中小企業診断士をめざしつつ、日々のニュースやおススメ本など話題を提供。「突然スピーチを頼まれた」「ちょっと小生意気な話」など話のネタにしてください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

増税は日本たたき売り誘う―編集委員・田村秀男 ・・・デフレの責任を橋本内閣にまで遡るの?

増税は日本たたき売り誘う、市場にへつらう愚―編集委員・田村秀男
(産経新聞 6/20付)

◆さらなるデフレの危険性
菅直人政権も民主党も、消費税増税に傾いている。野党の自民党は消費税率を10%にせよ、ともっと踏み込む。ギリシャ財政危機の惨状にあわてふためき、財政規律を確立して「市場の信認」を得るようにしようというわけである。
だが、ちょっと待てよ。増税しても財政が健全化するとはかぎらない。金もうけのためなら、国を売ることも辞さない投機家がリードする「市場」が静かになるはずもない。

一国の経済というものはヒトのからだと同じような生き物である。一部分を下手にいじると全体の調子が狂い、ついには死病にかかる。

ところが、財務官僚は経済実体よりも単年度の予算のたし算、引き算にばかり神経をすり減らすのがならいである。増税すれば税収が増え、財政が健全化する、とこのエリートたちが考えるのを責めても仕方あるまい。不可解なことに経済学のプロであるはずの学者の多くが増税に賛同する。メディアも世論も後を追う。そこで政治家がその言いなりになったら、日本全体が大災厄に見舞われる。


バブル崩壊後の不況から立ち直ってきた1997年度、ときの橋本龍太郎首相は消費税率を3%から5%に引き上げた。この結果、98年度の消費税収は、96年度に比べ4兆円増えた。

ところが、所得税収は2兆円、法人税収は3.1兆円の減収となり、消費税増収分は吹っ飛ぶどころか、アシが出た。日本は物価が下がり続け、物価下落以上の速度で所得が落ち込んでいくデフレのわなにはまったからだ。デフレから抜け出せないま、2008年には世界金融危機「リーマン・ショック」の荒波を受け、一般会計全体の税収はデフレ前に比べ15兆円も減った。菅首相には、このグラフをよくみてもらいたいところだ。

◆米国は既に方向転換
増税論を勢いづかせているのが、「市場の信認」というカラ念仏である。白川方明日銀総裁もこの常套句を使い、「財政規律」を目指せと連呼する。確かにごもっとも。だが、いったい「市場」なるものの正体とは何か。

市場とは、古典経済学の元祖であるアダム・スミスも、現代経済学の巨頭であるJ・M・ケインズも投機の場だと見てきた。英語の投機はラテン語の「斥候」という意味から発している。古代ローマの時代から、投機とは相手のスキを偵察し、金もうけすることである。現代の投資ファンドや証券ディーラーは、運用規模を膨らませると同時に、材料を探しては売買を盛んにすることで莫大な利益をむさぼる。

投機を容易にするのが、損失のリスクを引き受ける保険にしたのが「デリバティブ(金融派生商品)」である。ヘッジファンドという投機家集団により天文学的に増殖したデリバティブが突然消えたから、世界金融危機が起きた。そこでさすがに、市場の本家である米国でも金融界の大御所、P・ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長の提唱で、ヘッジファンドを対象にした市場規制に乗り出そうとしている。米国は「市場の信認」を気にするどころか、市場を押さえつける方向に転じている。

◆日本国債相場は安定
日本政府や日銀関係者、さらに有力経済メディアも実に自虐的である。

「公的債務残高が国内総生産(GDP)の2倍近くにもなる日本は市場の標的となり、ギリシャの二の舞いになる」と盛んに警告する。ところが、現実は逆で日本国債は買われ続け、長期金利は下がっている。

日本国民が国債の95%を安定保有しているだけではない。日本は、対外投資収益でも黒字を増やしている世界最大の債権国である。経常収支が大幅な赤字で国債の7割を外部に頼るギリシャを重ね合わせようとは、世界の投機家も思ってはいない。それなのに、自ら「わが国債は暴落するぞ」と騒ぐ。「オオカミよ、来い」とでも言うのだろうか。

米国の場合、ギリシャ危機に端を発したユーロ圏の動揺とともに、世界の余剰資金がドルに回帰している。赤字国債を大量増発している米国が投機家の「信認」を受ける。米国は泰然として、デフレ回避のためにドル札を垂れ流し、需要喚起のために財政支出を増やし続けている。目標を明確にしたぶれない政策に市場は従順だ。

