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日銀、資金供給拡大へ 30兆円視野 円安誘導図る ・・・これにGM再上場を加えれば

日銀、資金供給拡大へ 30兆円視野 円安誘導図る
(産経新聞 8/19付)

円高・株安に対応するため政府が20日の経済関係閣僚会議から検討に入る追加経済対策と並行して、日銀も追加の金融緩和策の検討に着手することが18日、分かった。企業の資金調達を後押しし、景気下支え効果が期待される「新型オペレーション」(新型オペ) の拡充が有力視されている。来週に予定される菅直人首相と白川方明(まさあき)日銀総裁との会談前に「臨時の金融政策決定会合で決めるのではないか」との声も出ている。

選択肢として昨年12月に日銀が導入した、年0.1%の固定金利で貸出期間3カ月の資金供給を行う新型オペの規模を、現在の20兆円から30兆円に増やす案が浮上。期間を3カ月から6カ月に伸ばす可能性もある。1年以内の短い間、資金を調達する短期金融市場の資金を増やすことで金利をさらに下げる効果を狙うとみられる。

日本と欧米との金利差が広がれば、外国為替市場で円は売られやすくなる。追加的な金融緩和策で円安誘導が期待されるほか、企業が設備投資資金を借りやすくなったり、住宅ローン金利の低下など個人消費への刺激も見込まれている。

今月10日の金融政策決定会合で「企業業績は好転している」(白川総裁)との判断を示した日銀だが、財政難から政府の追加経済対策の中身が薄いだけに、日銀内には「追加緩和のカードはなくならない」との見方が強い。「週内に追加緩和策を決める」(市場関係者)との観測が浮上する背景には昨年12月、白川総裁と鳩山由紀夫首相(当時)が会談する1日前に日銀が臨時会合を開き、新型オペの導入を決めた経緯があるようだ。

ただ、今年3月に新型オペの規模が10兆円から20兆円に引き上げられた後も1年物の短期金利は0.1%前後のまま動いていない。「底を打った政策金利は上がりも下がりもしない」など、一部の市場関係者には追加緩和の効果を疑問視する向きもある。「日銀と緊密に連携する」(野田佳彦財務相)といった発言が相次ぐ中、中央銀行としての日銀の独立性は「絵に描いたもち」との批判も高まりそうだ。

※新型オペレーション・・・市場金利の誘導を目的とする日銀の金融調節のひとつ。短期金利の低下を促すため、年0.1%の固定金利、期間3カ月の資金を短期金融市場に供給する。急激な円高と株安で景気が悪化する恐れが高まったのを受け、昨年12月の臨時金融政策決定会合で導入した。今年3月、資金規模を10兆円から20兆円に拡大した。

・・・産経新聞の経済担当は素人でしたっけ?
上記記事に署名がないため、産経新聞の誰が書かれたかは分かりませんが、「日銀の独立性」というものを勘違いされているように思われます。

「日銀の独立性」は、日本銀行を日本国の中央銀行とすることを法的に定義づける『日本銀行法』の解釈から来ています。では、そもそも『日本銀行法』において、日銀の存在はどのように位置付けられているかというと、同法第1条~6条で次のように定められています。

第1条(目的) 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2 日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。

第2条(通貨及び金融の調節の理念) 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

第3条(日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保) 日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。
2 日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。

第4条(政府との関係) 日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。

第5条(業務の公共性及びその運営の自主性) 日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。
2 この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない。

第6条(法人格) 日本銀行は、法人とする。

「日銀の独立性=日本国政府から独立」ではない
ざっくり要約すれば、「日銀は、日本国民の生活が安定するように、日銀が自主的に判断しながら通貨(日本円)の流通量を調整する。ただし、日銀による通貨調整が金融政策の一環であることも踏まえて、日本国政府と緊密に連絡を取り合って両者の整合性をとる」ということになります。

つまり『日本銀行法』は、「日銀の独立性=日本国政府から独立」などとは言っていないわけです。
すると、「中央銀行としての日銀の独立性は『絵に描いたもち』との批判も高まりそうだ」と書いた産経新聞の記者は、自分で日本銀行法を読んだことがないか、中央銀行による金融政策の効果を全否定する「古典派経済学」論者のいずれかだろうということになります。

古典派経済学もケインズが「この経済理論はもう古い、古典派だ」と言ったから古典派経済学と呼ばれているだけであって、現代でも有効な経済理論であり、古典派経済学の立場から中央銀行による市場介入を否定するのは構わないと思います。ですが、記事の論調からすると、単に「日銀の独立性」という単語のみを聞きかじり、その後は勉強を続けてこなかった記者の個人的背景が見えてなりません。

さらに付け加えると、日本銀行法・第19条には、その必要があると認められるときは日本銀行が行う金融調節事項を議事とする会議へ財務大臣などの経済閣僚を出席させて、意見を述べさせることが出来ると定められています。

中央銀行の独立性は、歴史的な経験則
そもそも、「日本銀行が日本国の中央銀行である」と言うことは『日本銀行法』という、日本国国会で定めた法律によって定められたことであり、日銀が政府からも国民からも無縁であるということは論理的に成立し得ないことです。「話を簡単にするために、政府が“政府紙幣”を発行すれば良いじゃないか」という意見があるぐらいです。

