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スパコン凍結で研究者「国際競争力を失うきっかけになる」 ・・・まだ『MAGI』は目指せないの?

「国際競争力を失うきっかけになる」 スパコン凍結で研究者
(産経新聞 11/19付)

次世代スーパーコンピューターの開発予算が政府の行政刷新会議の事業仕分けで「事実上の凍結」とされたことに対し、研究者などから「日本が国際競争力を失うきっかけになる」と危惧する声が高まっている。スパコン開発で得られる技術が世界の半導体産業を牽引することに加え、最先端の研究や技術開発にとっては、シミュレーションを行うスパコンの性能が成果に直結するからだ。

■現状は世界31位
今月16日に発表された世界のスパコン性能ランキングによると、トップは米国クレイ社のスパコンで、トップ10のうち8つを米が独占。中国は過去最高の5位、韓国も14位につけた。日本は地球規模の気候変動の解明などに利用されている「地球シミュレータ」(海洋開発研究機構)の31位が最高だった。

日本は2004(平成16)年に地球シミュレータがトップから転落して以来、他国に追い抜かれ続けている。仕分けの対象になった開発中の次世代スパコンの性能は、現在の世界トップのスパコンの5.7倍となる10ペタフロップス(=毎秒1京回の計算が可能)が目標だった。ちなみに地球シミュレータは0.12ペタフロップス。

■「なければ負け」
次世代スパコン開発計画にかかわった元総合科学技術会議議員の柘植綾夫芝浦工業大学長は「科学技術の国際競争で、スパコンは『持っていないと必ず負ける技術』だ」と指摘する。

「生命科学でのゲノム解析でも、原子力など科学技術を社会に生かすイノベーションでも膨大な計算が必要。米国など他国から買おうとしても、国家の基幹技術であるスパコンは2番手の物しか売ってくれない」

スパコンによる高度なシミュレーションは「実験」「理論」に続く「第3の科学」と呼ばれ、企業によるジェットエンジンの開発などでも大幅なコスト削減につながるという。

■日本は「首の皮一枚」
文部科学省によると、世界のスパコンのトップ500台のうち富士通・NEC・日立の3社が占める割合は15年前は2割を超えたが、昨年11月には1.4%にまで低下。日本は主要国での半導体出荷額でも80年代は5割を超えトップだったが、05年には25%程度で米国に次ぎ2位だ。

同省によると、米国のスパコン関連の政府予算は05年度の967億円から09年度の1600億円まで右肩上がり。中国でも最高性能の国産スパコン開発を国家戦略と位置づけている。

「日本のスパコン技術は首の皮一枚でつながっている。それを太くするのが次世代スパコン開発だった」と文科省。柘植氏は「科学技術革新は、いったん投資をやめれば人材も技術も霧散し、再開がきかない」と警鐘を鳴らしている。(鵜野光博)

スパコン開発の主な経過
※フロップスは1秒間の計算回数。メガは100万、テラは1兆、ペタは1000兆
1976・・・米クレイ社が250メガフロップスのスパコンを開発
  82・・・日立が630メガフロップスを達成、円周率計算で世界一
2002・・・NEC地球シミュレータが36テラフロップスで世界トップに
  04・・・地球シミュレータが3位に転落、IBMなど米2社に抜かれる
2009・・・米クレイ社が1759テラフロップスでトップ、地球シミュレータは122テラフロップスで31位

日本が2012年の完成を目指している次世代スパコンは、10ペタフロップスの能力を持ったもの。

スーパーコンピュータと、その価値
スーパーコンピュータとは、大規模な科学技術計算に用いられる超高性能コンピュータ。その性能は、気象観測予測のほか、自動車衝突解析、次世代材料の耐久性や難燃性解析といった、複雑な計算をともなうシミュレートに活用できます。

シミュレートの価値は、現実にはできない実験の計算や、実際に行った一つの実験について別の前提条件を加えたときの結果計算などが行えること。例えば、今現在の地球各所の気象データを入力した後、平均気温が5度上がったらどうなるか、逆に5度下がったらどうなるかといったことを気象予測ができます。自動車衝突実験では、コンピュータ上だけで材質や構造を変更して、コンピュータ上で改善の方向性を探ることができます。

記事に出てきた『地球シミュレータ』は、計算機用、ネットワーク用、記憶装置用などに分担し、計算機用には320台のキャビネットを使用。キャビネットの一台一台には、「計算ノード」と呼ばれるCPU(中央演算処理装置)を8つ持つスーパーコンピュータを2基ずつ搭載し、合計640基のスーパーコンピュータで高速演算を行うもの(CPUは、5120=320×2×8)。
現在は、本体をより高性能のものに切り替えて、160基のスーパーコンピュータで稼働しています。

