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EV充電インフラレポート 世界標準への課題は“使い勝手” ・・・佐藤可士和氏に参加いただいては?

EV充電インフラレポート 世界標準への最大の課題は使い勝手
(レスポンス 5/26付)

【レスポンス 井元康一郎】三菱自動車『i-MiEVi』を使ったエコラン大会で、実際に急速充電を繰り返すドライブを体験した。EV普及において最重要課題のひとつとされている急速充電器のインフラだが、今回のコースとなった東京-神奈川間では現段階でも数の上では不足はないように思われた。早急な改善が必要と感じられたのは、その使い勝手だ。


第一の問題は、ガソリン給油機のノズルに似た充電プラグをソケットに差し込むのが非常に困難であること。少し力を込めればスポッとはまるようなものではなく、どこかが折損するのではないかと心配になるくらいグリグリと押す必要があるのだ。
また、急速充電の大電流に耐えるため、ケーブルもガソリン給油機より太く、重く、硬い。力の弱い女性や高齢者が自分で操作するのはかなり難しいように思われた。重いケーブルとプラグを簡単に動かせるようにするため、ガイドアーム方式にしたり、ソケットを小さい力で確実に挿入できるような形状に変更するといった改善は必須だ。

↑急速充電用のノズルは非常に重く、硬い。給電口へ差し込むのもひと苦労だ


接続時のプラグ操作法にも違和感がある。取っ手に可動式のレバーがあるのだが、挿し込むときにはそのレバーを握らずに挿入し、完全にはまってからレバーを握って抜けないように固定するという手順となっている。給油口にノズルを入れてからレバーを操作する給油機に似せたつもりなのであろうが、充電プラグを固定するという操作の場合、人間工学的には握って挿入、リリースして固定という、一般の機械におけるロック操作と手順のほうがはるかに自然なのだ。

↑急速充電器のノズルは、差し込んでからレバーを握るという仕様


正直に言って、使い勝手はガソリン、軽油、灯油のセルフ給油とは比べ物にならないほど悪かった。急速充電器の規格化を推進しているチャデモ協議会会長の勝俣恒久東京電力会長は「この方式を世界標準にしていきたい」と意気込んでいたが、そのためにはまず、このユーザビリティを早急に改善するべきだ。説明がなくとも、誰でも、気軽に使う事ができなければ、日本だけでなく世界での標準化などとても見込む事はできない。

また、実証実験段階であるとはいえ、充電の操作法や車両情報をユーザーに知らせるグラフィックインターフェイスの出来も非常に稚拙に感じた。屋外に置かれているのに、液晶はグレアが激しく、ちょっと日射の方向が悪いと情報を読むのにも一苦労。グラフィック自体も解像度が低く、10年以上前のDSTN液晶でもここまで低品位ではないという表示品質だった。

↑急速充電器の液晶画面。光の加減によっては非常に読みづらい


情報表示は電池残量が棒グラフで大まかに表示されるだけで、パーセンテージや電力量など、具体的な数値は一切なし。充電残時間も、充電開始直後はほんの10%未満の充電に14分ほどもかかると表示され、それがあっという間に8分、6分と短くなっていく。まるでインターネットのファイルダウンロードの残時間のようなデタラメさだ。

もっともインターフェイスについては改善は決して難しいものではない。
現在試験導入されているENEOSの急速充電器では、充電器本体とは別に、操作も情報表示もNECと共同開発した高度なタッチパネルインターフェースを用意するといった工夫がされており、他の充電設備にも応用していくことは可能だ。問題はやはり充電作業にかかわる部分の洗練。ダメなシステムがいったん普及してしまうと、その更新には膨大なエネルギーを要する。それだけに、対策を急ぐ必要がある。

↑大画面液晶タッチパネルを採用するENEOSの充電器

↑横浜の日産本社に設置されている急速充電器


・・・佐藤可士和氏に参加いただいては?
日本式の急速充電器を世界標準にすると意気込んでいる』という記事を2月に書きましたが、井元氏のレポートを見て愕然としました。「全然、ダメじゃん・・・」

日本のものづくり現場は、まだ懲りてないのでしょうか?
現在進行形で、スマートフォン市場においてiPhoneに押されている最中ですよね?

ファンが多い一方で、毛嫌いするユーザーも多いiPhone。しかし、東京マラソンでiPhoneと3G回線を使って実況ランナーを試みた英国人が「3G回線の速度が故郷よりも速い」「日本の3GとiPhoneで、人生が変わった」と感想を寄せるなど、優れた端末であることは間違いありません。

日本の多機能携帯電話は、「メーカー各社の競争が行き過ぎて、日本では売れても外国では売れない“日本のガラパゴス化”を生んだ」と評されていました。その裏には、「日本のケータイはどこにも負けない」という意識もあったはずですが、スマートフォン市場は米国からやって来たiPhoneが席巻。すでにスマートフォン市場における日本メーカーは、「iPhoneを超える機種を出そう」という“追う立場”に転落してしまっています。

電気自動車(EV)は、日本企業でも重要視している分野。佐藤可士和氏など、ユーザーの使い勝手の重みを理解しているデザイナーを起用してはどうでしょうか?

ユーザーにとっての使い易さを重視すべし
これが“洗練されたデザインの威力”です。
ユーザーにとって使い心地が良いものは、圧倒的な支持を得られます。実験段階だからと言って、試作品室からそのまま出てきたようなものでシェアを獲れるなら、誰も苦労はしないでしょう。

世界標準策定の関係者はいずれも専門家だから、技術的な確かさを見てくれるはずだと思っているのかもしれません。が、ものづくりの作り手としては、それは甘えですよね? 売れるもの、普及するものを作ることがものづくりであって、直感的に解る完成度合い、洗練度合いは大きな要素です。

外見で言えば、日産本社に置かれているものなどは「近未来のイメージをどうやって表現するか?」というところまで考えられており、試作品室から直ではない余裕は存在しているわけです。プラグインHVが注目されるのは、家庭用コンセントを思い描いて、その使い易さが伝わるからです。

“人間工学”という研究分野もあるわけで、世界標準を獲りに行くのなら、相応の注力というものがあるのではないでしょうか?


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鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
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ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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