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「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(1)

『くたばれGNP』ワンスモア
(新’s 11/16付)

【元朝日新聞論説副主幹・桐村英一郎】「国内総生産(GDP)の計算方法を見直し、長期休暇や環境への貢献など『幸福度』を加えた新しい指標をつくろう」。フランスのサルコジ大統領が国際社会にそんな提案をして、話題をよんでいる。

朝日新聞(9月17日)によれば、大統領はノーベル賞を受賞したふたりの経済学者がまとめた報告書に動かされたという。「不平等が高まったり、大気汚染が進んだりしてもGDPは増える。そんな統計では人間の幸福は推し量れない」といった報告だ。

おっしゃる通り。GDPは「ある期間に国内で新たに生み出されたモノやサービスの合計額」である。GDPの伸び率を経済成長率と呼ぶ。共通の計算方法で出せば国際比較できるのは便利だが、無駄な道路建設でも、公害対策にカネをかけてもGDPを増やす。その欠点はかねてから指摘されてきた。

鳩山さんに言ってほしかった
しゃくなのは、フランスの大統領から提案されたことだ。日本と比べれば、バカンスをたっぷりとり、あくせく働く度合いが小さいように見える国も、GDPの推移に一喜一憂しているのだろうか。いや、文化と芸術、哲学の国だからこそ経済一辺倒の統計が気に入らないのかもしれない。
いずれにしても、GDPの見直しはヨーロッパからでなしに、鳩山さん、あなたの口から言ってほしかった。

高度成長華やかなりし1971年(昭和46年)1月、朝日新聞経済部から1冊の本が出された。『くたばれGNP』。その刺激的な題名はたちまち流行語になった。戦後の経済成長は確かに国民を物質的に豊かにした。その陰で、サラリーマンは疲れ果て、自然は破壊され、空気も水も汚れた。このまま成長第一で突き進んでいいのか。
そんな問いかけは人々の心をつかんだ。

あれから40年近く。苦い体験は日本の公害防止・省エネ技術を世界のトップに押し上げ、日本は地球温暖化防止のリード役を期待されている。

それでも私は、いま、もう一度『くたばれGNP』の旗を掲げたいと思う。GNP(国民総生産)は海外との利子・配当のやりとりなども含めており、近年は国内活動に限ったGDPが用いられているから、『くたばれGDP』でもいい。

くたばってほしい理由はふたつある。
ひとつは、日本(政府)と日本人が、今もってGDPを「ありがたい」指標として崇めているからだ。GDPはいわば、川の流れのようなフローの数字だ。本当の豊かさは青い水が湖を深く満たすようなストックにあるのだが、なぜか日本人はストックよりフローの増減を気にする。
つまりGNPやGDPが好きなのである。

「GDP好き」の日本を中国が追い抜く日
それではいつまでたっても、汗水たらして働くばかりで、本当の豊かさやこころの平穏は得られない。
この国の人口は減ってゆく。人口(労働力)が減れば、生産性を高めようといくら頑張ったところでGDPも減る。そんな指標を後生大事にするのは無駄なことではないか。

「GDP離れ」が必要なもうひとつの理由は、日本のGDPが中国のそれに追い抜かれることだ。13億人の国が8%だ10%だという成長を続けているのだから、当たり前である。

だが「GDP至上主義」の日本には、その心構えがまだできていない危うさがある。近々、中国に抜かれて世界3位になったことがはっきりしたとき、きっと大騒ぎするに違いない。現に新聞各紙にはいまから、「中国のGDPに抜かれる」「米国に次ぐ経済大国の座を失う」など、それが即、日本の転落か没落かのごとき「大変だ」記事が散見されるのだ。

その事実を大げさに報道するのは愚かなことだと思う。いやそれにもまして、危険な見方だ。国際法・国際関係史の専門家・大沼保昭氏は日本経済新聞の「経済教室」(9月24日)でこう書いている。

「まもなく生じるであろう国内総生産(GDP)の『日中逆転』への日本国民の反応。70年代以来日本のアイデンティティーの核をなしてきた『世界第二の経済大国』の地位から転落すると、日本では過剰な喪失感や不安感が高まる恐れがある。そうした状況の下で、中国の軍事大国化を過剰に意識し、『中国の軍事力増強に対抗する軍事力強化を』という考えが頭をもたげないようにする必要がある」

日本、中国、韓国、ロシア。東アジアで心すべきは、位相の違うナショナリズムの高まりをいかに賢く制御するか、ということだ。当の中国は「GDPの日中逆転」をどうとらえているか。私はその判断材料に乏しいが、ナショナリズムをくすぐることはあっても、総じて軽く受け流すのではなかろうか。

「G2」の影におびえる日本人
駐仏大使、中国の外交官を養成する外交学院院長などを歴任した呉建民氏は、朝日新聞の「GLOBE」(10月19日号)で「GDPの中日逆転について、中国の指導者やエリートは冷静だ。日本は1人あたりGDPでずっと上だし、ハード、ソフトの両面で、両者の差はまだ大きい」「中日逆転はむしろ、日本の人々に大きい衝撃を与えているのではないか。(アジアでの)ナンバーワンの地位を失い、どうしたらよいのだろうか、と。米国人が『G2』を言い出したのも、心配の種だろう。そうした心配は理解できるが、いずれも取り越し苦労だ」と述べている。

「G2」は米国と中国が世界を取り仕切る、といった意味だ。そうなれば日本の影はますます薄れるという懸念の声がある。

米国に次ぐ経済大国。それは戦後の荒廃から「坂の上の雲」を見上げて必死に働いてきた日本人の縁(よすが)であり、誇りでもあった。GDP信仰もそれと無縁ではあるまい。
でも、GDPやその成長が「すべて」では寂しいし、アジアの21世紀を拓く先頭には立てない。

「中国に抜かれたからって、それがなんなんだ」「きらりと光るミドルパワー。日本は日本らしい道を歩む努力をすべきだ」。日本の各紙には、その時にそんな記事を書けるような、心構えと気持ちの余裕を、いまから養ってほしいと願っている。

「民主党に成長戦略はあるのか」「いま必要なのは成長戦略だ」。新聞記者たちはそんな記事をさかんに書いている。私が引っ掛かるのは、「GDPの伸び=成長」という図式にのっとってこの国の明日を語っていいのか、という思いがあるからだ。

ひとつの指標・数字にすぎない
サルコジ大統領ならずとも、GDPの改善やそれに代わる指標の模索は過去にあった。
福祉に支出する額で一国の経済力を図ろうとするGNW(国民総福祉)。GNPから福祉に結びつかない項目を差し引き、余暇など福祉的要素を加えてつくるNNW(国民純福祉)・・・。いろいろ構想は浮かんだが、GNPやGDPにとって代わるまでに至らなかった。

私は、GDPをなくせとか、捨てろとか言うつもりはない。それはひとつの指標・数字にすぎない。その呪縛に自らはまったり、必要以上にありがたがったりするな、といいたいのだ。
それでも、この国と人びとの「GDP信仰」はかなり根深いと思うから、あえて言いたい。
くたばれGDP。

・・・「朝日ではなく産経に言って欲しかった」
という冗談の見出しはさておき、「GDP至上主義」で日本が存在感を示すことに限界が来たことは、鮎滝も賛同します。
桐村氏が指摘しているように、どう考えても中国の追随を振り切ることは難しく、「GDPで日本が世界第3位に転落する日」は間近に迫っているからです。


「『くたばれGNP』ワンスモア」に思う GDPで日本が世界第3位に転落する日(2)―そのとき日本は?」に続きます。

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鮎滝 渉

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千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
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ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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