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内藤×亀田戦の舞台裏でリングアナがTBSに激怒 ・・・TBSはプロスポーツ取材に向いてないのでは?

内藤×亀田戦の舞台裏でリングアナがTBSに激怒
(産経新聞 11/30付)

29日夜に行われた内藤大助(35)vs亀田興毅(23)のプロボクシングWBCフライ級タイトルマッチの舞台裏で、中継局のTBSが判定の採点内容を読み上げないよう、リングアナウンサーに指示していたことが分かった。

「こういうことが起こるなら、もう2度とTBSとは仕事をしない」。この一戦でリングアナを務めた富樫光明氏(38)が試合後、怒り心頭で格闘技ジャーナリストの片岡亮氏にその内容を語った。

富樫氏はJBCのライセンスを受けた公式リングアナで、日本で行われる多くの世界戦を10年以上にわたって手がけてきた。
富樫氏がこの日、最初にTBS側に不信感を覚えたのは、王者と挑戦者が入場する際に俳優の小出恵介がアナウンスを務めたこと。富樫氏は事前に説明を受けておらず「なぜ世界戦でライセンスもない素人を起用するのか」と首をひねった。同局ドラマの番組宣伝を兼ねる格好になった小出は、肝心の場面で「WBC世界フライト級~」と言い間違えた。

さらに試合途中、中継を担当するTBSのディレクターが富樫氏に対して「試合後は勝者だけ読み上げて判定の採点内容は読まないでほしい」と要請があったという。しかし富樫氏は試合を締めくくる上で不可欠な情報と判断し、指示を振り切る形で採点内容を読み上げた。

会場で両者のごたごたを目にした片岡氏は「TBS側の意図は定かでないが、4ラウンド終了時に発表された採点に会場から疑問の声も上がったため、(2006年に興毅がWBAライトフライ級王者となった)ランダエタ戦の疑惑判定で抗議が殺到したトラウマがよみがえったか。あるいは勝者のコメントを番組の中に入れたかったが、放送時間が押していて端折ろうと考えたのではないか」とみる。

世界タイトル戦で、採点内容も明かさずに「判定勝ち」という結果だけ伝えれば、スポーツとして形をなさない。暴挙はリングアナの良心によって事なきを得た格好だ。

・・・TBSはプロスポーツ取材に向いてないのでは?
史上最年少での賞金王争いをしている石川遼プロを取材”中。ゴルフカートを暴走させて、4人のギャラリーをはね飛ばし、1人に眼窩底骨折の重傷、3人に軽傷を負わせ、石川プロにも「あのホールは動揺しました。鳥肌が立った」と言わせる惨事を起こしたのもTBS。

TBSは、プロスポーツの取材に向いてませんよ。

TBSが取材や放映を仕事にしているように、プロスポーツ選手は、1戦、1戦で仕事をしているわけです。しかも、閑職であろうと他に座席のある会社員と違って、1戦でもファンの期待を裏切ったら次の仕事はないというリスクを背負った仕事です。

ファンだって、1、2年前から見始めたミーハーの観客から数十年とそのスポーツを見てきた目の肥えた観客までいる上に、ひいきの選手も、ひいきの度合いもバラバラ。本人でもミスったと思うプレーにまで「ナイス!」と声をかけられるような中で、最高のパフォーマンスを見せなければならないのがプロスポーツ選手です。

その中で、マスメディアのスポーツ枠を任されている人間が、率先してプロスポーツ選手の仕事場を乱し、穢しに行くなど言語道断。取材活動ではなく、単に邪魔しに行っているだけでしょう。

密着取材までやって、局として一貫しないのはなぜ?
内藤×亀田戦では、2時間のドキュメンタリー特番を組めるほど密着取材をしたんですよね?

内藤大助プロが、心が負けそうになる度に「こんなんじゃダメだ。応援してくれている人たちに怒られる」と奮い立たせ、身体をいじめ抜いてきたのは知ってますよね? 内藤プロが35歳でベルトを巻いていられた強さは、12ラウンド上半身を降り続けるスタイルで闘える驚異的なスタミナは、それだけトレーニングを積んできた歳月の成果です。だから、試合の後に「悔しい」と言えるわけです。

亀田興毅プロが、“亀田ブーム”の後、TBSにもハシゴを外されて日本に居られなくなってから、3兄弟の全部を長男として背負ってメキシコで再起したのは、TBSなら当然に知ってますよね? 階級を上げるに当たって、バランスよく鍛えられたあの肉体が一朝一夕にできないことは素人が見ても分かります。さらに、上半身を大きく振る内藤プロに対してカウンターを合わせられる目、反応して実際に拳を当てることは、相当の反復トレーニングをこなさなければ実戦で使えません。どんなに試合の流れを握ろうとも、ボクシングは良いパンチを1発もらったら終わりですから。

内藤×大毅戦が07年10月ですから、昨日のタイトル戦には2年分の背景があります。それはTBSこそ、他のどのマスコミよりも内藤プロ、興毅プロと共感できていなければおかしい2年間です。

にもかかわらず、番宣を組み入れようと仕込むは、採点結果をウヤムヤにしようとするは、残念なことばかり。プロスポーツを報じる媒体として、TBSは不適格なのではないでしょうか?



そういえば、今年のセ・リーグで勝率.354で最下位となった横浜ベイスターズの最大株主はTBSでしたっけ。

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普天間移設、「話あれば関空に」橋下大阪府知事 ・・・試案としては面白いですけど

普天間移設、「話あれば関空に」橋下大阪府知事
(毎日新聞 11/30付)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、大阪府の橋下徹知事は30日朝、記者団に、関西国際空港への移設について「政府から正式に話があれば、基本的に(議論を)受け入れる方向で検討していきたい」と述べた。「あくまで個人的な意見」とし、政府からの要請は「正式にはない」としながらも、嘉手納基地の騒音軽減対策としての訓練の一部受け入れも視野に、関空の軍民共用化や神戸空港の活用も検討事項に挙げた。

普天間問題が大詰めを迎える中、関空移設を前向きに検討する姿勢を示した橋下発言は波紋を広げそうだ。

橋下知事は沖縄での地上戦を挙げ、「沖縄には多大なご負担をかけたので、本州の人間は十分配慮しないといけない」と述べ、「あくまで日米安保が軸の話だが、国から提案があれば、最初から一切拒否するわけにはいかない」との考えを示した。

・・・試案としては面白いですけど
阪神地域の空は混んでますから、なかなか軍民共用も難しいのではないでしょうか?

沖縄県の那覇空港は、嘉手納基地(那覇空港の北北東に位置)を離発着する米国軍用機と航路が交錯する空港。そのため、民間航空機が那覇空港から北へ向かって離陸するときには、30kmほど、残波岬あたりまで1000フィート(=約300m)の低空飛行をするようになっています。

伊丹空港では、すでに関西国際空港便との交錯を避けるよう大阪湾を通らない東側を離発着ルートとしているため、これまで通りの運用となるかもしれません。しかし、神戸空港は、空港そのものが関西国際空港から25kmほどしか離れておらず、従来の西側離発着ルートでも飛行高度規制がかかってくるでしょう。
また徳島空港は、民間航空機の発着は少ないものの海上自衛隊徳島航空基地が併設されており、海上自衛隊のパイロットが演習に使用しています。

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海上空港である関西国際空港なら、住宅地に接する嘉手納基地が抱える民間人への危険問題は解消されます。また関空はすでに稼働している空港ですから、辺野古沖(キャンプ・シュワブ)への移設と異なり、環境への負荷は小さくできます。

しかし、関西国際空港の持っている強み、24時間空港であることと、深夜の発着分だけ発着枠を多くとれることは、大きく損なわれるでしょう。
軍隊は、訓練でも実戦でも24時間稼働するもので昼も夜も関係ありません。従って軍民共用空港となれば、その民間航空機の発着枠は縮小することになります。伊丹から関空へ移してきた昼間の国際便は、一部を再び伊丹へ戻すことになってくるのではないでしょうか?

行政刷新会議の事業仕分け・第1ワーキンググループで、関空への補助金は「伊丹を含めた抜本的解決策が得られるまでは政府補助金を凍結」とされており、ここへ一石を投じることも考えての発言なのかもしれません。が、ちょっと大き過ぎる一石ではないでしょうか?

先週のニュース(11/23-11/29)行政刷新会議仕分け結果まとめ、中国のCO2排出量目標

先週のニュース(11/23-11/29)行政刷新会議仕分け結果まとめ、中国のCO2排出量目標

11/29 アフガン支援「50億ドル」の使い途は「検証不可能」 ・・・アフガンは民生の前に多く死ぬだろうなぁ

11/29 車のパワーウインドー、続く子どもの指切断事故 ・・・むか~し、問題になりましたよね?

11/29 行政刷新会議・09年度事業仕分け 第3ワーキンググループ評価結果一覧

11/28 行政刷新会議・09年度事業仕分け 第2ワーキンググループ評価結果一覧

11/28 行政刷新会議・09年度事業仕分け 第1ワーキンググループ評価結果一覧

11/28 住宅用太陽光発電への補助金「予算見送り」 ・・・鳩山内閣で、環境分野は伸ばさないの?

11/27 郵便局で旅券業務、ATMで年金記録確認も ・・・日本郵政を“何屋さん”にしたいのか?

11/27 中国が初のCO2削減数値目標「GDPあたり45%削減」 ・・・総排出量では6~8割増加という目標

11/26 14年ぶりの円高水準、1ドル=86円台 ・・・反応薄の藤井、亀井両大臣は大臣たり得ているのか?

11/26 第86回オリコン調べ「本」ランキング 今週発売の注目本:のだめカンタービレ23巻(完結)

11/25 経産相、温暖化対策税で産業界への影響を懸念 ・・・環境税に耐えられようにするのが仕事でしょ?

11/25 「情報ダイヤル」はや見直し論、消費者庁発足3カ月 半数以上が製品へのクレームや個別相談

11/24 市橋容疑者は“断食”2週間経過…医師「そろそろ限界」 ・・・“消えれば終わり”という傲慢

11/23 農家支援の『もうかる営農プラン』、JA兵庫 ・・・農協が「農家のコンサルタント」になる日

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アフガン支援「50億ドル」の使い途は「検証不可能」 ・・・アフガンは民生の前に多く死ぬだろうなぁ

【久保田るり子の外交ウオッチ】
アフガン支援「50億ドル」の使い途は「検証不可能」

(産経新聞 11/28付)

行政刷新会議は事業仕分けで、政府開発援助(ODA)の学校建設など無償資金援助のハコモノ無償の「3分の1程度」縮減を求めた。一方で政府は、アフガニスタン支援を自衛隊のインド洋給油活動中止の代替策として政治的な数字(5年間で50億ドル=約4500億円)としてはじき出した。これらの方針は、どこまで戦略的なのか。予算削減や自衛隊撤退から導く外交政策論は、質への転換を図ったはずの日本のODA外交の展望を先細りさせていないか。

■「小切手のニーズはある」・・・
戦費と汚職にカネが大地にしみこむアフガン再建。オバマ、カルザイ両大統領が日本の「小切手」を喜ばないわけはない。

しかし、肝心の支援の具体案は実は白紙に近い。今年実施して評価の高かった国連開発計画(UNDP)を通じたアフガン警察8万人の給料6カ月分肩代わり支給(約120億円)は継続の方向だが、岡田外相が熱心な「経済的理由でタリバン兵となるアフガン人の職業訓練」は、タリバンを離脱したかどうかの見極めの難しさや、肝心の雇用の受け皿不足など具体策に乏しく、専門家からは早くも「アイデア倒れ」の恐れが指摘されている。

農業支援や都市開発による雇用創出など、現在、進行中の計画の拡大が現実的だが、新味は少ない。「日本の顔」を印象付けるのも簡単ではない。

人材の派遣は困難だ。
日本の民生支援で首都カブールに滞在してきた約70人の国際協力機構(JICA)職員は治安悪化で60人が国外に退避、現在10人で退避組の復帰のメドは立っていない。10月末のタリバン襲撃で6人の犠牲者を出した国連は、アフガン駐留半世紀の歴史で初めて半数以上の職員をカブールから安全な地域や国外に移したばかりだ。

治安回復はオバマ米大統領の新戦略にかかっているが、たとえ治安が安定しても、欧米警備会社にたよるJICA方式では、装備な安全確保などから70人が限度。「増員は無理だろう」(JICA)という。自国軍の警備なしでの民生支援は無理なのだ。

では50億ドルはどう使われるのか。政府間支援は国際機関を通じたものとなる。現地の北大西洋条約機構(NATO)本部にショッピング・リストと呼ばれる地元の要望リストが山ほどあり、「小切手のニーズは高い」(専門家)。最大の問題は、支援資金の使途の検証が「ほぼ不可能」(外交筋)であることだ。そのシステム作りの検討すら行われていない。「汗を流さない小切手」は、仕分け人の最も嫌う国税の無駄遣いになりかねない。

■戦線は拡大の一途
これまでのアフガン民生支援は米国が300億ドル、英国30億ドル、日本はこれに次ぐ20億ドル(2001年-9年)だった。50億ドルの数字は際立っている。この数字を政府はオバマ大統領の初来日(11月13日)3日前に発表した。約70億円(09年)だったインド洋給油を中断し、米国主導の「不朽の自由作戦」(テロとの戦い)からの戦列離脱の対価とした。

日本の対応と対照的だったのが韓国だった。盧武鉉前政権で2002年からアフガンに医療、工兵部隊など200人を派遣していた韓国は民間人の拉致事件が発生、犠牲者が出たことなどから2007年に完全撤退していた。だが米韓両国の政権交代後、李明博政権の両国関係重視の観点からPRT(地域復興チーム)大幅増員とPRT警護の韓国軍を含む約300人の派遣を決めた。派兵発表はオバマ氏の訪韓直前のタイミングだった。

現在、NATO指揮下の国際治安支援部隊(ISAF)はNATO加盟国、非加盟国併せて43カ国、7万1000人が展開中だ。今年(1-10月)だけで1万6000人が増派され、オバマ大統領がまもなく発表する新戦略で米軍が増派されたあとは、インド洋の多国籍軍など併せアフガン派兵は13万人を越えると予測されている。


ISAFではすでに英国、トルコが増派を表明。「アジアで新規派兵を検討している国がある」(防衛筋)。息を吹き返したタリバンを押さえ込むための戦線はいま拡大の一途だ。将来、アフガンから多国籍軍が撤退しアフガンが自力で治安維持を実現するには、現在、各8万人のアフガン国軍と警察を22-25万人規模に増強する必要があるとされている。

アフガン再建は数十年の国際プロジェクトになる。支援のあり方は日米関係強化や日欧関係に止まらず国際社会への自国の役割への認識を映し出す。鳩山政権は外交・安保分野の戦略性、費用対効果を再考すべきだ。論議すべき場は事業仕分けの机上ではないはずである。

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興毅君、やっぱし巧いなぁ。これは強いよ。

12ラウンド通して、最初のフォームの応用だけで闘い抜いたものなぁ。

固いガードができて、的確な手も出せる洗練された美しいフォーム。
ああいう闘い方は、鍛錬に鍛錬を重ねないと辿り着けないでしょう。

やっぱし巧い。これは強いよ。

車のパワーウインドー、続く子どもの指切断事故 ・・・むか~し、問題になりましたよね?