こうみると、増税によりデフレ病を悪化させることの方が恐ろしい。上記の通り、国債相場は日本国民が見放さない限り安泰だろうが、株式は外国勢の投機攻勢にさらされている。デフレのために、国内の企業収益基盤は弱い。頼りは外需だが、円高になれば収益は一挙にしぼむ。そうすると円と日本株をたたき売り、売却益を稼ぐ。日本はそんな「市場」に翻弄され、疲弊していたのがこの20年である。

増税は日本にとどめを刺す。与野党はこの一点を肝に銘じるべきだ。

・・・デフレの責任を橋本内閣にまで遡るの?
「バブル崩壊後の不況から立ち直ってきた1997年度、ときの橋本龍太郎首相は消費税率を3%から5%に引き上げた。この結果、98年度の消費税収は、96年度に比べ4兆円増えた。ところが、所得税収は2兆円、法人税収は3.1兆円の減収となり、消費税増収分は吹っ飛ぶどころか、アシが出た」

田村氏のこの指摘は正しいでしょう。
しかし、「2000年度に所得税収が19兆円に迫った要因は? 消費税は、ずっと5%のままですよね?」と疑義を呈したくなります。さらに言わせてもらえば、「50代、60代は、このまま日本の借金を増やすだけ増やして引退? それって、子や孫に対してどうなの?」と思います。

消費税率引き上げによる増税をやらないならやならいで、定年を一気に75歳へ引き上げて所得税収を増やすなどの歳入増の代替案は必要でしょう。2010年度本予算は史上最大の93兆円で、その歳入は国債発行で44兆円、埋蔵金の取り崩しで10兆円という状態。日本の国債消化が、ほとんどを日本国内の銀行や個人投資家で賄われているとはいえ、このような異常事態は継続できるものではありません。

さらに田村氏の言で疑義を感じるのが、「頼りは外需だが、円高になれば収益は一挙にしぼむ。そうすると円と日本株をたたき売り、売却益を稼ぐ」という点。
円がたたき売られると言うことは、円安へ誘導されるということであり、外国建てによる日本製品価格が下がって外需は回復します。外需が回復すれば、貪欲な投機家による割安な日本株の買い戻しが起こり、次の売り時まで保有が継続されるはずです。

通常、経済論理は1つの局面で長く停滞することはないと考えるわけで、日本がたたき売られてすべて終わりという田村氏の帰結には賛同しかねます。

主因は、国産品が安い外国製品に押されるという経済史の常
鮎滝は、デフレーションの主因は、日本人が日用品や衣料品にお金をかけなくなったライフスタイルの変化だと考えています。

日本人に100円ショップやファスト・ファッションで済ませるライフスタイルの変化が定着したことで、企業はそうした安値品の販売を実現するため、中国やベトナムといった外国工場へ生産拠点を移転。「安い外国製品の大量流入によって、国産品が市場から追いやられる」という、経済史の常の繰り返しです。

橋本内閣の消費税率アップは、一つのきっかけかもしれませんが、小渕内閣で所得税収が上がったことを考えればすべての原因とは言えないでしょう。

重化学・電子工業の人材吸収力も上限の知れている
さらに昔と異なるのは、軽工業での廃業・失業によって労働市場に溢れた人材を、成長分野である重化学工業が吸収するという転業・転職が生じないこと。

韓国のサムスングループほど大きくないのに、日本の重化学・電子工業の再編が加速することもなく、その人材吸収力は上限の知れている状態。日本国内の日用品・衣料品生産業は、ただただ仕事を失って廃業・転業し、もっと日用品・衣料品にお金をかけなくなるという負のスパイラル。税収面でも、企業所得からの法人税収、企業で働く労働者の労働所得からの所得税収は縮小を止められません。

二昔前なら「課長は課長らしく」「部長は部長らしく」と言ったものですが、そういった高付加価値選好の消費志向も「しなくてもよいもの」となっています。 “日本市場”の支え手が一斉に選好を変えてしまったことで、企業は「安くて、そこそこの商品」を主戦場に選び、利幅の大きい分野をなかなか切り拓きにいきません。

日本経済の停滞を生んでいるのは、総リスク回避志向
日本のテレビ製造メーカーによる、液晶テレビから有機LED、3Dテレビへという動きは比較的早かったと評価できるかもしれません。

