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「避難の種牛6頭クロなら…」宮崎畜産の危機 ・・・初手を誤ったかもしれんねぇ

「避難の種牛6頭クロなら…」宮崎畜産の危機
(読売新聞 5/17付)

宮崎県で発生している家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題は、宮崎牛のブランドを支える種牛49頭の殺処分にまで発展した。

残る種牛は直前に避難させた6頭のみ。

JA宮崎中央会の羽田正治会長は16日の記者会見で「もし、(残る)6頭がクロであれば、宮崎の畜産は終わり。種牛を育てるのは7、8年はかかる」と沈痛な表情で話した。

県の発表によると、発生例(疑い例も含む)は同日現在で、1市3町の計111農場に拡大し、殺処分される家畜は計8万5723頭になった。殺処分される種牛49頭は、県家畜改良事業団で次世代のブランドを担う若い牛が中心。

口蹄疫は発生すると、家畜伝染病予防法に基づき、発生地周辺は家畜の移動が原則禁止される。しかし、最優秀の6頭は宮崎牛の生産に欠かせないため、県の要請を受けた国が特例で移動を認め、13日に同事業団から約20キロ離れた西都市へ避難した。

同事業団で感染した疑いの牛が見つかったのは14日。6頭は、移動前の遺伝子検査で感染していないと判定されたが、ウイルスは潜伏期間があり、感染している可能性もあるという。このため県は15日から1週間にわたって遺伝子検査を行い、その後も経過観察する。

宮崎牛は全国トップクラスの肉質とされ、ブランド価値を維持するため、種牛の精液は県内だけで流通させている。宮崎県は鹿児島、北海道と並ぶ全国屈指の和牛子牛の供給基地でもあり、年間約8万頭の子牛が出荷され、うち約半数は県外で松阪牛や佐賀牛などとして肥育される。現在、人工授精用の凍結精液は15万3000本あり、県は約1年分の人工授精は賄えるとみている。

※口蹄疫・・・口蹄疫ウイルスの感染による急性熱性伝染病で、病名は発病動物の口、ひづめ及び乳房周辺の皮膚や粘膜に水疱が形成されることに由来する。

口蹄疫による家畜の致死率は、幼畜では50%を越えることがあるが、成畜では一般に低く数%程度。しかし、ウイルスの伝染力が通常のウイルスに類を見ないほど激しく、感染した家畜は産業動物としての価値を失うため、日本でも口蹄疫は家畜の法定伝染病に指定されている。

伝染力が強く、牛、豚などの家畜や野生の偶蹄類動物が感染する。犬、猫、鶏、ネズミ、野鳥などの非感受性動物による機械的伝播や、汚染された飼育器具、機材、飼料、人、車両などを介した間接的な伝播も多い。
人への感染はないといわれている。

口蹄疫流行とその対応概要
宮崎県で最初の口蹄疫感染と思われる個体が出たのは、3月31日ないし同26日。ただし当時は、口蹄疫の可能性を疑われることなく、精密な鑑定も行われませんでした。

事態が動き出すのは4月に入ってから。4月9日、16日と立て続けにイバラキ病などに似た症状を見せる牛が確認されたため、鑑定へ回したところイバラキ病などは陰性。ここでようやく、同じような症状を示す「口蹄疫」への感染が疑われるようになり、『家畜伝染病予防法』に基づく対応が始まります。

4月20日、宮崎県は当該農家から半径10キロを移動制限区域、半径20キロを搬出制限区域に指定し、消毒ポイントを設置して感染拡大の防止を開始。4月25日までで、殺処分予定は1108頭に上ります。

しかし感染確認の拡大は収まることなく、4月28日に国際連合食糧農業機関が“アウトブレイク”と発表。4月30日、相次ぐ感染報告から移動・搬出制限区域が宮崎・鹿児島・熊本の3県へに拡大されます。

翌5月1日に宮崎県は、自衛隊に災害派遣を要請。「感染経路の究明は、国でなければできない」との東国原宮崎県知事らの要望を受けて、政府も動き出します。

現在7種類の型が確認されている口蹄疫ウイルスのうち、今回のウイルスが、最近アジア地域で流行しているものと近縁であることが確認されたのは5月4日のこと。

現場から上がってきた声は感染経路・金銭支援
5月6日、九州地方知事会が国に出した要望は、国に迅速な蔓延防止対策や口蹄疫ウイルスの感染源、侵入経路の特定。また、家畜が出荷できない農家や殺処分を余儀なくされた農家への経済的支援など。