車のパワーウインドー、続く子どもの指切断事故
(朝日新聞 11/28付)

運転席などのスイッチで自動車の窓を開け閉めできる「パワーウインドー」で、子どもが指を挟まれて切断する事故がなくならない。閉まるときは女性が片手で止めるのが難しいほどの力が働くが、挟み込みを防ぐ機能が全席についているのは一部の車に限られ、過信も禁物という。

消費者庁によると、長野県で昨年10月、乗用車の運転席のスイッチで保護者が窓を閉めたとき、後部左座席にいた幼児の右手中指が窓ガラスと窓枠の間に挟まれ、指先を切断したという。事故が起きた窓には体の一部などが挟まれたときに反転して下降する『挟み込み防止機能』がついていたが、何らかの理由で作動しなかったという。

また、国民生活センターによると、04年12月に九州地方で男児が指を切断したほか、報告があっただけで同様の事故はここ10年で数件あったという。07年4月には大分県で軽乗用車の後部左側の席のパワーウインドーに男児が首を挟まれ、意識不明の重体になった。

挟み込み防止機能が有効に働けばこうした事故は防げる。しかし、同センターが02年、家族向け乗用車で販売台数が多い7社18車種のパワーウインドーを調べたところ、挟み込み防止機能は16車種にあったが、多くは運転席だけで、全席についているのは2車種だけだった。また、27~59歳の男女20人が、上昇する窓ガラスを座った状態で片手で押さえて止められるかを実験したところ、できたのは11人で、女性に限ると3人に1人の割合だった。

日本自動車工業会によると、挟み込み防止機能は各メーカーが独自の判断でつけていて、設置の有無や閉まる力の強さの決まりはないという。また、防止機能は窓が完全に閉まる直前は作動しない恐れがあるほか、スイッチを引き続けていると作動しないといい、各社は取り扱い説明書で注意を呼びかけている。

むか~し、問題になりましたよね?
随分と前に、同じような事故が問題視されたと思って調べたら出てきました。1999年の記事です。

──国民生活センターが「商品テスト結果」を発表(1999/4/6 けんこうしんぶん)
車のパワーウインドウが原因で「幼児が首を挟んで窒息死する」といった事故はここ数年で3件発生したほか、ケガも多数報告。これを受けて、同センターが、国産乗用車11銘柄(660~2000cc)と輸入車1銘柄(参考)のパワーウインドウを調べた結果、

(1)パワーウインドウの閉まる力は、15.3~51.3kgfと銘柄により大きな違いがあった
(2)動作中のパワーウインドウ(閉まる力が30.1kgf)を女性では静止できないことがある
(3)パワーウインドウの力(閉まる力が30.1kgf)を危険と感じた人の割合は20人中18人であった
(4)パワーウインドウは、2.0~3.8秒で全閉した
(5)挟み込み防止機構を採用している銘柄があったが、装備の内容に違いがあった
(6)全閉する直前では、1cm足らずのものを挟むと挟み込み防止機構が機能しないものがあった
ということでした。──

1999年の時は死亡事故もありましたし、各企業とも相応の対応をしたと思います。今回の事故が起きた車に付いていたという『挟み込み防止機能』も、この対応の一つでしょう。

「『挟み込み防止機能』の感度を上げられないか?」という話になっていくのかもしれませんが、おそらくセンサーでは限界があるでしょう。故障しない機械は存在しません。
また、パワーウィンドウのモーターも、それほど弱くは出来ません。冬場の暖房にせよ、夏場の冷房にせよ、車内温度を省エネルギーで設定するには気密性が重要。窓ガラスとボディー側のゴムとの間における摩擦も大きくなり、窓ガラスが汚れてさらに摩擦が上がる場合も想定すると、子どもの指の力よりは強くなってくるでしょう。

もう少しローテクの発想で、解決できないか?
センサーに頼ろうとする限り、パワーウインドーへの指の挟み込み事故防止には無理があると思うのです。
事故の度に「製品欠陥だ!」と騒いで自動車メーカーへより高度なセンサー開発を求めても、実現できる感度などの製品設計上、一定確率で欠陥品が生じる製品製造上、出荷した後の故障など使用上の限界は必ずあります。

こうした限界を補うのは、消費者の「会話」と「注意」です。『挟み込み防止機能』を頼ることなく、消費者が子どもの様子を注意して見て、窓を閉める前に会話で子どもを窓から離れるよう指示すれば、挟み込みを防ぐことはできます。

実際問題としては、自動車の走行中に子どもの様子を注視することは、「脇見運転による交通事故」へつながるため不可能です。しかし、自動車が信号待ちなどで停車しているときなら可能でしょう。

仕組みとして、パワーウィンドウの作動を、自動車の停車中に限定してしまうわけです。
各ドアに付いている窓の開閉スイッチについては、本人に「物を安全に使う方法を学ぶ責任がある」とします。が、運転席に集約されているするの開閉スイッチは、ブレーキペダルを踏んでいるかサイドブレーキを引いていない限り作動しないように、スイッチを一つ増やします。

ブレーキペダルを踏んでいるときだけ運転席でもパワーウィンドウを動かせるようにし、基本的には、運転席の開閉スイッチ単独ではパワーウィンドウが動かせない「フェールセーフ」。これなら、窓を閉める前、子どもの様子を見るための脇見を安全に行えます。
運転席の開閉スイッチが故障しても各ドアからの別回路で動かせますから、不便なのは、修理工場に行くまでの間だけです。

何でもハイテクでなくとも良いのではないでしょうか?

行政刷新会議・09年度事業仕分け 第3ワーキンググループ評価結果一覧

1日目は、子どもへの教育事業で、読書推進、伝統文化教室、食育、農山漁村体験、放課後教室などが国の事業として行う必要はないとして廃止。英語教育改革も、これまでの反省を踏まえた抜本改革でないとして廃止されました。
鮎滝も、自治体の判断に任せられると考えるため賛成。それよりも、現行の教科教育を廃止し、東京大学の教養課程から逆算される教育体系への改組を考えて欲しいと思います。日教組を支持母体に持つ民主党では難しいでしょうが。

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2日目は、農地集積や農地保全で、廃止・国庫返納が相次ぎました。概ね事業の必要性は認められていたようですが、事業執行率が低く、基金であることを良いことに「ただ予算を貯め込んでいる実態」が判明し、廃止・国庫返納が続出しました。立ち上げた事業の結果に対する評価を、立案者と実施者の人事査定へ盛り込み、もっとシビアに結果責任を問う運営をするべきでしょう。

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3日目は、次世代スパコンの予算見送りなど、科学技術振興事業における廃止・予算縮減が続出。
日本の財政が逼迫しているのは分かりますが、このグローバル時代、米国などが国の科学技術振興予算を引き上げてきているのに、この仕分け結果は残念。
国から、余分な独立行政法人などを飛び越えて、直接現場に必要経費が届くしくみへ変える必要はあります。が、独立行政法人を飛び越えられれば、総額維持だけでもパフォーマンス・費用対効果が上がる見込みがあるわけで、予算縮減よりも制度改善で実用化までの時短を図るべきでしょう。

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4日目。教員免許の更新制度を見直すようですが、日教組への配慮としか思えません。自公時代の更新制度は見切り発車だったと思いますが、教師の継続的な能力把握は必要でしょう。
例えば「教員免許に段位を設けて、最初は無段で副担任まで。2年目から初段への昇段試験が受けられて、合格すると正担任になる資格を得る。以降は、前の昇段から5年毎に昇段試験の受験ができて、2段になると教科主任、3段になると学年主任、4段で教頭補佐、5段で教頭、6段で校長というキャリアアップ制度」ならどうでしょうか? 無段のうちに授業技術を磨いて、初段までに学級運営も習得し、2段で後輩教師へ授業方法を教えられるところまで。3段からはマネジメントも組み入れて、最年少・49歳までで学校運営のプロにしていくわけです。
農産物流通で6次産業(1次+2次+3次)支援が廃止となっていますが、これは農協が自主的にやることでしょう。

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5日目、計上見送りと評価されたGXロケットは、H2Aロケットで打ち上げるものよりも小さい人工衛星用のロケット。低価格で打ち上げるロケットということで当初開発費用が450億円と見込まれていたものの、開発の難航して、いまの見込みは1500~2100億円となっており、実現性に疑問符が付けられました。
問題なのはiPS細胞などに関わるライフ・サイエンス予算の縮減。京都大学の山中教授が先日、2件の特許を取得しましたが、ゴールは特許取得ではなく臨床での実用化にあるわけで、要求通りが妥当だと思われます。
原子力発電所関係事業は、放射性廃棄物問題が付いてまわる以上、55年体制が終わった今だからこそ見直しが必要でしょう。

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6日目は、防衛省の国際平和協力センターがハコモノの新設は不要として廃止。農業分野におけるモデル事業において、「国がモデル事業をすることは、民間の思考を止める」として廃止と評価されました。

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7日目には、全国学力テストが抽出テストで充分ということで予算縮減。毎年、問題の難度が変化するなど、もっとも重要である経年変化の検証にも使えていません。きちんと調査目的の学力テストが作れる人に、テスト作成から実施方法まで考え直してもらった方が良いと思います。
PISAでトップに立ちたいなら、現行の「教科教育」という教育手法や大学入試の見直しが必要でしょう。

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8日目は、自衛隊の増員と装備、基地経費。経費節減は求められたものの、国防・安全保障に関わる政治課題とされました。

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9日目は、強い農産業支援、強い水産業支援で予算の縮減が相次ぎました。これらの事業は、機動性を考えると農協や漁協で考えていく方が相応しいように思います。「じゃあ、農林水産省は何をするところなのか?」と考えると、食糧の安定供給や輸入農産物への関税率、農協や漁協支援でしょうか。

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行政刷新会議・09年度事業仕分け 第2ワーキンググループ評価結果一覧

1日目は、健康増進対策や若者自立塾が、NPOなどで足りているなどの理由から廃止。
「レセプトオンライン」とは、医療機関が健康保険組合などへ請求する医療費の明細書(診療報酬明細書・調剤報酬明細書)を電子化する事業。紙による事務処理が膨大となっており、不正請求を防ぐためにも電子化が望ましいと考えられています。医療法人が自主的にやるのではなく、国が整備することに疑義が出て計上見送り。

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2日目は、4年間の歳月を費やしている「障害者自立支援調査研究」が廃止。4年も調査していたら、その間に状況が変わっていますよね? やらなければならないのは、調査研究に基づく対応策の実行であり、実行した結果に対する継続的検証でしょう。
必要性を問われて「こども未来財団」が見直し、「社会保障カード」が計上見送りとなっています。

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3日目は、インターンシップの受入先開拓やキャリア・コンサルティング事業が廃止。前者が優秀な人材獲得にとって有効であることは認知されていますし、後者も民間事業者があるわけですから、そちらへ任せれば充分でしょう。

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4日目は、高齢者職業相談室が「ハローワークと重複している」として廃止。延長保育は、「年金特別会計児童手当」でまかなうよう見直し。
この日の仕分けでよく分からないのが、「優良児童劇巡回等事業」が予算要求通りとなったこと。「(財)児童健全育成推進財団が、“優良な児童劇”等を児童館に巡回させる」というものなのですが、仕分け人による評価は「廃止・1名、自治体/民間・3名、予算縮減・6名、要求通り・2名」で、予算縮減となるのが妥当だと思うのです。劇団四季・宝塚歌劇・東京フィルなどを義務教育期間中に1回は見せるとかなら面白い投資だと思いますが、そうでないなら不要でしょう。

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5日目は、年金の広報経費が廃止。福祉医療機構、高齢・障害者雇用支援機構運営費交付金などの運営費で見直しとの評価が出されました。

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6日目は、ODA(政府開発援助の無償資金協力)でも、「コンクリートから人へ」という方向性を示したところが大きいでしょう。ODAについては、架橋事業の総額は分かっても橋の1本1本の建築費は把握していないなど、本当に「意図した投資」になっていないことが見えてきています。1億円投資したら5億円分の感謝が生まれるような工夫をしてもらいたいところです。

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7日目で、予算計上が見送られた「低炭素社会実現プロジェクト」は、太陽光発電と大型充電池(主に電気自動車)をITで結んで電気を融通し合うスマート・グリッドの推進事業。今年やる必要性に答えられなかったため見送りとなったようですが、米国はすでにGoogleが動いており、特許などを考えると今年でなければ関連技術を買うことになります。個人的には、要求通りが妥当だと思います。
規制緩和で対応するよう、廃止と評価された「安心ジャパン・プロジェクト」は、医療・介護サービスへの支援事業。

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8日目は、中小企業支援と商店街支援で見直し、予算縮減が相次ぎました。町工場で人工衛星や深海探査機を作れる日本で、中小企業のものづくり支援を縮小するのは疑問。合併や売買収した方が良いケースもありますが、資源小国の日本は技術立国・人材立国であろうとしてきたわけで、せめて研究開発支援は要求通りとすべきではないでしょうか?
個人的には、中小企業診断士試験の受験科目「中小企業経営・中小企業政策」にすべて関わる事項なので、変えるなら変えるで早く決めてくれという状況。

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9日目は、住宅用太陽光発電補助金が「発電量の全量買取に一元化」するとの理由から予算計上見送り。高効率給湯器補助金は、「ガス会社への補助となっている」などの理由から廃止。
「全量買取にすれば、太陽光電池パネルを付けるだろう」というのは、手元にまとまったお金があって、消費欲が高い人の考え方。消費意欲が冷え切っている現状において、補助金の打ち切りは、05年に太陽光電池パネル設置量で日本がドイツに追い抜かれた悲劇を繰り返すようなものでしょう。

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※第3ワーキンググループ評価結果一覧は、明日・29日にアップロード予定。

行政刷新会議・09年度事業仕分け 第1ワーキンググループ評価結果一覧

1日目は、国交省と農水省が、幹線と農村ですみ分けてきた公共事業の重複で廃止。農水省が発注者で、国交省が受注・実施者となることもできるわけですから、これは妥当だと思います。

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2日目で大きいのは、(財)民間都市開発推進機構の基金が国庫返納。1986年の設立当初は、首都圏への一極集中の是正と、地方都市の振興を目的としていたようです。が、東京の一人勝ちはより進んでおり、地方都市の中心部で「遊ばせるよりは、駐車場へ」という土地が増えるなど、客観的に見て、職務を全うしているとは思えません。

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3日目で大きいのは、テレコム関係事業の廃止。ITベンチャーへの補助や、IT人材の育成は自己責任に立ち戻るのが妥当とされました。

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4日目。(独)都市再生機構の高齢者向け居住環境整備が、直接の補助金ではなく独立行政法人を通す意味などを問われて計上見送り。地域イントラネット事業は、すでに役割を終えているとして廃止。

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5日目で大きいのは、国際機関への任意拠出金の見直し。東欧の共産主義体制崩壊にともなって欧州復興開発銀行は、EUに任せれば良いでしょう。日本は、アジア開発銀行でこそ、発言力を強める必要があるのですから。
NPO支援として使われるらしい「現場の出番創出モデル調査」事業が廃止。山間地の公民館を旅館として活用するための調査費という事例があったそうですが、こうした意味不明な事業は設立段階で止めて欲しいものです。

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6日目は、地方の公共交通機関への補助が大きく切られました。「民主党は地方分権をうたっているのだから、地方の主体性に任せるべき」との論理なのですが、地方交付税交付金などの財源を伴わせないと、バスしか通せない山間農村の過疎化を煽ることになるでしょう。

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7日目は、環境関係事業が集中。自公政権時代に「“環境”と付ければ何でも通せる」ことがあったため、見直した方が良いでしょう。しかし、内需としても成長できる分野であるため、「低炭素製品では消費税率・ゼロ」とか「太陽光などクリーン・エネルギー設備への補助金」など、環境産業の育成方法を新たに考えることも必要でしょう。
見直し対象となったエコ・ポイント事業は、グリーン家電エコポイントとは別物で、白クマをデザインした「エコ・アクション・ポイント」を集めると色々な商品・サービスと交換できるというもの。

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8日目は、自治体の方が先を行っているなどの理由から、「不動産市場の環境整備」「建設市場整備」が廃止。国交省のモデル事業についても、他省庁のと重複や所管違いを理由に仕切り直しとされました。

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9日目は、財務省電子申請システムが廃止。「e-Japan計画」の一つであった事業ですが、毎年、確定申告は労働会館などを借りて人海戦術でこなしているわけですから当然でしょう。本気でやるなら、納税者番号ないし納税受付番号を付けた申告用紙を使うなど、紙ベースでの情報フロー・システム設計をやらなければ形になるはずがありません。企業におけるIT化と同様です。
なお、(独)造幣局は100円玉など貨幣を造っているところ。(独)国立印刷局は、お札(=日本銀行券)を製造して日本銀行へ納入したり、『官報』など政府刊行物の印刷をしているところ。

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住宅用太陽光発電への補助金「予算見送り」 ・・・鳩山内閣で、環境分野は伸ばさないの?

住宅用太陽光発電への補助金「予算見送り」 事業仕分け
(朝日新聞 11/27付)

経済産業省の住宅向け太陽光発電の補助金(概算要求額412億円)が27日、行政刷新会議の「事業仕分け」で、予算計上を見送るとの結論になった。同省内で検討が始まっている再生可能エネルギーの全量買い取り制度へ再編することなどが求められた。

住宅用太陽光発電に対する補助金は1キロワットあたり7万円で、標準的な太陽光パネルなら25万円程度になる。制度を始めた今年1月からの申請件数は10万件を超え、7~9月の住宅向け太陽光パネルの出荷量も前年同期の2.7倍に拡大している。

一方、政府は11月から、太陽光発電の余剰電力を従来の2倍の価格で買い取ることを電力会社に義務付ける制度を導入。民主党は風力など再生可能エネルギー全般に対象を拡大し、余剰電力だけでなく全量を買い取る制度の導入を政権公約に掲げており、今月から経産省が制度設計の議論を始めている。民主党は公約に「太陽光パネルの購入を助成」とも盛り込んでいた。

27日の「事業仕分け」では、仕分け人から、全量買い取り制度を導入して補助金は廃止するよう求める意見が出された。とりまとめ役の菊田真紀子衆院議員は「問題点について精査し、必要であれば出し直していただきたい」と結論づけた。

家庭用太陽光発電への補助制度は94年に導入されたが、政府は「普及が進んだ」として05年に制度を打ち切り。世界一だった日本の太陽光発電の導入量は同年、ドイツに抜かれた。現在の補助金制度は1月に復活したばかりだ。経産省は、補助金と買い取り制度によって10年で初期投資を回収できるとして、太陽光発電の普及を進めていた。

また、高効率給湯器への補助金は廃止、燃料電池は予算を縮減するよう求めた。

・・・環境分野は、鳩山政権での成長促進分野でなかったの?
消費意欲が落ち込んでいるときに、「太陽光電池パネルを付けてみないと、損か徳か分からない『全量買取』」だけで設置数が伸びるとは考えにくいと思います。

例えば、高速道路の無料化を2012年度からに先延ばしする代わりに、太陽光電池パネルの助成は継続するといった計画を示せば、「鳩山内閣は、『環境負荷低減』のための選択と集中をしたんだ」と聞こえるメッセージとなります。事業仕分けが、国家戦略担当とは別建てで動いているとはいえ、そういう思想ないし思考傾向が見えても良ろしいのではないでしょうか?