しかし、鮎滝は「安牌を切っただけ」だと思っています。消費者が大して連動しなかったこと、地デジ対応直後での新製品投入という状況を思えば、ちゃんとリスクを負っていたとも言えます。けれども、3D映画『アバター』の成功を受けて煽られたものであること、あっという間にサムソングループが追いついてきたことを思うと、安牌だったというのがより妥当ではないでしょうか。

今回の米国ゲームショーにおいて、任天堂はディスプレイに3Dを採用したハードウェア“3DS”を発表しましたが、オンライブ社はゲームハードウェアに依存しない“クラウドゲーム”を発表しました。

この“クラウドゲーム”は、任天堂などが採っているハードウェアによる売上と、そのハードウェアに合わせたソフトウェアを作るソフト・メーカーからライセンス料を徴収するという、任天堂型ビジネスモデルへの挑戦だと言えます。また「ゲームのコアはソフトウェアの面白さにある」という特徴を掴んだ、「あのソフトがこのハードでも遊べたらいいのに」という顧客ニーズをよく観ているアイデアだと思います。

鮎滝は、真のリスクとは、勝ち組の牙城を打ち砕くような商品・サービスの提示だと思っています。その延長において、鮎滝にとっての3Dは、ビジネスモデルをひっくり返すほどの衝撃は持ち合わせていない安牌です。

「任天堂は3Dにとどまり、オンライブ社はクラウドゲームまで踏み込んだ」
ここに日本経済の現状が表れているように思います。


――――――――――――――――――――――――――
関連記事
時代を変える? 「クラウドゲーム」の「オンライブ」が注目、米ゲーム見本市
(産経新聞 6/18付)

米国ロサンゼルスで15~17日まで開かれた世界最大規模の家庭用ゲーム見本市「E3」で、任天堂の「Wii(ウィー)」など大手メーカーのゲーム機が注目される中、ベンチャー企業の新たな“ゲーム機”が耳目を集めた。

これは、米カリフォルニア州に本社を置くベンチャー企業が手掛ける「オンライブ」というサービス。ネットワーク経由でソフトウエアなどのサービスを利用する「クラウドコンピューティング」の手法を活用し、高価なゲーム機を使用せずにパソコンやテレビで高品質のゲームを楽しむことができるのが売りだ。新たな“クラウドゲーム”がゲーム機の世界を変えるのか、ゲーム業界の注目も高まっている。

オンライブは、利用者のパソコンやテレビにインターネットでゲームを配信するサービス。パソコンなどに小型の専用受信機を取り付けるだけで、ダウンロードと再生を同時に行うストリーミングの手法でゲームを遊ぶことができる。利用者は、オンライブに対して登録料を支払う程度で、高額の専用ゲーム機などを買う必要がなく、新たなゲームの形になるとの見方が強い。

E3会場に置かれた試遊機を体験してみたが、動きはとてもスムーズで途切れるようなこともなかった。オンライブの担当者は「機能面で従来のゲーム機に遜色はなく、利便性ではすべての面で勝る」と自信を見せた。

ソフト会社の注目も高い。米ソフト大手のEAのほか、日本でもカプコンやセガなど大手どころがソフト供給会社として名を連ねている。欧米を中心に人気の「アサシンクリード」などの有力タイトルの投入が表明されており、セガの鶴見尚也常務は「ソフト会社としても注意しておかなければならない存在だ」と前向きな取り組みを表明した。

オンライブは、17日夕(日本時間18日午前)にパソコン向けにサービスを開始し、テレビ向けについても近々の開始を計画している。既に22ソフトを取りそろえ、今後もラインアップを強化していく。日本での展開については「現時点では不明」(担当者)というが、米国初のクラウドゲームの余波が日本に届くこともそう遠くなさそうだ。
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
アクセスカウンター
プロフィール

鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

スポンサー広告
↓あなたもブログ始めるなら↓ 無料blog

↓アフィリエイト始めるなら↓ アフィリエイト・SEO対策

↓英会話を始めるなら↓ 英会話スクールWILL Square

↓アクセスアップなら↓
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
ブログランキング参加中
応援してやってくださいm( _ _ )m
↓ワンクリックお願いします↓


ブログランキング・にほんブログ村へ

にほんブログ村 ニュースブログへ

にほんブログ村 本ブログへ

にほんブログ村 漫画ブログへ

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ

本を買う
↓楽天ブックスを使う↓

---------------------------
↓アマゾンで商品検索↓

---------------------------
↓ベストセラー本のご紹介↓
カテゴリー
最近の記事
ブログ内検索
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
RSSフィード
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。