5月7日に宮崎市を訪れた小沢民主党幹事長へ、東国原宮崎県知事が求めたことも、ウイルスの侵入経路の早急な解明、抜本的な予防対策、畜産農家などの被害を補償。

5月13日、九州市長会が決議した要望は、患畜の処分・埋却に伴う費用負担など支援制度の拡充、収入が途絶える農家に対する一時金の給付、畜産業者への日本政策金融公庫による無利子融資など。

つまり、地元が求めたのは「ウイルスの出所の究明」と「家畜を失うことによる損失の補填」。

でも、行政の“初手”としては誤りだったかもしれません
畜産家の側から見れば当然の発想であるものの、それに行政が乗って“初手”を打つのは誤り。感染経路などはDNA型が解れば推測できるため放っておいても良く、損失補填も事態が収束するまでどうせ出荷は止まわけですから、行政にとっては後回しで良いわけです。

行政が打つべき“初手”は、「防疫措置の広域展開」でしょう。

「犬、猫、野鳥なども媒介になる口蹄疫を止めるため、最初からヒト・モノを最大投入した限界の広さで消毒ポイントを設定。畜産、一般車の区別なく消毒措置を開始」「感染確認畜産農家から県周縁へ向かう立入調査を1~2隊編成し、感染確認済み地域を拡げる。県周縁から感染確認畜産農家へ向かう立入調査部隊を3~4隊編成し、感染確認済み地域を拡げる」など。

一般論として、初手から過大な防疫を打つことが必要
畜産農家にとって牛や豚は、財産であり、唯一の収入源。それを殺処分するということは、製造業なら工場を潰すのと同じようなもの。「家業を潰すかどうか?」の選択を迫られるわけですから、口蹄疫感染が確定しても、その事実を納得するまでにも相当の時間を要するでしょう。

ということは、『家畜伝染病予防法』を運用する行政において、最初の一報を受けた時点で「手遅れを察した処置」を組み込むのが妥当だと考えられます。だからこそ、行政の“初手”は「防疫措置の広域展開」。

市議会・県議会・国会議員もいるわけで、予算的手当は、そちらに丸投げしてよいことです。行政は、1戸1戸の畜産家を潰すかどうかの判定をしている最中ですし、こういう時こそ、役割分担でしょう。

前代未聞の大流行 多分、まだ国側の危機意識は弱い
奇しくも、2000年に日本で92年ぶりに口蹄疫が確認されたのも宮崎県でした。その時に最初に口蹄疫が疑われる牛の発見(3月12日)から、感染確定、疑い例を含めた殺処分を経て、家畜の移動制限解除(6月9日)までに3カ月の時間を要しています。00年の時に口蹄疫が確認されたのは、宮崎県で3戸、北海道で1戸のみ。

ですが、今回はたった2カ月で1市3町の計111農場へ拡大し、殺処分される家畜は計8万5723頭。まさに前代未聞の危機的状況だと言えます。

00年に北海道を含めてたった4戸を静めるために要したのが3カ月間。単純な掛け算だと、今回の大流行は、およそ収束の目処が立てられません。

宮崎の子牛は、将来、高級松阪牛や佐賀牛などへ育てていくための子牛。雌牛の発情期・妊娠期間は変わりませんから、ほかの道県が代わりに増産できるものでもなく、黒毛和牛飼育・供給へ与える影響は計り知れません。

その「計り知れない影響」を小さくする手段は、防疫のみ。
結局いくらになるか解らない金銭的手当は、今はどうでもよいので、とにかく人的、物的手当を最優先。自衛隊員の投入、かき集められるだけの消毒剤を投入し、口蹄疫の感染拡大を一刻も早く止めることに注力する必要があるでしょう。


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関連記事
口蹄疫被害で首相、1000億円投入を指示
(読売新聞 5/17付)

鳩山首相は17日昼、赤松農相と首相官邸で会談し、宮崎県で感染が拡大している口蹄疫被害への対応として、2010年度予算の予備費から1000億円を充てるよう指示した。

「口蹄疫防疫対策本部」の本部長も農相から首相に格上げし同日夕に会合を開く予定だ。

首相はこれに先立ち、筒井信隆衆院農林水産委員長(民主)らと会い、家畜伝染病予防法の改正か特別措置法の制定を早期に検討する考えを明らかにした。また、自らの宮崎訪問も検討する意向を示した。

平野官房長官は17日午前、農林水産省の山田正彦副大臣を長とする対策チームを編成、現地に常駐するよう指示した。

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参考記事
◆わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構)
↑2000年に宮崎県で発生した案件の事後検証
◆口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針(農水省・2004年)
◆口蹄疫ウイルスと口蹄疫の病性について(村上洋介)
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鮎滝 渉

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千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
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ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
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