郵便局で旅券業務、ATMで年金記録確認も ・・・日本郵政を“何屋さん”にしたいのか?

郵便局で旅券業務 ATMで年金記録確認も
(産経新聞 11/27付)

政府・与党は26日、全国にある日本郵政グループの郵便局で、パスポートの申請や受け渡しなどを行えるよう制度を改正する方針を固めた。また、郵便局のATM(現金自動預払機)を活用して年金記録を確認できるようにする。いずれも具体策について最終調整を行っており、来月中旬をめどに正式決定する考えだ。

パスポート業務は、来年の通常国会に提出を予定している「郵政改革法案」に盛り込む考えで、平成22年度中にもサービスを開始する。具体的には、全国で2万4000カ所ある郵便局ネットワークでパスポートの取り扱いをできるようにする方向で、郵政グループは業務委託料を国から受け取ることになる。

パスポート申請などは現在、外務省が各地にあるパスポートセンターや市町村に業務委託しているが、全国に計579拠点しかないため、離島や山間部の住人が申請するには都市部まで出向く必要があった。郵便局の活用は、こうした不便の解消が最大の狙いだ。

年金記録業務は、社会保険庁が来年度後半から配布を予定する「年金通帳」に関連したサービスで、郵便局のATMで保険料の納付履歴を確認できる仕組みとなる。開始時期などは今後詰めるが、「民業圧迫」の批判を回避するため、大手銀行や地域の金融機関とも連携したい考えだ。

一連の新規業務は鳩山内閣の「郵政改革の基本方針」で、多様な行政関連サービスの窓口として郵便局を活用する方針が示されたことを受けて検討された。

・・・日本郵政を“何屋さん”にしたいのか?
日本郵政は、『郵便事業会社』『ゆうちょ銀行』『かんぽ生命保険』と、それらの窓口業務を請け負う『郵便局』からなる企業体。

とりあえず郵便局へ行けば、郵便も、銀行も、保険も足りるようになっています。が、それぞれの事業で黒字経営をしていくには、この「とりあえず郵便局へ」という何でも屋さん状態は、マイナスにもなる可能性を持っています。

銀行になりきれない『ゆうちょ銀行』
ゆうちょ銀行は、法令で運用の対象を『安全資産』に限定されていたため、全体の約83%が国債運用に充てられています。

普通の銀行なら、昨日からの急な円高で、「A企業への貸し付けは大丈夫か? B企業への融資は返答を1日延ばそう。 C企業は75円台のシナリオを追加しておくか?」と融資部門はピリピリしていたでしょうが、ゆうちょ銀行にとっては他人事。8割以上を国債が占めているため、普通の金融機関のように動こうにも動きようがないわけです。

過去の実績頼りの『かんぽ生命保険』
かんぽ生命保険についても、なかなか不思議な状況が生まれています。
保険商品のほとんどは民営化前からのものを継承し、それらの窓口業務は郵便局へ委託しています。が、その郵便局では、アフラックのがん保険、住友生命保険の医療保険、法人・経営者向けにING生命、アリコ、住友生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命保険、三井住友海上きらめき生命、明治安田生命といった、他社の保険商品も取り扱っています。

総資産額・約114兆円を誇る世界最大の保険会社の余裕なのか、かんぽ生命の保険外交員が外回りをしているところはあまり見かけません。
それもそのはず、総資産額46兆円で、かつて国内第1位だった日本生命保険相互会社(ニッセイ)の従業員・約6万6000人であるのに対し、かんぽ生命の従業員は約5000人です。いくら郵便局が全国展開をしているとはいえ、商品説明に苦労する保険営業。6万人の営業力で、ジリジリとシェアを削られることは明らかでしょう。

実際、08年度の個人保険の新契約額で、かんぽ生命は5兆4249億円でしたが、ニッセイは6兆0185億円。個人年金保険の新契約額で、かんぽ生命が6288億円であるのに対し、ニッセイは1兆3285億円という差が出ています。

これ以上、「人的営業力」を削って活路はあるのか?
銀行が銀行になり切れず、保険は昔の実績の上であぐらをかいたまま。その上に、パスポートの申請・発行など行政サービスの代行まで始めては、日本郵政という組織から「人的営業力」がさらに削られることになります。

銀行業には融資先の開拓業務が必要であり、保険業には新規顧客の獲得業務が必要です。いずれも、人がどんどんと求められている声を探しにいき、収益につながるかどうかを人が判断して拾ってくる業務です。

単に郵便局の店舗施設が存在しさえすれば、まるで日本郵政が永続できるかのように語られることがありますが、日本郵政で、今もっとも利益を上げられているのは『ゆうちょ銀行』です。国債で回せているうちに目利き能力を磨いておかなければ、日本郵政は収益の主軸を失いかねません。

行政サービスの窓口を担うことで、日本郵政は国から委託料を得られるようになるのかもしれません。
けれども、本当に日本郵政を“何でも屋”にすることは、経営強化になるのでしょうか? 日本郵政が“何でも屋”になっても収益が上がるようにするべく、パスポートの手数料を引き上げたり、年金記録システムのためにゆうちょ銀行の手数料を上げたりといった事態へつながりはしないでしょうか?

中国が初のCO2削減数値目標「GDPあたり45%削減」 ・・・総排出量では6~8割増加という目標

中国が初のCO2削減数値目標 米に続き発表
(朝日新聞 11/27付)

中国政府は26日、国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2020年までに05年と比べて40~45%削減するとの目標を公表した。中国がCO2削減の数値目標を示したのは初めて。

地球温暖化対策では、米国当局者が25日、温室効果ガス排出を20年までに05年比で17%前後削減するとの目標を明らかにしたばかり。07年にCO2総排出量で米国を抜いて世界一になった中国も具体的な削減目標を決めたことで、デンマークのコペンハーゲンで来月開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での、各国の削減策を明記した「政治合意」を目指す交渉に弾みがつきそうだ。温家宝首相がCOP15に出席することも発表した。

GDP当たりの排出量削減は、一定の経済成長に伴って排出されるCO2の量を、省エネなどを通じて減らす取り組み。CO2が野放図に放出される状況は改善されるが、経済規模の拡大に応じた総排出量の増加には歯止めがかからない。今回の中国の目標を総排出量でみると、特に対策をとらなかった場合に見込まれる量から数%の削減にとどまるとみられる。

中国の目標は、温首相が主宰する政府の会議で25日に決定。政府の中長期経済発展計画に「必ず実現しなければならない目標」として盛り込まれる。ただ、26日夜に記者会見した国家発展改革委員会の解振華・副主任は「国情に基づく自主行動だ」と繰り返し、国際的な実行義務は負わないとの立場を強調した。

総排出量という絶対量の削減ではなく、高い経済成長が続けば排出量が増える「GDP当たり」の削減目標を設定したのは、経済成長の制約につながるような目標は受け入れられないとの姿勢を明確にしたものだ。来年にも世界第2位の経済大国になる見通しとはいえ、国民の平均的な生活水準はまだ低く「現代化の実現にはまだ長い道のりを歩かねばならない」(胡錦濤国家主席)との立場からだ。

・・・総排出量では6~8割増加という目標
中国が提示した、排出総量とは異なる「GDPあたりCO2排出量」。これまでCO2削減において「我々は発展途上国である」としてゼロ回答を続けてきた中国が出したのは、いかにも中国らしい数値目標でした。

「GDPあたりCO2排出量」という考え方自体は、以前からあったもの。例えば、2007年度の日本のGDPあたりCO2排出量は「2.44トン/100万円(=13億7100万トン÷562.3兆円×100万=CO2総排出量÷実質GDP×100万)」です。

2005年度に中国が排出したCO2は50億8200万トンで、GDPは250兆7000億円(2兆3000億ドル 1ドル=109円)ですから、2005年度の中国のGDPあたりCO2排出量は「20.27トン/100万円」。

これを45%削減するとは、「11.15トン/100万円」にするということ。中国の経済成長が現状の勢いを保つと、2020年度のGDPは2005年比で3倍になると見られるため、総排出量は83億8530万トンと算出され、05年度比で65%もCO2排出量を増加させることになります。
ちなみに40%削減にとどまると、12.16トン/100万円で総排出量は91億4760万トン、80%のCO2増加となります。

途上国には、ガソリン時代を省略できる優位性がある
「途上国であることは、すべてにおいて先進国よりも不利」という考え方は、もはや時代遅れです。

例えば、日本が、いま以上にGDPあたりCO2を減らすには、既に各家庭で乗っているガソリン車を電気自動車や燃料電池自動車へ買い替え。すでに整備されている社会インフラを一度、破壊して、ガソリン車仕様から電気自動車仕様や燃料電池自動車仕様へ作り替える必要があります。

一方、中国などの途上国は、すでに電気自動車が実用化されている状況からスタート。各家庭で最初に購入する自動車を電気自動車とし、これから整備していく社会インフラも当初から電気自動車仕様にすることが出来ます。

途上国にとって、ガソリン時代を省略できることは一つの優位性です。
わざわざ、「ガソリン車社会を経由して電気自動車社会へ進む」というのは、非合理的で大きなロスでしかありません。

電気自動車そのものも設計・製造が簡易であり、『ビッグ3』のような大手企業でなくとも、中小企業、『リトル・ハンドレッド』が参入できる分野です。
中国なら、最初から電気自動車仕様で都市計画を進め、中国国内のリトル・ハンドレッドを育成していけるわけで、そうした環境を活かすことこそ賢い国家経営というものでしょう。

「ガソリン車社会を省略する」ように考えれば、エネルギー効率、GDPあたりCO2排出量は、飛躍的に改善させた数値が出てくるはずです。人口13億人という裾野を考えたとしても、日本の半分の効率。「4.88トン/100万円」あたりは、容易に狙える目標ではないでしょうか?

14年ぶりの円高水準、1ドル=86円台 ・・・反応薄の藤井、亀井両大臣は大臣たり得ているのか?

14年ぶりの円高水準、1ドル=86円台に突入
(朝日新聞 11/26付)

26日の東京外国為替市場で、円相場が95年7月以来14年ぶりの円高水準になる1ドル=86円台まで急伸した。前日の海外市場でドルが全面安になった流れを受けて円が買われ、投資家がドルの見切り売りをする動きも重なった。午後2時現在は前日午後5時時点と比べ2円00銭円高ドル安の1ドル=86円35~39銭。

円は朝方から87円台前半で取引されていたが、午後に入り急騰。正午過ぎには一時86円50銭近くまで値上がりした。昨秋の金融危機後の円高で、海外市場では今年1月に1ドル=87円10銭まで円高が進んだが、この日はこれを10カ月ぶりに突破した。

米国の低金利政策が長引くとの見方や、米金融当局がドル安を容認しているとの観測からドルが各国通貨に対し売られている。日本政府が為替介入に慎重な姿勢を崩していないことも円買いを進める投資家に安心感を与えているとの見方もある。

藤井裕久財務相は26日午後、記者団に対し、円相場が86円台に突入したことについて「極めて注視している。(米国の)ガイトナー財務長官はドルを強くすることが米国の国益になるといっており、私も支持する」と述べ、ドル売りを牽制した。

だが、市場関係者によると、節目として意識されていた今年1月の87円10銭を突破したことで、損失を確定するためのドル売りが増加しており、さらに円高が進む可能性もあるという。

1ドル=86円台になるのは95年7月以来、約14年ぶりだ。当時は日本の貿易黒字の拡大が問題となり、同年4月には円が戦後最高値の1ドル=79円台をつけている。

輸出依存度の高い日本企業にとって、円高は業績回復の重荷になる。日本銀行がまとめた9月の企業短期経済観測調査では、大企業製造業の今年度下半期の想定レートは、平均で1ドル=94円08銭だった。

反応薄の藤井、亀井両大臣は大臣たり得ているのか?
為替レートの変動要因には、『貿易の決済のための両替』『現地投資のための両替』『より高い利息の獲得』『為替差益の獲得』『資金のリスク低減』があります。為替市場で取引される通貨は複数存在するため一概に言えるわけではありませんが、より「魅力的な国、経済成長が期待できる国の通貨」ほど値打ちは上がります。

例えば、日本の自動車が多く輸出されると、たくさんのドルを手にした日本企業はそのドルを円に替えるため、為替市場で円不足が起きて円高となります。米国企業が日本国内へ支店を出すには、ドルを円に替えて円で土地・建物を買うため、為替市場で円不足が起きて円高となります。
経済成長に自信のある国では、金融機関が高利回りで貸付、借入を行うため、そうした国で預金した方がより高い利息収入を期待できます。例えば、日本と米国で日本の方が利息が高ければ、ドルを円に替えて円で預金されるため、為替市場で円不足が起きて円高となります。

では、「14年ぶりの円高を記録した今の日本が、魅力的なのかどうか?」、この1カ月の日本の株価指数と為替を併せて見てみます(為替推移は、「円高」の語感に合うように天地を逆転させています)。

■日経平均株価

■TOPIX

■円/ドル為替


「円高という状況は、輸出頼みの日本企業にとって不利だから日本株の人気が出ない」と見れば、筋は通ります。しかし、「日本企業の成長は期待し難いから日本株はいらないものの、通貨としての円は魅力的だから買う」ということでもあり、是正が検討されるべき状況です。

特に、いまの日本経済は、日本政府もデフレーションが生じていると認めたばかり。輸出頼みの企業が多い日本において、対米輸出増大を伴わない円/ドル為替での円高は、「企業の営業利益縮小→人件費のカット→消費の冷え込み」というデフレ要因を増やすようなものです。
日本国政府として、金融政策を一貫させるのなら「円安介入」を表明すべきではないでしょうか?

今回の急速な円高は、「圧倒的にドルは弱い」という投資家の判断によるもの。
藤井財務相が、「強いドルが望ましい」とドル売りを牽制するだけでは足りないでしょう。「市場を落ち着かせるための円安介入はあり得る選択肢」など、行動に出る可能性を示唆しなければ反応しないように思われます。

亀井金融相の「急激に円高に移行することは日本経済にマイナスの影響を与える。心配している」というコメントも、為替には影響しないでしょう。
金融担当大臣にとって、中小企業の資金繰り対策などは重要な仕事ですが、国際的な金融市場の協調や規制を行うのも重要な職務。金融相としての職責を全うすべく、藤井財務相や白川日銀総裁と会合を持つなり、いつもの調子で行動に表さないのはどうしてでしょうか?
中小企業を救おうと、金融機関の資金繰りを棚上げする『モラトリアム法案(=返済猶予制度)』にこだわった亀井金融相。中小企業が為替相場のシワ寄せを受けるかもしれない危機では、立ち上がらないのでしょうか?


第86回オリコン調べ「本」ランキング 今週発売の注目本:のだめカンタービレ23巻(完結)

第86回オリコン調べ「本」ランキング(11月16日~11月22日)

▽書籍総合
1位(↑):バンド1本でやせる!
 巻くだけダイエット(山本千尋)・・・79,923部
2位(初):Hey!Say!JUMP ファースト写真集(集英社)・・・64,993部
3位:イヴ・サンローラン 唯一無二の革新的コスメティック
 (宝島社)・・・50,202部
4位(初):別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評62
 ジャニーズ超世代!「嵐」を呼ぶ男たち(宝島社)・・・22,156部
5位:誰とでも15分以上 会話がとぎれない!
 話し方66のルール(野口敏)・・・21,799部
6位(初):死ぬときに後悔すること25
 1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた
 (大津秀一)・・・17,819部
7位(↑):パソコン de はやわざ年賀状 2010
 (インプレス年賀状編集部)・・・16,272部
8位(↑):世界一簡単にできる年賀状 2010
 (宝島社)・・・15,871部
9位(↑):かんたん年賀状素材集 2010年版
 (技術評論社編集部)・・・15,434部
10位(↑):パパッと出せる年賀状 2010
 (翔泳社)・・・14,303部
――ジャニーズの人気は普遍的ですね。宝島社の『音楽誌が書かないJポップ批評』シリーズは、総じて内容は薄いと感じているのですが、それでも2万部ラインを突破。


▽コミック
1位(初):名探偵コナン 66(青山剛昌)・・・333,541部
2位(初):FAIRY TAIL 18(真島ヒロ)・・・211,669部
3位(初):ツバサ 28(CLAMP)・・・195,137部
4位(初):クロスゲーム 16(あだち充)・・・190,426部
5位(初):ダイヤのA 18(寺嶋裕二)・・・156,063部
6位(初):魔法先生ネギま! 28(赤松健)・・・153,208部
7位(初):BILLY BAT 2(浦沢直樹、長崎尚志)・・・96,603部
8位(初):エリアの騎士 18(伊賀大晃)・・・77,417部
9位(初):学園アリス 20(樋口橘)・・・73,232部
10位(初):さよなら絶望先生 19(久米田康治)・・・65,205部
――トップ10が総入れ替え。浦沢直樹先生の『BILLY BAT』も、2巻目で膨大な伏線張りが始まり、「どうなってしまうのか?」と心配になる展開でしたが7位へランクインしました。
一方、順当にトップを奪取した『名探偵コナン』は「黒の組織」と対決することなく続刊中。そろそろ「黒の組織」と決着をつけて、主人公・工藤新一で新しい犯罪組織や黒の組織の残党との対決といった展開も見てみたいです。



▽文庫
1位(↑):夢の夢 鎌倉河岸捕物控(佐伯泰英)・・・42,389部
2位(↑):思考の整理学(外山滋比古)・・・41,266部
3位:ゼロの焦点(松本清張)・・・27,974部
4位:赤い指(東野圭吾)・・・23,632部
5位(↑):笑う警官(佐々木譲)・・・19,978部
6位(↑):はやぶさ新八御用旅 4
 北前船の事件(平岩弓枝)・・・16,539部
7位(↑):さまよう刃(東野圭吾)・・・16,377部
8位:小説 僕の初恋をキミに捧ぐ(橋口いくよ、青木琴美)・・・15,561部
9位(↑):月島慕情(浅田次郎)・・・14,771部
10位(初):火の国、風の国物語 8 孤影落日(師走トオル)・・・14,557部
――外山滋比古先生の『思考の整理学』も売れ続けて41回目のランクイン。東野圭吾先生の『さまよう刃』にいたっては、59回目のランクイン。
一般的な売れ方は、初回で一気に売れてランキングから姿を消していくというものなのですが、この2冊だけは例外。書籍でも「ついで買い」が成立しているのでしょうか。



◆オリコンランキング(11位以下の書籍ランキングはページ中ほど)

今週発売の注目本:
『のだめカンタービレ 23』(二ノ宮知子)・・・あの「のだめ」もついに完結。シュトレーゼマンとの共演で、「ピアニストの卵」から再び「ただのピアノ好き」へ戻ってしまった野田恵は・・・(11/27発売)

『学園アリス 20』・・・(11/19発売)
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経産相、温暖化対策税で産業界への影響を懸念 ・・・環境税に耐えられようにするのが仕事でしょ?