今度の『次世代スーパーコンピューター』は、地球シミュレータとは異なるアプローチから「世界最速」を目指すもの。
地球シミュレータは、かつて主流だった、ベクトル型プロセッサと呼ばれる高速CPUで大規模データ処理を実現する“ベクトル型スーパーコンピュータ”。一方、次世代スーパーコンピューターは、汎用性の高いプロセッサを並列接続してデータ処理させる演算する“スカラ型スーパーコンピュータ”。現在は、汎用性が高く費用対効果の良いプロセッサを使えるスカラ型が、スーパーコンピュータ開発の主流となっています。

次世代スーパーコンピューターは、すでに諸外国で成功例のあるスカラ型スーパーコンピュータを志向しており、革新的イノベーションとは言い難いところがあります。しかし、「いま実現できる最高のシステムを作る」という点で開発価値があります。

・・・まだ『MAGI』は目指せないの?
『MAGI』とは、新世紀エヴァンゲリオンに登場する架空の第七世代コンピュータ。使徒の識別、人造兵器エヴァンゲリオンによる作戦のシミュレートなど、人類補完計画の重要施設である第3新東京市を守る頭脳であり、同市の基本的な都市機能もカヴァーするものとして描かれました。

劇中の『MAGI』は、人間の脳の形をした3基の有機スーパーコンピュータで構成され、開発者である赤木ナオコの人格をOSとして搭載。それぞれに「科学者としての赤木ナオコ」「母親としての赤木ナオコ」「女としての赤木ナオコ」という異なる思考傾向を有し、「1基から提訴された案件について、他の2基が可決・否決・保留のいずれかで回答。『MAGI』としての合議結果を返す」ようになっています。

コンピュータの世代は、第一世代がリレースイッチ、第二世代が真空管、第三世代が半導体(トランジスタ)、第四世代が集積回路(IC)と位置付けられています。一般的に使われているパソコンは、第四世代ということになります。

『MAGI』のように人格、それも人間が頼りにするほど高度な知能を表すコンピュータが、どの程度まで高度なハードウェアで実装できるものなのかは分かりません。
しかし、半導体ウエハーに回路図を印刷して作る第四世代は、IC、LSI、VLSI、ULSIへと高性能化・微細化が進む中で、その限界が予想されるようになっています。最新のLSIにおける回路線の最小幅は250ナノメートルですが、2010年代には50ナノメートルでの競争へ突入。またその50ナノメートルは、回路を走る電子を設計の思惑通りに振る舞わせることのできる限界だろうと見られています。

『MAGI』でなくとも、量子コンピュータへのチャレンジは?
かつて、日本の「国家的コンピュータ開発プロジェクト」は、失敗ばかりでした。1998年に着手された『地球シミュレータ』は、数少ない成功例ともとれます。

1982年から10年間で総額570億円かけた第五世代コンピュータの開発は、旧通産省は人間を人工知能を作るといった大風呂敷を広げていたものの、開発指揮をとった淵一博氏らは「並列推論マシン」の開発として活動。新産業や画期的な応用は生まれることなく、プロジェクトは解散。
ほぼ同じ時期の1985年~95年で総額250億円かけたというソフトウェア開発のネットワーク構築を掲げたΣプロジェクトも、利権の絡むハードウェア選定や箱物行政に成り下がって失敗しています。

しかし、『次世代スーパーコンピューター』でめざすのが、「量子コンピュータ」ではなく、「最高のスカラ型スーパーコンピュータ」という方向性にはいささか疑問を感じます。

量子コンピュータとは、1980年代に推測されたもので、量子力学を応用したもの。
従来のコンピュータでは「1ビットにつき、0か1の何らかの片方の値しか持ち得ない」のに対して、量子コンピュータでは“量子ビット”により、「1ビットにつき0と1の値を、任意の割合で重ね合わせて保持することが可能」であることから、圧倒的な高速化が実現されると見られています。理論上、現在最速のスーパーコンピュータで数千年かけても解けない計算でも、数十秒でこなせるはずだと予想されています。

失敗の歴史があるとはいえ、「最高のスカラ型スーパーコンピュータ」ではなく「量子コンピュータへの挑戦」であれば、より高い評価が得られるのではないでしょうか?


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関連記事
次世代スパコン概算要求維持へ 菅副総理、「仕分け見直し」
(共同通信 11/22付)

菅直人副総理兼国家戦略担当相は22日、NHK番組で、行政刷新会議の事業仕分けで大幅削減とされた次世代スーパーコンピューター開発予算に関し「政策判断は政治的に行う。科学技術分野は見直すことになるだろう」と述べ、概算要求を維持させる考えを示した。

2009年度概算要求で267億円の開発予算は事業仕分けで「予算計上見送りに限りなく近い削減」と判定された。作業を統括する民主党の枝野幸男元政調会長はフジテレビ番組などで「経済効果がきちんと説明されていたら、今の結論にならなかった」と政府の説明不足を指摘。「刺激的に判定したことが前向きの議論につながる」として、問題提起の意義を強調した。
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千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
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ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
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ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

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