それにも関わらず、米国の連邦準備銀行(FRB)や英国のイングランド銀行のように、政府とは別に中央銀行を置いている理由は、歴史的な反省から来ています。

戦中の日本や開発独裁国家に見られるように(最近では、ハイパーインフレを招いたジンバブエやデノミに失敗した北朝鮮が良い例でしょうが)、政府が政府紙幣を発行したり、政府の言いなりで紙幣が刷られたりすると、しばしば、政府による経済政策の失敗を隠すための紙幣増刷が行われます。

ただの紙切れに紋様を印刷しただけの紙幣が経済的価値を持つ理由は、印刷技術のすばらしさに対する評価ではなく、紙幣の発行元が持つ「信用」に由来しています。従って、経済政策の失敗による増刷などという何の信用の裏付けもない通貨発行など、一般庶民の生活を「紙切れで物を売ってくれ」という状態にするようなことであり、経済をますます混乱させるわけです。そのような状況で通用する経済活動は物々交換だけであり、企業間の信用取引など成り立たなくなります。

そうした事態を避けるべく、政府から通貨量を調整する金融政策を切り離して、政府による経済政策の失敗は「政府の失敗」として露見し、為替相場や輸出入の活性度合といった経済活動の中で評価・吸収されるようにしようと考え出されたのが、中央銀行の独立性や中央銀行の自主性と呼ばれる概念です。

日銀による「日銀の独立性」の解釈
当の本人である日銀が「日銀の独立性」をどのように解釈しているかというと、日銀のホームページには次のように書かれています。

――過去の各国の歴史を見ても、中央銀行の金融政策にはインフレ的な経済運営を求める圧力がかかりやすいことが示されています。物価の安定が確保されなければ、経済全体が機能不全に陥ることにも繋がりかねません。

こうした事態を避けるためには、金融政策運営を、政府から独立した中央銀行という組織の中立的・専門的な判断に任せることが適当であるとの考えが、グローバルにみても支配的になってきています。

日本銀行法において、独立性確保がはかられているのは、こうした考えによるものです。――

「政府から独立した中央銀行という組織の中立的・専門的な判断」の結果、日銀が政府と歩調を合わせることを選択し、金融緩和政策に踏み切る、具体的には、民間金融機関から日本国債を買い取り、日本銀行券を代金として支払うことで民間金融機関の手持ち現金を増やす買いオペ等を行うことは当然のオプションです。

そこで「いや。日銀は日本国政府と独立していなければならないから、共同歩調は取らない」などと形式的判断を下したなら、中央銀行としての専門的な判断など何処にもなく、経済情勢に対する客観的な考察を欠く恣意的な機関に成り下がってしまいます。

日本のデフレに対し、日銀の是正策は充分だったか?
また、「中央銀行の金融政策にはインフレ的な経済運営を求める圧力がかかりやすい」という文言も2010年8月19日時点では重要であり、現在の経済局面はデフレです。

民間が、自力でデフレーションから脱却することが望ましいのはもちろんです。けれども、日銀が日本円の発行を抑制して民間のデフレ脱却努力を無効化するようなら、これもまた経済情勢に対して日銀は中立的でないと言えるでしょう。

そもそも、2008年の為替相場は1ドル=106円だったわけで、たった2年で20%高くなる1ドル=85円もの円高を放置してきたことについて、日銀の「物価の安定を図ること」という任務を充分に果たしてきたのか? という疑問があります。

米国経済はリーマン・ショックなどで大きなダメージを負いましたが、2年も前のことであり、破産法適用を受けたGMが再上場するところまで回復しています。
一方、ギリシャ危機からEU圏経済は不安定な状態にありますが、ユーロ安を受けてEU圏外への輸出、特に対中国・対インド輸出は好調であり、ドイツの2010年第2四半期のGDP成長率は1990年の東西統一後で最高を記録しています。

好材料が好材料として、悪材料が悪材料として、きちんと評価される経済状況こそ正常。日銀が重い腰を上げて、追加の金融緩和策をとるのは大いに賛成です。


――――――――――――――――――――――――――
関連記事
米GM、再上場を申請=過去最大規模の可能性―実質国有化から脱却へ一歩
(時事通信 8/19付)

【ニューヨーク時事】実質国有化の下で経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は18日、株式再上場に向けた新規株式公開(IPO)を米証券取引委員会(SEC)に申請した。

GMがSECに提出した文書によると、米ニューヨーク証券取引所とカナダのトロント証券取引所に上場する予定。時期は明らかにしていないが、年内には再上場する見通しで、実質国有化からの脱却に向け一歩を踏み出した。

GMは昨年6月に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したのに伴い、上場廃止を余儀なくされた。同社は同年7月に破産法から脱却し、大規模リストラ効果などを背景に、今年に入って2四半期連続で黒字を確保。再上場に向けた最大の前提条件をクリアしていた。

GMに60.8%出資している最大株主の米財務省は、この株式公開を通じて保有株を売却する方針だが、どの程度放出するかは不明。ただ、米メディアによれば、この売却により同省の出資比率は50%を下回る見通しだ。また、17.5%出資する全米自動車労組(UAW)も一部売却する見込み。

売り出し価格も未定だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などによると、総額は100億~200億ドル(約8600億~1兆7200億円)に達するもようで、米国での株式公開規模としては過去最大級になる可能性がある。
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千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
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ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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