経産相、温暖化対策税で産業界への影響を懸念
(産経新聞 11/25付)

直嶋正行経済産業大臣は25日、日本鉄鋼連盟と都内のホテルで意見交換した。宗岡正二会長(新日本製鉄社長)が地球温暖化対策税や排出量取引の導入について「排出削減効果は少ない」などと述べ、改めて反対の立場を強調したのに対し、直嶋経産相は「急に産業界に大きな影響が出る形での温暖化対策税は、慎重にした方がいい」と述べ、早急な導入が企業活動に及ぼす影響に懸念を示した。

宗岡会長は鉄鋼業界の地球温暖化対策について「世界最高水準のエネルギー効率を実現している」とし、環境税を導入すれば「減産、国富の流出をもたらす」などと指摘。12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で議論される2013年以降の国際的枠組み(ポスト京都議定書)については、「すべての主要排出国の参加」を改めて求めた。

直嶋経産相は「国民や産業界の理解を得ながら進めていく」と業界の意向に配慮する姿勢を示すとともに、「公平で意欲的な目標が掲げられるよう政治的合意を目指したい」と応じた。

・・・環境税に耐えられようにするのが仕事でしょ?
かつての日本の高度経済成長を牽引したのは、経済産業省の前身である通商産業省。
そうした経緯から、経産省が、経済界・産業界の意向を重視する傾向があるのは分かります。しかし、財界の言い分を判で押したように重ねるだけでは、「経済産業大臣の存在価値」が疑われるというものです。

経産省は、幅広い産業分野に対して審査権・許認可権を持っている官庁。「経産省がどこで規制緩和し、どこへ規制強化をするか?」ということは、そのまま日本の成長戦略・経済戦略の意思表示となります。

いま考えていることが明確となる分、判断を留保するマイナスよりは良いと思います。
が、仮にも「温室効果ガスマイナス25%」を掲げる鳩山由紀夫首相によって、直嶋正行氏は経産相へ任命された立場にいるわけです。温暖化対策税に慎重姿勢を見せるだけでなく、その増税を避けたいのなら、避けられるように規制緩和・規制強化といった権限をどう使う心積もりでいるのかも併せて示すのが、鳩山内閣の経産相としての職責ではないでしょうか?

自動車総連の顧問議員・直嶋正行
経済産業大臣の直嶋正行氏は、『自動車総連(=全日本自動車産業労働組合総連合会)』出身の政治家。
91年に同連合会の副会長へ選出。その翌年・92年に自動車総連推薦で、民社党から参議院選挙比例区に出馬して当選。新進党、新党友愛を経て、98年に民主党へ合流しました。

『自動車総連』は自動車産業の労働組合の連合組織で、傘下の労働組合数1200、組合員数74万人という大組織。その権勢と豪遊ぶりから「労働貴族」と呼ばれた、塩路一郎氏が初代会長を務めていました。

『自動車総連』は、労使協調型労働組合の筆頭・典型であり、反共産主義を軸としながらも労働者を代弁するという活動を展開。国政でも、共産党と対立しつつ自民党など保守勢力と距離を置く中道左派、「福祉国家」を訴えていた民社党を支持。同党が解散してからは、同党出身議員が合流していった新進党、民主党へと支援先を移してきました。
現在は、直嶋正行(参院)、池口修次(参院)、古本伸一郎(衆院)の3氏を自動車総連の顧問議員として、国政へ送り出しています。

労使協調路線で進んできた人材ゆえの限界か?
三菱や日産による電気自動車の市場投入が発表された頃から、鮎滝のブログでも、自動車業界の産業構造は変わらざるを得ないことを述べてきました。

ガソリンエンジンから電気モーターに積み替えるだけでも、これまでエンジンのピストンやクランクシャフトだけを作ってきた工場は消えます。ガソリンタンクや燃料フィルターといった燃料系も消えますし、内燃をともなわない電気モーターでは冷却系も大きく簡素化されます。
「ガソリンスタンド」なども、車検などメンテナンスサービスを強化したり、電気自動車への高速充電を提供する施設へ切り替えたり、併設しているコンビニへ業種替えといった選択肢を迫られるわけです。
これらは、電気自動車がシェアを拡大するたびに突きつけられる現実です。

市場の現実をどのように捉え、望ましい姿はどのような姿形をしていて、どういった経済産業政策で市場を誘導し、日本国全体としてどの程度の付加価値生産をめざすのか。まさに「どこを切って、どこを伸ばすか?」を考えるのが、経済産業大臣ではないでしょうか?

すべて国家戦略担当大臣に譲るのも一つのあり方でしょうが、直嶋経産相は、「自動車総連の代弁者」で許されていた野党時代を引き摺っておられるように見えて仕方がありません。政権与党の仕事は、テーゼの提示か、野党が出してきたアンチ・テーゼをも取り込んだジン・テーゼへの引き上げのどちらかです。


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「情報ダイヤル」はや見直し論、消費者庁発足3カ月 半数以上が製品へのクレームや個別相談

「情報ダイヤル」はや見直し論 消費者庁発足3カ月
(日経新聞 11/23付)

消費者庁の発足からまもなく3カ月。
食用油「エコナ」の特定保健用食品(特保)返上をめぐる対応では存在感を示したものの、目玉施策の一つ「消費者情報ダイヤル」は想定外の電話が殺到し、早くも見直しを迫られている。庁内の連絡ミスから注意喚起が遅れる事態も先月発覚した。

膨大な情報の中から、暮らしに悪影響を与える問題をいかに素早く見抜き、適切な対策につなげるのか。高い期待に応えるのは容易ではない。

消費者情報ダイヤル(03-3507-9999)は悪質商法や製品事故など、行政処分につながる案件の端緒をつかむ「アンテナ機能」として設置された。
ところが「消費者庁ならトラブルを解決してくれる」との期待が先行。これまでの7000件を超える電話のうち、半数以上を製品に対するクレームや個別相談が占める。

まずは、小売店・製造メーカーへお電話を
3カ月で7000件ということは、1日あたり78件。1日の受付時間を8時間と考えて、1時間に10本の相談を受けているペース。大手製造メーカーのコールセンターやお客様相談室ならこなしていそうですが、定員たった202名で組織されている今の消費者庁ではさすがに荷が重いでしょう。

まずは、小売店か製造メーカーへ電話を入れて問題を訴えて、そこで解決が見られない時に消費者情報ダイヤルへ電話をして役所に動いてもらうというのが順番でしょう。

消費者庁の目玉は、「他省庁への横断的対処」
消費者庁は、下記のような組織になっています。

消費者庁長官
 |  ├次長
 |  ├事務次官
 |  └参事官
 |
 ├総務課
 ├政策調整課
 ├企画課
 |
 ├消費者情報課
 |
 ├消費者安全課
 ├取引物価対策課
 ├表示対策課
 └食品表示課

この消費者庁の目玉は、「他省庁への横断的対処」ができることにあります。

したがって、執行担当である『消費者安全課』『取引物価対策課』『表示対策課』『食品表示課』にこそ、充分な人員配置が必要となってきます。
消費者庁は、単なる“聞き役”ではなく“消費生活問題の解決者”。執行担当が、実際に立ち入り調査や処分を行う段階まで辿り着いて、初めて消費者から寄せられた相談は“解決済み”となるわけです。

多分、現状の消費者庁の運営方法は正しくない
消費者庁へ入ってくる情報の窓口は『消費者情報課』となりますが、ここへ限られた人員を割くわけにはいきません。おそらく望ましい形は、『消費者情報課』で認知される時点で、その情報は「消費者庁として動く必要があるのかどうか、判断を下せる状態に加工されている」こと。

鮎滝が消費者庁の組織を組むなら、「消費者情報ダイヤル」でつながる電話口は、発信者の最寄りの『国民生活センター』とします。

電話を受けた『国民生活センター』では、消費者庁と常時接続された「聴取情報入力画面」を開いて待機するオペレーターが応答。消費者とのやり取りをオペレーター側でリードして、情報を整理していきます。
製品事故なら、「どのような事故が起きたのか? 事故の発生年月日はいつか? 製品名、製品の型番は何か? 製造メーカーはどこか? どの店で購入したものか? 購入年月日はいつか? すでにメーカーや小売店に問い合わせをしたかどうか?」。取引トラブルなら、「取引先はどこか? いつ注文をしたものか? 被害金額は? 取引先との連絡は取れている状況か?」。

この段階で必要なのは、消費者の訴えを「情報」にすること。また、「通販で購入したものが、イメージしていたものと違う」など、消費者と小売店ないし製造メーカーと解決するのが妥当で、役所が動くまでもないものはそのように案内していくのも重要な役割です。

一方、消費者庁では、『消費者情報課』が、国民生活センターから送られてくる情報で更新されていくデーターベースを観察。
「特定の製品の、特定製造ロットで見られる共通の欠陥か? メーカーにリコールを促すレベルなのか?」「広域のサギ集団がいるのか?」という判断を行い、その判断を執行担当へ伝達して動いてもらいます。『消費者情報課』に求める能力は、むこう半年、1年ぐらいにわたって、どのような情報が入ってきていたかを広く把握し、いま入ってきた情報とつなげて問題の大きさを計れる能力です。

組織の見直しは草創期のうちが望ましい
大きな情報フローの改訂を伴う見直しは、情報が蓄積すればするほど難しくなってきます。

「エコナ」や「ベビーカー」の件において、消費者庁の動きは良くできていたと思います。発足3カ月という草創期のうちに、「消費者庁とはこのように動いていく役所で、消費者の方々にはこのように利用して欲しい」という省庁方針を固めて、再度、広報活動をした方が良いでしょう。

消費者から直接、消費者庁へ電話がつながる状態から、まずはすべての相談は最寄りの国民生活センターを窓口へ。消費者庁は、国民生活センターから定時連絡を受けるという形にするだけでも、かなり消費者庁は執行担当部門へ重心を移せるはずです。

市橋容疑者は“断食”2週間経過…医師「そろそろ限界」 ・・・“消えれば終わり”という傲慢

市橋容疑者は“断食”2週間経過…医師「そろそろ限界」
(産経新聞 11/24付)

千葉県市川市のマンションで2007年3月、英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者(30)の“断食”が11月24日で2週間を経過する。水や緑茶しか口にしない市橋容疑者に、医師も「そろそろ限界」と危険性を指摘した。

10日に逮捕され、11日に千葉県警行徳署に到着して以降、市橋容疑者は食事を「いらない」と断り、緑茶と水をすする程度で“断食”を継続している。接見した弁護団から「健康維持しないと弁護士との接見も難しくなる」などとアドバイスされたものの、うなずく程度の反応という。

警察嘱託医も務める医師の話では、絶食して4~5日経過すると、思考能力が低下、その後も水(通常はさ湯)やお茶ばかり飲んでいると、体内の電解質、ミネラルバランスが崩れ、顔がむくんで腎不全、肝不全、心不全などを引き起こす「水中毒症」を起こす可能性も出てくるという。

同容疑者は16日に栄養剤を注射され、その後気分が悪くなったが、その点に関して、医師は「静脈注射で栄養分を急に送り込んだため、気分が悪くなったのではないか。どちらにしても、もうフラフラの状態になっているはずだ」と推測した。

留置場内で体調を崩した被疑者に注射を打つ場合、腰縄と手錠をかけた状態にし、多い時で5、6人の警察官が取り囲んで行われるという。時間がかかり、直径5~6ミリのチューブを利用する点滴は、チューブを使った自殺の可能性があり、なるべく避けるという。

医師は「(医務施設がある)拘置所に早く連れて行ければいいが、事実関係に関する供述も取れず、調書も作成できないようでは難しい」と顔を曇らせた。

23日、市橋容疑者と接見した弁護士は、報道陣の問いかけに無言を通した。死体遺棄容疑について「いずれ話します」と弁護団に伝えたとされる市橋容疑者だが、体調面での“危険ゾーン”突入は間違いない。

市橋容疑者がやっているのは、断食ではなく絶食
日本語において「断食」と表現される状態が多様であるため、まずはそこを整理します。

断食とは「一定期間食事を意図的に絶つ禁欲行為」であり、鮎滝のブログでは特に、宗教上の修行・儀式の一つという狭義の意味で扱います。イメージとして思い浮かべて欲しいのは、イスラム教徒がラマダーンのときに行う断食で、開祖や指導者の苦難を追体験するために行うものと限定します。

宗教的・精神的に、己を、より高みへ引き上げるための手段に用いるものを「断食」と呼び、それ以外は「絶食」として区別します。
したがって、世間へ何らかの主張を訴えるために行う「ハンガー・ストライキ」も、断食ではなく、絶食と捉えます。減量を目的とするものは、言うまでもなく絶食です。

市橋容疑者は、禁欲を課しているわけではない
なぜ「断食」と「絶食」の区別にこだわったかというと、市橋容疑者の行動を説明するには、同容疑者の行動の由来が、禁欲なのか、抗議なのか、もっと他の何か別のことなのかを見極める必要を感じるからです。

市橋容疑者の行動を見て、「あの禁欲主義はカッコいい」などと勘違いしている人々もいるようですが、2年7カ月前の行動と照らし合わせれば、同容疑者が崇高なものに裏打ちされていないことは断言できます。

執拗に女性へ食い下がり、殺人か傷害致死かは分からないもののその女性が窒息で亡くなり(←司法解剖において死因は「窒息死」と特定。その他に殴られた跡が残っている)、女性の遺体をベランダに置いた浴槽へ埋めて済ませていた男です。

異性を求める“色欲”をさらけ出し、おそらく“憤怒”、頭に血が上るようなやりとりの後、保身・逃げ切りという“強欲”を重ねた男。今さら「禁欲にかえって事態が収まる」と考えているなら、この男はさらに“傲慢”という4つめの大罪を犯すことになります。

無理に高く見積もって「無言の抗議」と捉えることはできそうですが、そこまで主体的なものかも怪しいところです。
なぜなら、市橋容疑者は大阪南港に着いた時点で、すでに逃走を諦めていたと考えられるからです。同容疑者が沖縄へ向かおうとしていたフェリーは、大阪南港を18時30分に出港する便だったと考えられますが、警察に逮捕されたのは18時45分、フェリーが出た後のことです。

実際、フェリー会社の従業員は、「市橋容疑者と思われる男は、出港時刻になっても待合室から降りてこなかった。様子を見に行ったところ寝ているようだった」と証言しています。自分の逃走計画が破綻したことを自覚し、それ以上の逃走は諦めた男に、ハンガー・ストライキのような積極性が残っているとは考えにくいでしょう。

市橋容疑者は、自分をこの世から消そうとしているだけ
人を殺した、亡くしたという甚大な事態に直面した時。その証拠隠滅は、徹底的に手を尽くすはずです。海や山へ、それもできるだけ発見が遅れるような場所、発見を遅らせることができる場所へ遺体を捨てに行くのが定石です。

しかし、市橋容疑者は、自宅のベランダに置いてある浴槽へ遺体を埋めただけで完結させていました。
ほかの第三者から見れば、目の前から遺体はなくなったかもしれませんが、自分へ容疑がかかる可能性をまったく払拭できていない不可解な行動です。

けれども、こうした犯罪者の行動は、「とりあえず目の前から無くなれば、すべては終わった」と考える人が犯罪に直面した時、しばしば見せる行動として知られているパターンです。
問題事、厄介事が見えなくなれば、手の届かないところへ行ってしまえば、それで自分の心の平穏を保てるというタイプ。将来的に破綻する可能性があろうとも、破綻は一つの可能性に過ぎないから、可能性である内は対処しないでいられる人に見られる傾向です。

以上のような類推をすると、「市橋容疑者は、“自分をこの世から消す”ことで事件を終わらせようとしている」らしいことが見えてきます。

「もう誰からも責められたくないし、死にたいなぁ。でも、いつも警察官が見張っていて自殺はできない。いや、痛そうだし、苦しそうだし自殺も嫌だな。このまま食べることを止めて、ゆっくり消えていこう」
おおよそ、こんなところではないでしょう。

リンゼイさんの死の真相もうやむやにし、結果、自分が背負うべき罪と罰からも背を向けた逃避。礼賛どころか同情すら感じられない醜態と映るのは、鮎滝だけでしょうか?

