半減させたり、北京市内の建設工事・工場操業を停めるなど、形振り構わない政策を行なっています。 その結果、地方から出稼ぎに来て中国経済を支えていた、農工民が職を失って地方への帰郷を迫られるなど、新たな不安要素を抱える事態になっています。実際、これまで漢民族との対等な待遇を要求してきた少数民族の暴動に、中国の経済成長に乗れなかった、乗り切れなかった低所得層が合流する傾向が出てきています。
中国政府による「治安維持」のための圧力とその後は? 北京五輪が終わるまで残り3週間余り、「治安維持」の名の下、中国政府は中国全体に相当の圧力を上から掛けることになるでしょう。
しかし、その圧力が解けた8月25日(月)の朝がどうなるか? またこれまでの五輪実施都市・国が経験してきた五輪直後の景気低迷(五輪開催までは会場建設などの景気浮揚材料があるが、閉幕と同時にその支えを失うという結果)に直面したときにどうなるか? 北京五輪を契機に、中国は、非常に舵取りの難しい局面に追い込まれたのかもしれません。
テーマ:気になったニュース - ジャンル:ニュース
|