小泉容疑者、供述と傷跡が一致 襲撃2件の関与も認める
元厚生事務次官宅が相次いで襲撃され計3人が死傷した事件で、「事務次官を殺した」と22日夜、警視庁に出頭したさいたま市北区東大成町2丁目、無職・小泉毅容疑者(46)を、同庁は銃刀法違反容疑で23日未明に逮捕したと発表。2件の襲撃事件について関与を認めているといいます。
同庁は同日、東京都中野区の元厚生省事務次官の妻(72)に対する殺人未遂容疑で小泉容疑者の自宅アパートなどの家宅捜索や検証を実施。同庁と埼玉県警は、サバイバルナイフなどに付着した血液のDNA鑑定などを進め、物証が整って容疑が固まれば、元厚生省事務次官の妻に対する殺人未遂か、さいたま市の元厚生省事務次官(66)と、その妻(61)に対する殺人のいずれかの容疑で再逮捕する方針です。
小泉容疑者が出頭時に所持していたスニーカーの一つは、東京中野区の事件の現場に残されていた犯人の足跡と、靴底の模様が酷似。両事件とも、どのように刺したかについての供述と傷の位置や傷跡が一致しているといい、同庁と県警は小泉容疑者が実行した疑いが強いと判断しています。
小泉容疑者は出頭の理由を「騒ぎが大きくなり、逃げ切れないと思った」と話しています。
また同容疑者の「以前、保健所でペットを殺されたことに腹が立った」という犯行動機について、 同容疑者の父親によると、同容疑者が小学生の時に、家に来る茶色い野良犬を飼うようになったが、自宅で営んでいた駄菓子屋の客や周囲の人によくほえるため、保健所に処分してもらった。父親は「息子は『いやだ』と言っていた気がする。根に持っていたかもしれない」と話しています。
小泉容疑者 警察への出頭前に新聞各社へメッセージ
小泉容疑者が、出頭する約2時間前の22日午後7時ごろ、出頭を予告するメッセージを都内の複数の報道機関に送っていたことも判明。
それによると、「今回の決起は年金テロではない。34年前、保健所に家族を殺された仇討ちである」「やつらは今も毎年、何の罪の無い50万頭ものペットを殺し続けている」などとし、「最初から逃げる気は無い。今から自首する」と記されていました。2つの事件についても、「同じ刃物を使用した」「さいたま市の事件では山口さんが先に出てきた」など、具体的な犯行状況の記述もあり、警視庁は内容を精査しています。
小泉容疑者は22日午後9時20分ごろ、レンタカーの軽乗用車で東京・霞が関の警視庁に出頭。
助手席後ろの足元にあった巾着袋の中などにサバイバルナイフなど刃物数本があり、車内に少なくとも2足のスニーカーが存在。同じく車内で見つかった段ボール箱には、今回の事件で襲撃を受けた元厚生省事務次官宅やほかの元事務次官宅をあて先とする伝票が張られていたといいます。
逮捕容疑(銃刀法違反)となった全長約33センチ、刃の長さ約20センチのサバイバルナイフは刃と柄の部分に血が付着。段ボール箱にも血が付いていたとのこと。
また、アパート2階にある小泉容疑者の部屋の捜索・検証には、埼玉県警の捜査員も加わっています。
小泉毅容疑者(46)は、「ただの人殺し」である
例によって例のごとく、マスコミ各社による「犯人の動機追究合戦」が行われています。本人曰く「飼っていた犬の仇討ち」という犯行動機で、2件もの元厚生省の事務次官宅を実行し、さらにほかの元事務次官宅をも襲おうとしていた事件。通常、埋まるはずのないこの動機と行動の間を埋めようと考えるわけですから、当然と言えば当然です。
まだ小泉毅容疑者が持っていたナイフに付いて血液と被害者の方々の血液とのDNA照合や、現場検証など客観的証拠の検証が残っている段階ですが、同容疑者が自供している襲撃事件は、「ただの人殺し」と断罪するだけでよい事件でしょう。そこに「(歪んだ形での)社会正義の実現」は、片鱗すらありません。
小泉容疑者の犯行動機は、人生で一定の成功を遂げた人たち、世間から怠業を非難されても揺るがないところにいられる人たちへの単なる妬みだったのではないでしょうか?
世間で悪人と呼ばれる人を殺害することで社会正義を実現しようとするものとしては、『DEATH NOTE』(大場つぐみ、小畑健)という秀逸なマンガがあります。
『DEATH NOTE』では、死神が使うノート(DEATH NOTE)を手に入れたことで超常的能力で人を殺せるようになった主人公・夜神月が、自分の正義感の下、「キラ」と名乗って連続殺人犯や強姦魔、汚職政治家などを殺害。それを善しとしない名探偵・Lと、互いの存在・生命を懸けた頭脳戦を繰り広げていきます。
小泉毅容疑者は、その「キラ」に遥かに遠く及びません。
せいぜい、『DEATH NOTE』の特別編で、夜神月の次にDEATH NOTEを手に入れて「キラ」を名乗ったニセ者。名探偵・Lの後継者であるニアに浴びせられた「人殺し」の一言で、自身の罪の大きさに発狂死した者ぐらいのレベルでしょう。