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関連記事
市橋容疑者、逮捕後初の食事…昼食に弁当
(読売新聞 11/24 17時56分)
千葉県市川市で2007年、英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者(30)が24日昼に逮捕後初めて食事を取ったことがわかった。

捜査関係者によると、市橋容疑者は同日昼、留置場で出された弁当を完食したという。市橋容疑者は逮捕された10日夜以降、食事に手をつけずお茶を口にするだけだった。行徳署は嘱託医の指示に従い、栄養剤の注射などを行ってきた。

・・・断定は早過ぎたか。
まあ、「崇高な断食」と「強固なハンスト」を否定できたまでで良しとすべきか。

農家支援の『もうかる営農プラン』、JA兵庫 ・・・農協が「農家のコンサルタント」になる日

農家支援の『もうかる営農プラン』 JA兵庫
(神戸新聞 11/23付)

JAグループ兵庫は、作付け計画から販売まで一貫して農家を支援する事業『もうかる営農プラン』を始める。農業所得の増大を目指す。

兵庫県内では、農業生産額が2007年には1431億円と、02年比で約40%減少。耕作面積や農家数も右肩下がりが続き、担い手不足が深刻な問題になっている。

同プランは、若い担い手を増やすため農業を利益の上がる産業にするのが狙い。具体的には、指導員が生産コストから販売価格までを試算し、利益の上がる計画を提案する。JA兵庫中央会の三木久和専務理事は「組合員からは『農協が力をいれるのは、もうかる貯金や共済事業ばかり』との批判もある。これからは本業の農業で利益が上がる提案をし、地域を元気にしたい」と話している。(井垣和子)

農協が「農家のコンサルタント」になる日
農協とは、『農業協同組合法』において「農業者の協同組織の発達を促進することにより、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もつて国民経済の発展に寄与することを目的」とすると定められた組織です。

戦後の日本農政において、農協が重要な役割を担ってきたのは事実です。
天候によって“年収が”左右される農家にとって、共済制度は不可欠。また高度成長期においては、農家の代弁者が必要でした。地方の農業従事者と都会の商工従事者との間で生じる所得格差問題を緩やかにしたのは、農協の政治力があればこそです。

今の中国経済を底辺で支えている労働力は、地方から次々と上京してくる“農工民”。その様子から推測するに、日本で「都会へ行けば何とかなる」という流れを米価維持などで抑えていなければ、日本における耕作放棄地問題はもっと早い時代に深刻化していたでしょう。

結果的にそうなっただけかもしれません。が、今の日本は農家の高齢化問題と併せて扱うことができており、都会で成功している人たちを無理に農業へ押し戻すという方法論ではなく、40年、50年と農業に従事してきた方々のリタイアと、都会で働くことより農村に魅力を感じる人たちの誘致や、農業に活路を拓く企業の受け入れといった方法論を採れるのは、幸いな状況でしょう。

しかし、それはそれ、これはこれ。
従来のJAは、農業経営・農業指導より、金融や政治活動へと偏り過ぎていました。

農家も「『売れる農産物』を考え、作っていく時代」へ突入しています。
一軒の零細農家が、そのこだわりの農法でクローズアップされて『当たる』こともあるでしょう。ですが、農業組合という集団で取り組めば、『意図して当てる』『大きいのを当てる』『長く当て続ける』という可能性はより高くなるはずです。売れるようにする情報を拾うアンテナが拡がり、売りに出す時の声も大きくなるのですから。

JA兵庫の『もうかる営農プラン』が、「今さらそこかいっ!」と軽口を叩ける状況にあるのも幸いかもしれません。すでに、三重県の伊賀の里モクモク手づくりファームや北海道の花畑牧場といった成功例もあり、既存のJAの範囲内でも『産直(=農産物直売所)』が見直されています。
お手本が沢山あるということは、それだけ失敗するリスクも少なくて済むわけで、社会全体の生産性は上向くと考えやすくなります。

JA兵庫の『もうかる営農プラン』が、「農協は、農家の代弁者から、農家のコンサルタントへ」という新しい段階の始まりとなって欲しいと思います。

先週のニュース(11/16-11/22)株価で日本一人負け、政権交代直前に多額機密費、核密約文書発見

先週のニュース(11/16-11/22)株価で日本一人負け、政権交代直前に多額機密費、核密約文書発見

11/22 核密約関連文書見つかる・・・でしょうよ。で、民主党の“本分”は、いつ何処で示されるのか?

11/22 若者雇用にNPO活用、新規採用の資金支援へ ・・・NPOは成長分野なのか?

11/22 スパコン凍結で研究者「国際競争力を失うきっかけになる」 ・・・まだ『MAGI』は目指せないの?

11/21 機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出 ・・・業務上横領罪ではなのか?

11/20 「アニメの殿堂」ハコモノ中止でも発信を、文化庁 ・・・年予算は2億円で済むそうです

11/19 探査機「はやぶさ」、奇跡の復活…予定通り帰還へ がんばれ!地球までもう少しだ!

11/19 TOPIX安値、円高・見えぬ政策「一人負け」 ・・・就任以来、下げ続けは酷いなぁ

11/19 第85回オリコン調べ「本」ランキング 今週発売の注目本:パンプキン・シザーズ、ああっ女神さまっ

11/18 電気自動車で東京―大阪を無充電走行、記録555.6km ・・・市民団体の制作でもここまでできるEV

11/17 地域主権戦略会議を設置、来月中旬めどに工程表 ・・・“地域主権”ではなく“地方自治権の拡大”

11/16 新型インフル、ワクチン接種後2例目の死者 ・・・ワクチンは重症化を避けるため、特効薬とは別物です

――<特別編>―――――――――――――――――――
「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(1)

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(2)―そのとき日本は?

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(3)―ブータン王国

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(4)―象徴の登場

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(5)―先進とは?
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核密約関連文書見つかる・・・でしょうよ。で、民主党の“本分”は、いつ何処で示されるのか?

核密約関連文書見つかる 外相、年明けに公表へ
(時事通信 11/21付)

米軍の核兵器持ち込みをめぐる日米間の密約の存在を裏付ける関連文書が外務省内で見つかった。同省関係者が21日明らかにした。岡田克也外相は来週にも有識者による第三者委員会を設置し、文書内容や密約が結ばれた時代背景などを検証した上で、来年1月に調査結果を公表する。

関連文書の発見は、密約は存在しないとしている日本政府の立場を覆すものだ。鳩山内閣は調査結果の公表を受けて、政府見解変更の検討に着手する方針だ。

鳩山政権発足後、外務省は密約問題について、9月下旬に北野充官房審議官をトップとする15人程度の調査チームを設置。省内に保管している日米安全保障関係の関連ファイル2694冊の調査に当たった。

この内部調査について、外相は21日、三重県四日市市で記者団に「ほぼ最終に近い報告を受けている」と述べ、調査が事実上終了したことを明らかにした。また、関連文書について、政務三役に既に提示したが、その後に回収したと説明した。
これに先立ち、同市での講演では「調査は順調に進んでいる。調査結果が出るのは1月。ここで白黒をはっきりさせる」と強調した。

日米両政府は1960年の日米安全保障条約改定時に、日本への核兵器の持ち込みは「事前協議」の対象にすると決めている。密約は、米軍の核兵器搭載艦船や航空機の通過、寄港、飛来を事前協議の対象から除外する内容。発見された文書は密約に関する直接の記録ではないものの、こうした内容を補足的に証明するものとみられる。 

・・・そりゃあ、見つかるでしょうねぇ
「核兵器を搭載したアメリカの艦船や航空機が、日本政府との事前協議なしに、日本に自由出入りすることができる」とする『核兵器持ち込み密約』は、密約を結んだ相手である米国で文書が解禁されて公になったもの。日本側で見つからないはずはないでしょう。

その他にも米国との間には、08年2月に春名幹男名古屋大学大学院教授が、米国の機密解除文書から見つけた「朝鮮半島で何らかの紛争が起こった場合に、在日米軍が日本政府との事前協議なしに出撃できる」と決めた『朝鮮有事密約』、沖縄返還交渉で密使を務めた故若泉敬・京都産業大教授が明らかにした「沖縄に米軍が核兵器を持ち込むことができる」と決めた『沖縄核持ち込み密約』、元外務官僚が認めた「沖縄がアメリカから日本に返還されるにあたって、それまで米軍が使用していた土地の現状回復や、米軍の施設移転にかかる費用を日本政府が肩代わりする」という『沖縄補償肩代わり密約』があります。

いずれも相手国で文書が発見されているか、交渉の当事者が明らかにした『密約』。
「密約が本当にあったかどうか?」という話は既に一つの材料でしかなく、より重要なのは「これらの密約とどのように対峙するか?」という判断です。


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関連記事
処分歴ある職員救済へ 年金機構発足時、厚労省の非常勤で
(産経新聞 11/22付)

政府は21日、来年1月に社会保険庁が廃止され日本年金機構が発足する際、機構に移行できない職員について、懲戒処分歴のある者を含め厚生労働省の非常勤職員として採用する方針を固めた。期限は2年で数百人規模を想定している。

こうした方針を固めたのは、再就職先が決まらず民間企業の解雇にあたる「分限免職処分」とした場合、労組による集団訴訟に発展する可能性があるためだ。社保庁によると、機構に移行しない職員は約1千人。約半数は退職する見通しだが、残る500人は現在も再就職先が見つかっていない。

民主党の有力な支持団体である連合や自治労の幹部は、政府・民主党に再就職先を見つけるよう要請。これを受け、民主党幹部は長妻昭厚生労働相に早期解決を図るよう求めていた。
同党は、来年夏の参院選で労組の支援に期待しており、「集団訴訟になれば選挙への影響は小さくない」と懸念している。

ただ、再就職先が見つからない約500人のうち300人程に懲戒処分歴がある。懲戒には、国家公務員法で免職や停職、減給、戒告がある。懲戒処分歴のある職員を採用しない方針を示してきた長妻氏としては、民間企業や地方自治体への再就職あっせんを極力優先させたい考えだ。

一方、野党は「年金記録をのぞき見した職員を厚労省で雇い続けたら年金不信は払拭できない」(自民党閣僚経験者)と批判している。懲戒処分歴のある職員を採用すれば「組合の圧力に屈して方針転換した」との批判は免れない。

政府としては、一般公募にして面接の結果次第で不採用とすることで理解を得たい考えだが、職員側には一般公募への不満もある。
社保庁最大労組である全国社会保険職員労働組合は「採用条件が不明で、現時点では何とも言えない」と静観の構え。受け入れる側の厚労省は「2年間というのは不安定な立場。どこまで応募があるかは分からない」(幹部)としている。

※分限免職処分・・・著しく勤務実績が悪かったり、組織改廃した場合、本人の意思に反して公務員を免職できる国家公務員法などに基づく制度。懲戒免職とは異なり退職金は支給される。国家公務員では昭和39年に6人に適用されたのが最後で、今回のように100人以上が分限免職処分となるのは異例。

・・・何で社会保険庁がらみは、そうなるの?
この不景気の中、懲戒処分歴のある人が再就職で苦労するなんて当然ですよね? 市場経済の中で、キャリアが重視される世間の中で生きているのにもかかわらず、勝手に「このぐらいの怠業は」「このぐらいのヤミ専従は」と高を括り、自分で自分のキャリアに泥を塗ったんですよね?

労働組合も、そのような労働者の権利をはき違えた人材を庇っては、せっかく「100年に1度の不況」で労働組合の存在意義が見直され始めたのに逆効果でしょう。「労働組合は、ヤミ専従によるいかなる処分も不当とし、断固として抵抗する。職務に専念することよりも、労働組合活動は尊いからである。ヤミ専従で処分された人々の再就職を全力で応援します」と聞こえる言葉に、何人の有権者・納税者が賛同するでしょうか?

若者雇用にNPO活用、新規採用の資金支援へ ・・・NPOは成長分野なのか?

若者雇用にNPO活用、新規採用の資金支援へ
(読売新聞 11/20付)

政府は19日、深刻化する就職難を改善するため、非営利組織(NPO)を雇用の受け皿として活用する新たな制度を導入する方針を固めた。

環境保全、育児、地域活性化など公共的な分野で実績を上げているNPOが新規職員を採用する際の人件費などを、政府が資金支援する案を中心に検討を進めている。雇用対策を重点施策とする2009年度第2次補正予算案に盛り込む見通しだ。

政府による雇用促進策はこれまで企業を対象とする制度が中心だった。専門技術を持つ管理職を雇った中小企業に助成金を支給したり、派遣労働者を正社員に登用する企業に奨励金を支払ったりする制度はあるものの、経験に乏しい若年労働者の雇用確保には不十分との見方が強かった。

今回の雇用創出策は、環境や福祉など様々な成長分野で存在感を高めているNPOを雇用対策の担い手として取り込むことが特徴だ。政府がNPOの人材確保を資金面で後押しすることで就職難に苦しむ新卒者らに働き口を提供する狙いだ。NPOの仕事を通じて知識や経験が得られれば転職する際の職業訓練となる。意欲のある人材を採用すれば将来的にNPOを主導するリーダーの育成にもつながると判断した。

新制度の具体策は、NPOと行政の連携で地域再生などに成果を上げている英国の例を参考にしながら、検討部会で詳細を詰める方向だ。鳩山首相も10月の所信表明演説で「市民やNPOなどの活動を側面から支援することが21世紀の政治の役割だ」と述べ、NPOを重視した政策展開に意欲を示している。

NPOとは?
「NPO」と聞くとボランティア団体がイメージされますが、国際的には、NPOは次のように定義されています。
・正式の組織であること(Formal Organization)
・非政府組織であること(Non-Governmental)
・利益を配分しないこと(Non-Profit Distributing)
・自己統治(Self-Governing)
・自発的であること(Voluntary)
・非宗教組織であること
・非政党団体であること

NPOは組織・人材・財源だけ見ても、災害時などに一時的に組織されるもの、恒常的に組織運営をしているもの、すべてが無給のメンバーで構成されるもの、専属の有給メンバーがいるもの、企業や個人からの民間寄付金を財源としているもの、政府・自治体からの委託費・補助金を財源としているものと実に多様。

その活動分野も様々で、NPO法人データベース「NPOヒロバ」では、保健・医療・福祉、社会教育、まちづくり、学術・文化・芸術・スポーツ振興、環境保全、災害救済、地域安全、人権擁護・平和推進、国際協力・国際交流、男女共同参画社会、子どもの健全育成、情報化社会、科学技術振興、経済活動の活性化、職業能力の開発・雇用、消費者保護、NPO支援という17分野に区分しています。

NPOの付加価値生産額・雇用吸収力
経済産業省の「産業構造審議会NPO部会 中間とりまとめ~『新しい公益』の実現に向けて~」によると、2000年におけるNPOの付加価値生産額は、パルプ産業(6208億円)やバイク・二輪自動車産業(6868億円)を上回る6941億円で、GDPの0.08%を占めています。

分野によって上下しますが、その収入源のうち31.3%は自主事業収入、29.1%は会費等、12.6%は寄付金・協賛金、9.3%は行政・民間の委託事業収入となっており、8割強はNPO法人自身で集められています。なお、行政の補助金が占める割合は4.0%。

またNPOの事務局スタッフ数は平均5.6名(うち有給は平均3.1名、無給は平均2.5名)、総数にして約17.6万人。
有給スタッフへの給与は、年間平均で、非常勤は100万円前後、常勤は250万円未満。しかし、非常勤の44.4%、常勤の31.8%は無給となっています。

↑別窓で大きい画像が開きます。

経産省の資料は、今後のNPOによる生産規模としてシナリオ1~4を用意。
【シナリオ1】経済財政諮問会議で示された「中期経済財政展望」に基づき、構造改革が進み、2004年度以降、民間需要主導による実質1.5%以上の着実な成長が実現した場合
【シナリオ2】シナリオ1に加えて、日本経済全体において環境、福祉、情報などの成長分野において大きな需要創出が見込まれる場合
【シナリオ3】シナリオ2に加えて、NPOセクターのサービス向上により、公共部門からシェアが10%シフトすると仮定した場合。
【シナリオ4】シナリオ3に変えて、20%拡大させると仮定した場合。

2010年における国内総生産と総雇用者数を、次のように算出しています。
【シナリオ1】    8656億円/ 20.3万人(うち常勤  9.2万人)
【シナリオ2】 1兆7844億円/ 41.8万人(うち常勤 18.8万人)
【シナリオ3】 6兆5884億円/159.3万人(うち常勤 71.9万人)
【シナリオ4】11兆5134億円/277.1万人(うち常勤125.0万人)

本当に、そこまでバラ色か?
現状のNPOでは、「有給スタッフへの給与は、年間平均で、非常勤は100万円前後、常勤は250万円未満。しかし、非常勤の44.4%、常勤の31.8%は無給」となっています。

NPOは利潤を上げることではなく、それぞれの組織が目指す目標(=ミッション)に共感した人々が集い、その実現の為に活動していくもの。したがって、「平均値にすると250万円程度の有給専従スタッフは3人程度。常勤でも無給という人材が3割を超える」という組織へ落ち着いているわけです。

ここへ資金支援をすることが、本当に雇用対策なのかは疑問です。

NPO法人として認定されている団体は、09年9月末で3万8405団体。すべての団体が補助金で有給専従スタッフ一人ずつを増やしても、4万人程度しか「食べていける雇用」とはなりません。
そもそもNPOへの参加は、その法人が掲げるミッションへの共感が先。急に大きくなり過ぎてすぐにでも手伝いが欲しいという特殊な例を除けば、いたずらなスタッフの増加は、組織文化を乱し、組織運営を阻害する元になりかねません。

NPOを雇用の受け皿とするなら、官がやってきた公共サービスをNPOへ移管してNPOが行う仕事を増加。そして、ハローワークなど公的求人斡旋でNPO法人とのマッチングを強化していくのが順番であるように思われます(検索方法が悪いのか。ハローワークのインターネットサービスでは、「就業形態:一般、仕事内容:NPO」でのヒット数は全国で53件、「就業形態:パート、仕事内容:NPO」でのヒット数は全国で26件でした)。

就職氷河期をしのぐ一時的な効果はあるかもしれません。が、NPOへ参加することは、ドライな雇用契約と割り切れる企業就職とは異なるため、2年後、3年後でのドロップアウトが深刻となるのではないでしょうか?

スパコン凍結で研究者「国際競争力を失うきっかけになる」 ・・・まだ『MAGI』は目指せないの?

「国際競争力を失うきっかけになる」 スパコン凍結で研究者
(産経新聞 11/19付)

次世代スーパーコンピューターの開発予算が政府の行政刷新会議の事業仕分けで「事実上の凍結」とされたことに対し、研究者などから「日本が国際競争力を失うきっかけになる」と危惧する声が高まっている。スパコン開発で得られる技術が世界の半導体産業を牽引することに加え、最先端の研究や技術開発にとっては、シミュレーションを行うスパコンの性能が成果に直結するからだ。

■現状は世界31位
今月16日に発表された世界のスパコン性能ランキングによると、トップは米国クレイ社のスパコンで、トップ10のうち8つを米が独占。中国は過去最高の5位、韓国も14位につけた。日本は地球規模の気候変動の解明などに利用されている「地球シミュレータ」(海洋開発研究機構)の31位が最高だった。

日本は2004(平成16)年に地球シミュレータがトップから転落して以来、他国に追い抜かれ続けている。仕分けの対象になった開発中の次世代スパコンの性能は、現在の世界トップのスパコンの5.7倍となる10ペタフロップス(=毎秒1京回の計算が可能)が目標だった。ちなみに地球シミュレータは0.12ペタフロップス。

■「なければ負け」
次世代スパコン開発計画にかかわった元総合科学技術会議議員の柘植綾夫芝浦工業大学長は「科学技術の国際競争で、スパコンは『持っていないと必ず負ける技術』だ」と指摘する。

「生命科学でのゲノム解析でも、原子力など科学技術を社会に生かすイノベーションでも膨大な計算が必要。米国など他国から買おうとしても、国家の基幹技術であるスパコンは2番手の物しか売ってくれない」

スパコンによる高度なシミュレーションは「実験」「理論」に続く「第3の科学」と呼ばれ、企業によるジェットエンジンの開発などでも大幅なコスト削減につながるという。

■日本は「首の皮一枚」
文部科学省によると、世界のスパコンのトップ500台のうち富士通・NEC・日立の3社が占める割合は15年前は2割を超えたが、昨年11月には1.4%にまで低下。日本は主要国での半導体出荷額でも80年代は5割を超えトップだったが、05年には25%程度で米国に次ぎ2位だ。

同省によると、米国のスパコン関連の政府予算は05年度の967億円から09年度の1600億円まで右肩上がり。中国でも最高性能の国産スパコン開発を国家戦略と位置づけている。

「日本のスパコン技術は首の皮一枚でつながっている。それを太くするのが次世代スパコン開発だった」と文科省。柘植氏は「科学技術革新は、いったん投資をやめれば人材も技術も霧散し、再開がきかない」と警鐘を鳴らしている。(鵜野光博)

スパコン開発の主な経過
※フロップスは1秒間の計算回数。メガは100万、テラは1兆、ペタは1000兆
1976・・・米クレイ社が250メガフロップスのスパコンを開発
  82・・・日立が630メガフロップスを達成、円周率計算で世界一
2002・・・NEC地球シミュレータが36テラフロップスで世界トップに
  04・・・地球シミュレータが3位に転落、IBMなど米2社に抜かれる
2009・・・米クレイ社が1759テラフロップスでトップ、地球シミュレータは122テラフロップスで31位

日本が2012年の完成を目指している次世代スパコンは、10ペタフロップスの能力を持ったもの。

スーパーコンピュータと、その価値
スーパーコンピュータとは、大規模な科学技術計算に用いられる超高性能コンピュータ。その性能は、気象観測予測のほか、自動車衝突解析、次世代材料の耐久性や難燃性解析といった、複雑な計算をともなうシミュレートに活用できます。

シミュレートの価値は、現実にはできない実験の計算や、実際に行った一つの実験について別の前提条件を加えたときの結果計算などが行えること。例えば、今現在の地球各所の気象データを入力した後、平均気温が5度上がったらどうなるか、逆に5度下がったらどうなるかといったことを気象予測ができます。自動車衝突実験では、コンピュータ上だけで材質や構造を変更して、コンピュータ上で改善の方向性を探ることができます。

記事に出てきた『地球シミュレータ』は、計算機用、ネットワーク用、記憶装置用などに分担し、計算機用には320台のキャビネットを使用。キャビネットの一台一台には、「計算ノード」と呼ばれるCPU(中央演算処理装置)を8つ持つスーパーコンピュータを2基ずつ搭載し、合計640基のスーパーコンピュータで高速演算を行うもの(CPUは、5120=320×2×8)。
現在は、本体をより高性能のものに切り替えて、160基のスーパーコンピュータで稼働しています。

今度の『次世代スーパーコンピューター』は、地球シミュレータとは異なるアプローチから「世界最速」を目指すもの。
地球シミュレータは、かつて主流だった、ベクトル型プロセッサと呼ばれる高速CPUで大規模データ処理を実現する“ベクトル型スーパーコンピュータ”。一方、次世代スーパーコンピューターは、汎用性の高いプロセッサを並列接続してデータ処理させる演算する“スカラ型スーパーコンピュータ”。現在は、汎用性が高く費用対効果の良いプロセッサを使えるスカラ型が、スーパーコンピュータ開発の主流となっています。

次世代スーパーコンピューターは、すでに諸外国で成功例のあるスカラ型スーパーコンピュータを志向しており、革新的イノベーションとは言い難いところがあります。しかし、「いま実現できる最高のシステムを作る」という点で開発価値があります。

・・・まだ『MAGI』は目指せないの?
『MAGI』とは、新世紀エヴァンゲリオンに登場する架空の第七世代コンピュータ。使徒の識別、人造兵器エヴァンゲリオンによる作戦のシミュレートなど、人類補完計画の重要施設である第3新東京市を守る頭脳であり、同市の基本的な都市機能もカヴァーするものとして描かれました。

劇中の『MAGI』は、人間の脳の形をした3基の有機スーパーコンピュータで構成され、開発者である赤木ナオコの人格をOSとして搭載。それぞれに「科学者としての赤木ナオコ」「母親としての赤木ナオコ」「女としての赤木ナオコ」という異なる思考傾向を有し、「1基から提訴された案件について、他の2基が可決・否決・保留のいずれかで回答。『MAGI』としての合議結果を返す」ようになっています。

コンピュータの世代は、第一世代がリレースイッチ、第二世代が真空管、第三世代が半導体(トランジスタ)、第四世代が集積回路(IC)と位置付けられています。一般的に使われているパソコンは、第四世代ということになります。

『MAGI』のように人格、それも人間が頼りにするほど高度な知能を表すコンピュータが、どの程度まで高度なハードウェアで実装できるものなのかは分かりません。
しかし、半導体ウエハーに回路図を印刷して作る第四世代は、IC、LSI、VLSI、ULSIへと高性能化・微細化が進む中で、その限界が予想されるようになっています。最新のLSIにおける回路線の最小幅は250ナノメートルですが、2010年代には50ナノメートルでの競争へ突入。またその50ナノメートルは、回路を走る電子を設計の思惑通りに振る舞わせることのできる限界だろうと見られています。

『MAGI』でなくとも、量子コンピュータへのチャレンジは?
かつて、日本の「国家的コンピュータ開発プロジェクト」は、失敗ばかりでした。1998年に着手された『地球シミュレータ』は、数少ない成功例ともとれます。

1982年から10年間で総額570億円かけた第五世代コンピュータの開発は、旧通産省は人間を人工知能を作るといった大風呂敷を広げていたものの、開発指揮をとった淵一博氏らは「並列推論マシン」の開発として活動。新産業や画期的な応用は生まれることなく、プロジェクトは解散。
ほぼ同じ時期の1985年~95年で総額250億円かけたというソフトウェア開発のネットワーク構築を掲げたΣプロジェクトも、利権の絡むハードウェア選定や箱物行政に成り下がって失敗しています。

しかし、『次世代スーパーコンピューター』でめざすのが、「量子コンピュータ」ではなく、「最高のスカラ型スーパーコンピュータ」という方向性にはいささか疑問を感じます。

量子コンピュータとは、1980年代に推測されたもので、量子力学を応用したもの。
従来のコンピュータでは「1ビットにつき、0か1の何らかの片方の値しか持ち得ない」のに対して、量子コンピュータでは“量子ビット”により、「1ビットにつき0と1の値を、任意の割合で重ね合わせて保持することが可能」であることから、圧倒的な高速化が実現されると見られています。理論上、現在最速のスーパーコンピュータで数千年かけても解けない計算でも、数十秒でこなせるはずだと予想されています。

失敗の歴史があるとはいえ、「最高のスカラ型スーパーコンピュータ」ではなく「量子コンピュータへの挑戦」であれば、より高い評価が得られるのではないでしょうか?


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関連記事
次世代スパコン概算要求維持へ 菅副総理、「仕分け見直し」
(共同通信 11/22付)

菅直人副総理兼国家戦略担当相は22日、NHK番組で、行政刷新会議の事業仕分けで大幅削減とされた次世代スーパーコンピューター開発予算に関し「政策判断は政治的に行う。科学技術分野は見直すことになるだろう」と述べ、概算要求を維持させる考えを示した。

2009年度概算要求で267億円の開発予算は事業仕分けで「予算計上見送りに限りなく近い削減」と判定された。作業を統括する民主党の枝野幸男元政調会長はフジテレビ番組などで「経済効果がきちんと説明されていたら、今の結論にならなかった」と政府の説明不足を指摘。「刺激的に判定したことが前向きの議論につながる」として、問題提起の意義を強調した。

機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出 ・・・業務上横領罪ではなのか?

機密費支出2億5千万円、政権交代直前に突出
(読売新聞 11/21付)

歴代内閣が使途を明らかにしていない官房機密費 について、平野官房長官は20日、2004年度以降の国庫からの月別支出額を公表した。

毎年度4月に2億円が支出され、その後は月1億円程度が支出されていたが、今年は衆院選2日後の9月1日、当時の麻生内閣の官房長官だった河村建夫・衆院議員が2億5000万円を請求して支出を受けていた。政権交代が決まった直後、なぜ突出した額の機密費を引き出したのか、議論を呼ぶものとみられる。

平野官房長官は、情報公開法で保存が義務付けられている過去5年分の記録のうち、月別支出額は過去の開示請求でも開示しているとして、歴代内閣で初めて公表した。

08年度までの5年間、小泉、安倍、福田内閣の歴代官房長官は毎年4月に、2回に分けて計2億円を請求して支出を受けている以外、5月から翌年2月まで月1回、ほぼ1億円ずつ支出を受けていた。3月は請求がなく、年間の支出額は約11億9500万円~約12億3000万円だった。

今年度も麻生内閣では、4月から8月までは例年通りの支出だったが、8月30日の衆院選で民主党が圧勝した2日後、河村前官房長官から2億5000万円の請求があり、全額が支出されていた。これについて、河村前長官は20日夜、「政権にある立場ではないので、特に述べることはない。内容、詳細、使途については非開示を原則としている」と語り、衆院選の費用を補填(ほてん)したのではとの質問には「それも非開示だ」と答えた。

一方、平野長官はこの日の記者会見で、河村前長官から官房機密費に関する引き継ぎを受けた後、金庫の中には現金が全く残っていなかったとした上で、「前政権の官房長官が必要に応じて支出された。国民目線からおかしいと言っても、私の立場でコメントするのは差し控えたい」と話した。使途の公開の是非などについては今後1年間かけて検証する考えを改めて示した。

※官房機密費・・・正式名称は内閣官房報償費。
支出に関する法律上の規定はなく、歴代内閣は政府答弁で「国の事務や事業を円滑に遂行するため、機動的に使用する経費」と説明してきた。使途の公表や領収書を提出する義務はない。外務省の機密費流用事件をきっかけに、02年度予算で前年を10%下回る14億6165万円に減額されて以来、毎年度同額を計上。官房長官に一任されている金額は12億3021万円で、残りは内閣情報調査室の費用に充てられる。 

2001年の「外務省機密費流用事件」
2001年に発覚した「外務省機密費流用事件」。

松尾克俊受刑囚(元要人外国訪問支援室長)は、1990年代後半から7億円もの外交機密費を私的に横領したとされ、外務省は「業務上横領罪」で警視庁へ告発。警視庁は立件可能とみた5億円超について「詐欺罪」にて逮捕・起訴し、2002年3月に東京地裁で懲役7年6カ月の実刑判決が確定しました。
松尾受刑囚は、使途を問われないことをいいことに「外交機密費」を詐取。競走馬14頭、サンデーサイレンスの種付け権、ゴルフ会員権、外務省幹部のゴルフコンペ、高級マンションの購入、女性との遊興費に浪費していました。この事件をきっかけに「機密費の透明化論議」が高まります。

松尾受刑囚の事件後、水谷周元デンバー総領事や荒川吉彦元ケニア公使の公金を流用、小林祐武・外務省経済局課長補佐らがサミットのハイヤー代2200万円を水増し請求してだまし取ったりする外務省不祥事が相次いで発覚。しかし、これらも氷山の一角といわれています。

・・・業務上横領罪ではなのか?
内閣官房機密費には、支出に関する法律上の規定はありません。が、内閣官房機密費の目的は、これまでの国会答弁により「国の事務や事業を円滑に遂行するため、機動的に使用する経費」とされています。

つまり政権交代直前、河村建夫前官房長官が請求した2億5000万円が、国の事務や事業に関わりのないことへ使われたのなら、実態として業務横領罪は成立すると考えられます。
内閣官房機密費のうち、12億3021万円の支出は内閣官房長官に一任されていますが、その一任とは「国庫の管理」と考えるべきもの。年度末に残高があれば、当然に国庫へ返納されるお金です。

また内閣官房機密費は、「“国の”事務や事業を円滑に遂行するため」にあるものですから、自由民主党のために使えるものでもありません。
自由民主党つまり“政党”は、共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体。組織の歴史的経緯や規模の大きさ、社会での役割から強く公的側面を持っていますが、政党はあくまで私的団体です。

公正を期すためにも、事件性がないのか、警視庁が入った方が良いように思います。
内閣官房機密費を警察が糾すのは、内部監査です。前政権が「官房機密費をきちんと“国の事務や事業”へ使ったのかどうか?」「政党で賄われるべき政治資金との混同はなかったのか?」を明らかにし、その妥当性が証明されれば、内閣官房機密費の正当性を強化できます。国民の政治不信を拭うこともでき、長期的視野において公共の利益となるのではないでしょうか?


刑法・第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律・第1条(目的)
この法律は、議会制民主政治における政党の機能及び社会的責務の重要性にかんがみ、政党が財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務を運営することに資するため、政党交付金の交付を受ける政党等に法律上の能力を与え、政党の政治活動の健全な発達の促進を図り、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

「アニメの殿堂」ハコモノ中止でも発信を、文化庁 ・・・年予算は2億円で済むそうです

「アニメの殿堂」ハコモノ中止でも発信を…文化庁
(読売新聞 11/20付)

「無駄遣いの象徴」「ハコモノ行政の典型」と批判を浴び、民主党政権がいち早く建設中止を決めた『アニメの殿堂(国立メディア芸術総合センター)』について、文化庁は、16の研究機関などの機能を結集し、作品展示や収集、調査を手分けする「共同事業体」構想を代替案として打ち出した。

EU(欧州連合)のメディア総合施設とも連携する計画で、117億円だった予算は年2億円規模になる。

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漫画通を自任する川端文科相は、アニメーションなどメディア芸術の重要性は認めており、廃止決定後は情報発信などの方法が問題になっていた。

計画によると、共同事業体は、アニメ、マンガ、映画、ゲーム、メディアアート の5分野で実績がある大学、企業など16からなり、うち三つはオーストリアなどEUのメディアアート先進国の研究・展示機関。

このうち、『京都国際マンガミュージアム』などで作品の展示を、東京・秋葉原の民間施設『東京アニメセンター』などが「情報発信」を、東京大、東京芸大などが研究を分担する。

建物の新たな建設はしないが、これらの機能を調整したり、共同事業を発案したりする「拠点」を都内で借りる。施設の賃貸料や運営費などは年間2500万円で済みそうだという。

文化庁の有識者会議が今年8月まとめた基本計画は、
〈1〉作品の収集や保存、修復
〈2〉展示
〈3〉最先端の動向の調査研究
〈4〉人材育成
――など六つの機能を備えた拠点が必要としていた。当初は東京・台場などでの新施設建設を計画したが、衆院選の前から「ハコモノ」と非難されるようになった。

同会議では、漫画家の里中満智子さんが「古いマンガの劣化はひどく、きちんと保存しなければ100年後は読めなくなる」などと訴えたが、政権交代後早々に中止になった経緯がある。

代替案について文化庁の担当者は「新施設はできなくても、既存施設との連携で世界に誇る日本文化を発信したい」と話している。

日本アニメーター・演出協会代表の芦田豊雄さん(65)は「アニメ文化を育てるのに、ピカピカの施設はいらない。ハコモノをやめ国内外の施設がうまく連携してもらえるならありがたい」と評価した上で、「ただ、現場の人間にとっては、お金をかけずに制作や打ち合わせに使える拠点はほしい。学校の空き教室や空き団地の一角を開放してもらえれば、クリエイター同士の交流の場にもなるので、ぜひ代替案に加えてもらいたい」と話している。

※メディアアート・・・コンピューターグラフィックス(CG)など、先端技術を用いた現代美術。観客が作品に触れると反応があったり、作品を操作できたりするのが特徴。

民主党案では、年予算・2億円で済むそうです
『国立メディア芸術総合センター』で計上されていた予算は、年・117億円。
構想自体は安倍内閣時代に持ち上がっていた案件でした。が、09年度補正予算に潜り込まされたことから、「アニメ好きの麻生首相きもいりの『アニメの殿堂』『国立マンガ喫茶』だ!」と民主党に叩かれ、政権交代とともに建設は中止されました。

そして今回の民主党による代替案。まだ頭が固いと思うものの、「既存施設の“連携”で、年予算・2億円でも文化発信はできる」提案は評価してよいでしょう。

コンテンツは、予算に依るところもありますが、アイデアを出し合って形にしていくパートナーの有無の方がずっと重要です。日本のマンガがトキワ荘から始まったように、ハリー・ポッターがカフェで書かれた小説であるように、吉本興業が東京本社施設を廃校となった『新宿区立四谷第五小学校』で良しとしているように、仰々しい“ハコモノ”とは縁遠いところにあります。

民主党案では、年予算・2億円で済むそうです
鮎滝も、「コミケと闘うでもなく、ロックの殿堂をめざす気概があるわけでもない」そのコンセプトから、『国立メディア芸術総合センター』は不要だと考えていました。

コンテンツ産業を支えるために国がやれることは、コンテンツの流通量に合わせて増える海賊版の取り締まりなどでしょう。タダ乗りを縮小していくことで、コンテンツ市場は本来の市場規模へと拡げられ、その分だけ収益性の高い産業となります。

里中氏の「古いマンガの劣化はひどく、きちんと保存しなければ100年後は読めなくなる」というのは、正論のようにも聞こえます。
しかし、古い作品の保存と修復は、聖俗に関係なく日本で出版された全ての刊行物を保管・保存している『国立国会図書館』が考えればよいことであり、それが同図書館の存在意義です。アニメの殿堂を加わえることは事業重複です。

また、良い作品・おもしろい作品は、各出版社が自発的に重版を重ねるはずです。読者の復刻の声を集める「復刊ドットコム」などもあるわけで、初版の持つ歴史的価値は難しいですが、「面白いコンテンツを残す」ということならほぼ市場へ任せられます。面白さが理解されにくいものの歴史的価値の高い作品は、市場の手に余りますが、そこは先述した『国立国会図書館』で担えばよいでしょう。


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関連記事
◆アニメの殿堂、安部内閣で決定なのに補正予算案件? 実態は、ロックの殿堂に及ばない単なるハコ(09/06/02)

探査機「はやぶさ」、奇跡の復活…予定通り帰還へ がんばれ!地球までもう少しだ!

探査機「はやぶさ」、奇跡の復活…予定通り帰還へ
(読売新聞 11/20付)

奇跡の復活――
4台あるエンジンのうち3台が停止し、小惑星イトカワから地球への帰還が危ぶまれていた日本の探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は19日、故障していた2台のエンジンを組み合わせて、1台分のエンジンの推進力を得ることに成功したと発表した。

もう1台のエンジンの温存が可能となり、予定通り来年6月に地球へ帰還できる見通しとなった。

↑奇跡的な復活を果たした「はやぶさ」の想像図(宇宙機構提供、池下章裕さん絵)

はやぶさは、2003年5月の打ち上げ直後に1台のエンジンがトラブルで停止。その後も様々な機体のトラブルに見舞われたが、05年11月に地球から約3億キロ・メートル離れたイトカワに着陸した。07年4月には、もう一つのエンジンの部品が劣化して、運用を中止した。

満身創痍の機体は、残る2台のエンジンを交互に運用して地球への帰還を目指した。しかし、うち1台が、今月9日に故障していた。

エンジン復活に向け、宇宙機構は、故障した3台のうち、早い段階で運転を中止したエンジン2台に着目。正常に動く部品同士を電子回路でつなぐ「離れ業」で、互いの故障を補う形でエンジン1台分の推進力を出すことに成功。電子回路は、万一に備え、「エンジン間をつないでおいた」ものだった。

復活したエンジンは、順調に作動している。電力、燃料の消費は、2倍になるが、電力は太陽電池によって補給できる見通し。燃料にも余裕があるという。

宇宙機構の川口淳一郎プロジェクトマネージャは「動いている方が奇跡的だ。予断を許さないが、万一に備えた回路が功を奏し、電力補給できるという幸運にも恵まれた」と話している。

がんばれ!地球までもう少しだ!
地球への小惑星衝突の軌道予測にデータを提供するべく、“地球衝突”というラストミッションを帯びている探査機『はやぶさ』。

『はやぶさ』が宇宙へ打ち上げられたのが、2003年5月。
2005年に、20億kmの旅をしてイトカワの観測と着陸に成功。しかし、燃料漏れや姿勢制御装置の故障が相次ぎ、一時は帰還が絶望視されました。その後、どうにか地上との通信を回復した『はやぶさ』は、イトカワから採取した土が入っているはずの耐熱性試料カプセルを抱え、地球に向かって飛行中。
来年・6月を予定しているラストミッションでは、耐熱性試料カプセルを放出した後に、本体は地球衝突へ向かうことになっています。

数々のトラブルから、地球側の支援を受けつつ復活。ここまで「健気」という言葉がしっくりくる機械も、なかなかいないでしょう。

がんばれ『はやぶさ』!


TOPIX安値、円高・見えぬ政策「一人負け」 ・・・就任以来、下げ続けは酷いなぁ

TOPIX安値 円高・見えぬ政策「一人負け」
(朝日新聞 11/18付)

東京市場で株価の下落が続いている。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は18日、約6カ月半ぶりの安値をつけた。海外市場の株価は相次いで今年最高値を更新しており、東京市場の「一人負け」の状況だ。背景には政策の不透明感や円高、大企業の相次ぐ増資への懸念がある。

TOPIXの終値は前日比6.94ポイント(0.81%)低い850.06。6営業日続けて下がった。日経平均株価も2日続落で9676円80銭と約1カ月半ぶりの安値だが、TOPIXは時価総額の大きい金融機関の株価下落を反映しやすく、落ち込みが大きい。

一方、ニューヨーク市場のダウ工業株平均は前日まで2日続けて今年最高値を記録。ロンドン、香港両市場の主な指標もそれぞれ16、17日に今年最高値をつけている。

1カ月余り前まで、東京市場は前日のニューヨーク市場の動きを追うように株価が上下することが多かった。市場関係者は、最近そうした連動がなくなった大きな理由に、新政権の政策を挙げる。

みずほ証券の倉持靖彦・投資情報部長は「子ども手当、予算の2次補正など景気にプラスの話題はあるが、最終的な姿が見えず、市場で買い控えにつながっている」と分析する。国内外の投資家が、成長戦略の見えづらい日本への投資を抑え、中国など新興国への投資に資金を回している、とも指摘する。

日本証券業協会の安東俊夫会長は18日の会見で「新政権は経済成長の重要性への言及が少ない半面、財政支出のムダ減らしが前面に出すぎている」と話した。前原誠司国土交通相が同日、日本航空の法的整理の可能性に言及して「瞬時に日航株が急落」(証券大手)するなど、マイナス方向に影響する閣僚の発言が目立つのも最近の傾向だ。

新政権のせいばかりともいえない。昨年の金融危機と景気後退で痛んだ財務内容を改善しようと、大企業が巨額増資を相次ぎ打ち出していることも、株式市場での供給過剰感につながっている。

金融サービス会社、アイ・エヌ情報センターの調べでは、今年の国内企業の公募増資額はすでに3兆2千億円に達し、集計した91年以降で最大だった06年の約2倍に達している。増資が目立つ銀行業は、東証1部の業種別指数で6月の今年最高値から25%も落ち込んでいる。

1ドル=89円前後の円高水準が続く円相場も株価低迷に追い打ちを掛けている。海外市場でハイテクや自動車関連株が値を上げても、円高による輸出への悪影響が警戒され、国内の電機・自動車株の上昇に結びつかない状態だ。

・・・就任以来、下げ続けは酷いなぁ
TOPIX(=東証株価指数)とは、東京証券取引所の第1部に上場している企業の時価総額を終値ベースで評価し、基準日である1968年1月4日の時価総額と比較した株価指数。日経平均と同様に、重要な株価指数とされています。
ちなみに、日経平均は、東京証券取引所の1部に上場している企業のうち、日本を代表する225社を選び出し、それらの企業のの株価を平均したもの。

この半年間のTOPIXを見てみると、下図のようになっています。

↑別窓で大きい画像が開きます。

麻生前総理が、衆議院を7月21日に解散すると表明したのが7月13日。その前後からTOPIXは上がり始めて、選挙期間中の8月は950~970でもみ合います。この辺り、投資家たちの日本の変化に対する期待感と不安感が表れています。
9月16日に鳩山内閣が発足しますが、09年度補正予算の執行停止がマイナスに働いたのか、執行停止事業がとりまとめられた9月下旬から10月の頭にかけて急落。
10月中旬でやや持ち直したものの、臨時国会が召集されてからは続落しています。

投資家へ媚びる必要はないのですが、日本企業の相次ぐ増資発表に二の足を踏まれるのは、日本が魅力的に映っていない証拠でしょう。

「友愛。友愛。みんな仲良し」と、恵まれたご家庭で育った鳩山由起夫首相はバラ色の日本をイメージしているのかもしれません。が、ここまでTOPIXが下げ続けていることについてきちんと向き合っていただかないと、そのシワ寄せを受ける生活者は非常に困ります。

東国原知事が、『宮崎県のトップセールスマン』として、日本国中に宮崎県の特産品をPRして回っていたのは記憶に新しいところ。鳩山首相にも『日本のトップセールスマン』となって、「日本のスゴいところ」をもっともっと世界へ発信して欲しいのですが、煮え切らないところを感じたり、おとなし過ぎるように見えたり。

あちらこちらへ声を掛けて平沼さんに振られた亀井代表のように、もっと、あの手この手を繰り出すことができませんかね?

第85回オリコン調べ「本」ランキング 今週発売の注目本:パンプキン・シザーズ、ああっ女神さまっ

第85回オリコン調べ「本」ランキング(11月9日~11月15日)

▽書籍総合
1位:イヴ・サンローラン 唯一無二の革新的コスメティック
 (宝島社)・・・127,778部
2位:バンド1本でやせる!
 巻くだけダイエット(山本千尋)・・・100,055部
3位(↑):誰とでも15分以上 会話がとぎれない!
 話し方66のルール(野口敏)・・・21,048部
4位(↑):バンテージダイエット 夜3分間のバンドエクササイズで
 即効美腰・美脚!(清水ろっかん)・・・15,573部
5位:ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー
 公式完全クリアガイド カントー攻略+ぜんこく図鑑編
 (元宮秀介、ワンナップ、メディアファクトリー)・・・14,982部
6位(↑):脳に悪い7つの習慣(林成之)・・・13,682部
7位(↑):明るい暮らしの家計簿 2010
 (ときわ総合サービス)・・・13,284部
8位(↑):パソコン de はやわざ年賀状 2010
 (インプレス年賀状編集部)・・・13,221部
9位(↑):世界一簡単にできる年賀状 2010
 (宝島社)・・・12,579部
10位:体温を上げると健康になる(齋藤真嗣)・・・12,229部
――毎年恒例、年賀状作成支援ムック『パソコン de はやわざ年賀状』『世界一簡単にできる年賀状』がトップ10入り。すぐに使えるソフトウェアも付いており、確実にランクインする定番シリーズとなっています。


▽コミック
1位:NARUTO 48(岸本斉史)・・・150,481部
2位(初):エンジェル・ハート 31(北条司)・・・130,195部
3位:銀魂 31(空知英秋)・・・83,337部
4位:バクマン。 5(大場つぐみ、小畑健)・・・59,070部
5位:CLAYMORE 17(八木教広)・・・49,572部
6位:STEEL BALL RUN 19(荒木飛呂彦)・・・41,064部
7位(↑):LIAR GAME 10(甲斐谷忍)・・・40,623部
8位(↑):僕等がいた 13(小畑友紀)・・・39,110部
9位(↑):センゴク天正記 7(宮下英樹)・・・38,857部
10位:キスよりも早く 6(田中メカ)・・・36,878部
――今週の順位変動はおとなしめ。


▽文庫
1位:とある魔術の禁書目録 19(鎌池和馬)・・・48,889部
2位(↑):ゼロの焦点(松本清張)・・・32,945部
3位(↑):思考の整理学(外山滋比古)・・・29,889部
4位:赤い指(東野圭吾)・・・25,830部
5位:狼と香辛料 ⅩⅢ Side Colors Ⅲ(支倉凍砂)・・・25,589部
6位:小説 僕の初恋をキミに捧ぐ(橋口いくよ、青木琴美)・・・24,133部
7位(↑):笑う警官(佐々木譲)・・・22,978部
8位:さまよう刃(東野圭吾)・・・22,297部
9位(初):トワイライト Ⅳ 上
 (ステファニー・メイヤー/小原亜美)・・・19,619部
10位(初):月島慕情(浅田次郎)・・・19,130部
――映画化された『ゼロの焦点』『笑う警官』がランクイン。同じく映画化されている『さまよう刃』『僕キミ』、アニメ化されている『とある魔術』『狼と香辛料』もトップ10に残っており、なかなかメディアミックス戦略の上を行くのは難しいようです。
その流れに乗って入ってきたのが、小説『トワイライト』。

『トワイライト』(ステファニー・メイヤー/小原亜美)・・・17歳のベラは、雨と霧の町フォークスへやってきた。母親が再婚することになり、これまで離れて暮らしていた父のもとで新しい生活を始めることにしたのだ。人付き合いが苦手なベラだったが、転校先の男子たちはベラに良くしてくれて、新しい学校生活はうまくやっていけそうだった。その中に、ベラと距離を置く黄金の瞳に赤い髪をした美青年エドワードがいた。

エドワードにとって、ベラは初めて遭遇した「心を読めない人間」だった。その二人の微妙な距離が相手への興味に変わり、恋心になっていく。しかし、二人の間には大きな壁があった。それは、ベラは普通の17歳の人間で、エドワードは100年の時を生きてきたヴァンパイアという種族の壁。
種族の壁を超えて、ヴァンパイアの長老の思惑を超えて、二人は幸せを掴むことができるのか・・・



◆オリコンランキング(11位以下の書籍ランキングはページ中ほど)

今週発売の注目本:
『パンプキン・シザーズ 12』(岩永亮太郎)・・・帝国の弱体化を憂うロンダリオが描いていたのは、無法者たちの吹き溜まりである「0番地区」を一掃し、帝国の引き締めを行うことだった。辛くもその計画は潰すしたものの、陸軍情報部第3課の掲げる戦災復興とロンダリオの掲げる富国強兵の衝突を予期させる一件。
陸情3課は、「いかな外皮をも切り裂き断ち割るための南瓜抜き鋏(パンプキン・シザーズ)」となれるのか・・・(11/17発売)

『ああっ女神さまっ 40』(藤島康介)・・・大魔界長ヒルドによる、神属との温い共存関係に業を煮やしたハガルは、仲間ともに魔界でクーデターを起こした。それにともない、地上では魔属たちによる強引なシェア拡大が始まった。ベルダンディーと蛍一たちは、事態を収拾するために魔界へ向かうが・・・(11/20発売)

『ハレグゥ 10』・・・(11/21発売)
――――――――――――――――――――――――――
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Pumpkin Scissors 12 (KCデラックス)/岩永 亮太郎

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「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(5)―先進とは?

新しいパラダイムは何か?
結論から言うと、鮎滝は『地球との対話に基づく、人類の限界点の共有』だと考えています。

発展途上国に住む方々にとって、先進国の生活は眩しいものでしょう。
しかしながら、先進国の持つ技術力をもってしても、地球の一息に過ぎない最大風速60m/秒の台風には過ぎ去るのを待つしかなく、地球にとって寝返りですらないマグニチュード9.0の地震には為す術もありません。平均気温が今よりも5度上がるだけでも、栽培できる食物の変化について行けないでしょう。
地球に対して、人類は圧倒的に非力です。

『地球に対して、圧倒的に非力で、地球が無くては生きていけない人類』
そういった人類の限界を真摯に受け止めて共通認識とし、改めて、より実現性のある範囲で豊かさや幸福な生き方を考えていくタイミングであるように思います。

人類が滅ぼうとも、地球は存在できます。人類が滅んだ何億年か先、人間でいえば3つか4つ年齢を重ねた頃には、また新しい生態系ができあがり、その頂点にたった生物が「知性」を必要としたなら、また新しい文明を起こすでしょう。
地球と人類の関係において、常に危機に陥るのは人類です。

「無限の可能性への挑戦」は常に美しいのか?
「無限の可能性への挑戦」「天井知らずの欲求」は、人類の発展に大きく貢献してきました。
ジャンボジェット機が世界を結び、情報データなら数秒で地球の裏側へ届きます。不治の病と言われた病気の正体を突き止め、その治療方法や予防方法を見つけてきました。

では、宇宙への夢も、未だ地球の衛星である月面に基地を建てることさえ叶っていません。「寿命・300歳」と聞いてバラ色の人生を思い浮かべる人がどれだけいるでしょうか? 映画『スターウォーズ』や昔のマンガのように、車が空を飛ぶことがデファクト・スタンダードとなった社会こそ理想と考える人々は何%いるでしょうか?

人類の月面進出や、細胞老化への抵抗、反重力のコントロールといったチャレンジは面白そうです。が、「生きやすい社会」「住みやすい社会」のイメージとは異なるのではないでしょうか?

自然科学だけでなく、人文・社会科学の重要性
自然科学の成果は、常に鮮烈で、目を奪われます。それに比べて、人文・社会科学の成果はなかなか評価しにくいところがあります。

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う(3)で取り上げたブータンや、世界で最も住みやすい街といわれるウィーン、今なお建築が続けられているサグラダ・ファミリアへ寄せられる人々のパワー。こうした世界の事例を思うと、どうも人類の生き易さには歴史や伝統といった重み、長い時間をかけて構築されたその土地に合致した社会システムが必要であるらしいことが見えてきます。

いまの日本、東京都都心部などは、現代の合理主義的思考で作られた計画都市です。
しかし今の東京は、一度、太平洋戦争で焼け野原となり、それでも米国の資本主義陣営で対共産圏(旧ソ連や中国)の前線として機能する必要性から生まれたもの。多くの人々による努力の成果として立派な都となりましたが、昨今、その東京のど真ん中で独居老人が孤独死していたという話をよく聞きます。

外見は華やかであるものの運営に苦慮しているのが、現代都市の偽らざる実態でしょう。
こうした現代都市の問題は、東京に限ったことではありません。少し前まで、米国のニューヨークのハーレムは立ち寄れない場所の代名詞でしたが、割れ窓理論や警察官の大量採用、マフィアに対する頂上作戦でねじ伏せたのがジュリアーニ前市長です。

東京やニューヨークが人類都市の究極なのか?
「東京やニューヨークへの憧れはよく分かりました。でもその運営には、これまでとは異なる『力技』が求められます。地域コミュニティーなど消滅するかもしれません。それでも、東京やニューヨークを目指しますか?」という提起をすることも、現代都市というものを見てきた先進国の責務なのではないでしょうか?

人類は言葉を有し、言葉によって知識や経験を伝達することができます。この先進国の歩んできた道が誤りであったのなら、いま途上国と位置付けられている国々がわざわざ同じ轍を踏まなくとも良いわけです。

「先進国は本当に先進国だったのか?
途上国の発展の延長にあるのは、いまの先進国であり、人類が目指すものはさらにその先にあるのか?
途上国の発展の先は、いまの先進国とは別の道を行ったところにあり、途上国はそこへ先進国よりも近道で到達できるのではないか?」



うーーーん、答えをまとめているはずが、また問いに戻ってきてしまった。5回にもわたって問いで終わるということは、まだ鮎滝のレベルはこの辺ということでしょう。電気自動車の記録更新で一休みしたものの、さすがに疲れました。

ということで、「「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う」は、ここで一旦区切り。
明日は木曜日なので、いつも通りにオリコンの書籍ランキングをやって、気になったニュースを一つ取り上げたいと思います。軽めだといいなぁ・・・

――――――――――――――――――――――――――
関連記事
7~9月期の実質GDP、年率4.8%増 2四半期連続プラス
(日経新聞 11/17付)
内閣府が16日朝発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質成長率が前期比プラス1.2%、年率換算でプラス4.8%と、2四半期連続のプラス成長だった。市場予想の平均は年率プラス2.7%(日経QUICKニュース社調べ)。

経済対策の効果で個人消費が引き続き伸びたほか、アジア向けを中心とした輸出の回復がGDP成長率をけん引した。
内需の成長率への寄与度はプラス0.8ポイント。6四半期ぶりにプラスへ転じた。エコカー減税やエコポイント制度といった政策効果で個人消費が前期比0.7%増えた。設備投資は1.6%の増加。4~6月期に大きく伸びた公共投資は1.2%減少した。厳しい雇用・所得環境を背景に、住宅投資は7.7%減少。民間在庫の寄与度はプラス0.4ポイントだった。

輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度はプラス0.4ポイント。輸出は前期比6.4%増加、輸入は3.4%増加した。輸入が増加に転じたことで寄与度のプラス幅は縮小した。


「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(4)―象徴の登場

これまでの「「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う」をおさらい
「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(1)では、「GDP至上主義でいいのか?」という元朝日新聞論説副主幹・桐村氏による問題提起を。

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(2)では、「GDP至上主義から脱却する方向性」として、GDPの総額競争以外による日本の魅力づくりを幾つか提示。
また、経済活動一辺倒ではない国際指標として、「1.持続可能かつ公正な社会経済学的発展 2.環境の保全 3.文化の保護と促進 4.良い統治」という4つの柱から概念作りが進められている「GNH(国民総幸福度)」に言及。

「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(3)では、「GNH」を提唱したブータン前国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクによる、「急ぎ過ぎない開発」という国作りを概観しました。

なぜ、いまGDPを問うのか?
GDP(=Gross Domestic Product:国内総生産)とは、「一国経済で、1年間に、新に生み出されたモノやサービスの生産額(付加価値額)の合計を、市場価格で表したもの」。要は、「国内で、1年間にどれだけのモノやサービスが買われたか?」という総金額。

1990年代より、「その国の成長率、経済的な勢い」「その国の活性度や熟成度」「その国およびその国の企業へ投資するで得られる収益の期待値」を見る上で、実に有効に働いてきた経済指標です。今の中国の勢いを図る上で、日本や米国が不況を脱したかどうかを見る上でも重要な数字です。

そんな有効な経済指標について、何故、いま一個人である鮎滝が再考しているのかというと、直接的な触発は、主馬さんの「パラダイムシフトをここで」という記事と、同じ日に見つけた桐村氏の論説にあります。

しかし、この2つの記事と今の日本および国際経済をつなげた時、「日本にとって、GDPを最重要指標とすることが、将来にわたって本当に有益なのか?」という、自分の疑問に変わりました。

日本が、GDPで世界第3位へ転落する衝撃
「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う(2)でも触れましたが、GDPで日本が中国に追い抜かれて世界第3位に転落する日は間近です。

GDPは大雑把に考えると「国民一人当たりの生産額×人口」となりますから、中国人の生産性が日本人のわずか10分の1に届くだけで、当然に追い抜かれるわけです。「13億人 対 1.2億人」という圧倒的な人口差がある以上、目に見えて魅力的な質を生み出すか、まったく新しい価値観をもってこない限り、日本が中国に飲み込まれるのは目に見えています。

日本は、経済立国という一点集中で戦後64年間を邁進し、経済力で国際的発言力を買ってきたという歴史的経緯を考えると、この危機感はかなりのもの。
「日本人の真心も伝わっているはずだ!」との批判もあるでしょうが、真心という精神性は、主観的かつ個人間でしか通用しないもの。「金の切れ目が縁の切れ目」「金のあるところに人は集まる」という日本語があるように、日本は世界のATMどころか、技術も頭脳もすべて吸い取られた「見所のない国」に成り果てるかもしれません。

政治力も軍事力もあるお隣の中国が、経済力で世界第2位となったときの衝撃への備えは、今からでは遅いぐらいです。

『オバマ』という分かり易い象徴の登場
一方、世界は今、『オバマ』という実に分かり易い象徴を得ています。
『OBAMA』と聞くだけで、国を挙げて環境産業に取り組む「グリーン・ニューディール」や、核兵器をコントロールできる範囲に抑える「核なき世界」といった、世界が直面している課題とその方向性が「パッ」「パッ」と浮かんできます。

こうした人物は、歴史上、何人も存在しました。
2001年。テロとの戦いが始まり、戦争が国家間だけのものではなく、国家とテロリスト集団の間でも起こるものだと認識された時。そこには、『ビンラディン』という分かり易い象徴がいました。
1991年。旧ソ連と米国の冷戦が、旧ソ連の社会主義がとうに限界を迎えていたという認識とともに終結した時。そこには、『ゴルバチョフ』という分かり易い象徴がいました。
1939年。ナチスドイツが第1次世界大戦以降の版図を塗り替えようとポーランドへ侵攻し、全体主義の勢いと脅威を認識させた時。そこには、『ヒトラー』という分かり易い象徴がいました。

上に挙げた事例は、歴史を振り返ったときに言える『後付け』に過ぎないかもしれません。後付けでないことを証明できても、そもそも『オバマ』が、「OBAMAJYORITY」なるものを形成するほどの象徴なのかは不透明。また、『オバマ』を信じて突き進むことが将来的に良いか悪いかも、明確ではありません。

しかし、従来のパラダイム(=ある社会を構成する根底にある思想・哲学)が覆る時や大きく見直しを求められる時には、二度、三度と『象徴』が登場したのは歴史的事実。であれば、分かり易い象徴の登場は、新しいパラダイムの前触れとして、注視した方がよいのではないでしょうか?

一個人が次のパラダイムを考える価値
パラダイムシフトが起こる時、一個人というレベルでは、その流れに身を任せるしかないでしょう。

一方、企業経営者というレベルには、その流れに乗るか抗うかの選択を迫られます。手元にある限られているとはいえ確かに存在する人材、設備、資金。これまで自分と社員、その家族を養ってきた企業です。舵取りを誤るわけにはいきません。

国家というレベルが、流れに乗るか抗うかの選択を行うのは、当然の責務です。
ここでありがたいことに、民主主義国家である日本では「選挙権の行使」「1票」という形で意思表示ができます。結果的には流れに身を任せることになるものの、その流れを特定人物による上意下達ではなく、「大衆の力」というボトムアップとして形成・参画できるわけです。

それ故に、「新しいパラダイムは何か?」と、一個人が問うことには意味があります。


「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(5)―先進とは?」に続きます。

電気自動車で東京―大阪を無充電走行、記録555.6km ・・・市民団体の制作でもここまでできるEV

到着! EVで東京―大阪を無充電走行、記録555.6km
(レスポンス 11/17付)

17日、日本EVクラブ が製作した電気自動車(EV)が、東京から大阪まで途中1度も充電することなく走り抜いた。航続距離は555.6kmとなり、日本EVクラブでは達成記録をギネスに申請する。

↑到着! 記録555.6km

世界記録挑戦者一行は、17日3時に東京日本橋を出発、走行時間約13時間半をかけ、同日16時半に大阪日本橋に到着。ウエスティンホテル大阪にて到着式を行った。挑戦のようすを実況中継するブログでは「途中、冷や汗をかくようなトラブルもなく、ケガもなく、ほんとによかったよかったです」と報告されている。

今回の挑戦に使われたのは、ダイハツの軽自動車『ミラ バン』をベースとしたコンバートEVと呼ばれる車両。通常のエンジンを降ろし、代わりにモーター、コントローラー、電池を搭載。パソコンなどに使われる三洋電機のリチウムイオン電池8320セルを使用している。

EVでの無充電長距離走行の世界記録は、米国のテスラモータースが市販しているスポーツEV、テスラ『ロードスター』を購入したオーストラリア人が、10月27日に樹立した「501km」ということになっているが、今回の記録はそれを50kmほど上回ることになった。

※日本EVクラブ・・・日本EVクラブは、1994年10月に、自動車評論家の舘内端氏を代表として設立した市民団体。2002年3月現在、個人会員445名、法人会員24社。地方支部に、愛知、松本、つくば、大阪狭山、神奈川、南紀、神戸、九州がある。
電気自動車に夢とロマンを持ち、低公害車の普及と、未来のモータリゼーションの創造、地球温暖化防止を私たち自身の問題として考え、主体的に活動することを目的としている。会員が製作したEVは100台を超え、ナンバー取得車も増えている。

市民団体の制作でもここまでできるEV
日本の電気自動車というと、三菱自動車の『i-MiEV(アイ・ミーブ)』、日産自動車の『LEAF(リーフ)』の市場投入が発表されています。どちらも大手企業で、「電気自動車はハイテクの塊」という印象を受けます。

しかし世界において電気自動車は、「ローテクでも参入できる新分野」と位置付けられています。
なぜ世界では「ローテク新製品」と位置付けられているかというと、電気自動車の構造はガソリンエンジン車よりもずっと単純で、使用部品もガソリン車の3分の1程度になるという事実に立脚しているからです。頭で考えるだけでは実感しにくいため、感覚も共有してみましょう。

いま、男子ゴルフ界が熱いですよね? 石川遼選手(18)と池田勇太選手(23)が史上最年少での賞金王争いをしており、見応えがあります。
で、そのプロゴルファーたちから、少し脇へ目を移してもらうと「ゴルフカート」があります。広いゴルフ場を選手を乗せて移動したり、キャディバッグを運搬するのに使われるこのゴルフカート。実は、ヤマハ電機などが製造している電気自動車です。

つまり、ゴルフカートを公道仕様に改造すれば、電気自動車はそれで完成と言えるのです。実際に、韓国にはこのアプローチから、電気自動車市場へ参入しようとしている企業があります。

柔軟な発想が許される電気自動車業界
また電気自動車は電気モーターで走ることから、ガソリンエンジンのような「内部部品の発熱」を無視できます。そのため、ボディーを鋼鉄よりも軽量なFRP(繊維強化プラスチック)で作ることも可能です。
TOYOTAのハイブリッド車・プリウスは1.2トンありますが、FRPの比重は鋼鉄の4分の1程度。電気自動車では総部品量が減ることから、強度をつけるために単純に厚くするという考え方も採れるため、従来の半分の車体重量にするこだってできます。

このアプローチからいくと、鉄鋼業界との結びつきがない企業でも、FRP製造企業と手を組むことで参入できるということになります。

また電気モーターと充電池の性能向上はまだまだ続くでしょうから、Dell社がコンピュータでやっているようにすべてを「モジュール」として取り扱い、
「▽ボデイー(3列シートバンタイプ)・50万円
▽ボデイー(スポーツタイプツインシート)・45万円
▽ボデイー(2列シートセダンタイプ)・35万円
▽ボデイー(軽タイプ)・20万円
▽電気モーターモジュールA・60万円
▽電気モーターモジュールB・50万円
▽電気モーターモジュールC・40万円
▽充電池モジュールA・80万円
▽充電池モジュールB・50万円」
といったメニューを用意して、ディーラーで顧客と話し合いながらコーディネートしていく業態も考えられます。購入した後で、「いい充電池がリリースされたら、充電池だけ変える」という選択肢を作って、顧客と息の長い取引関係を築いていくわけです。

電気自動車市場への参入を進める『リトル・ハンドレッド』
市民団体が作った電気自動車で航続距離:555.6kmを出せたのですから、中小企業にだって市場参入チャンスがあります。
この流れを敏感に感じ取った中国や韓国、インド、米国の中小企業が、今も果敢に「売れる電気自動車づくり」に邁進中。彼らは、米国自動車のビッグ・スリーに代わり得るものとして、『リトル・ハンドレッド』と呼ばれています。

次は、日本の無名企業に「航続距離:650km」といった記録更新を果たして欲しいです。

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プロフィール

鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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