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畑作も10a=1万5000円の戸別補償 ・・・フェア・トレード、最低卸売価格設定こそ良策では?

畑作も1万5000円=戸別補償、来年度は1兆円規模―農水省検討
(時事通信 8/23付)

農林水産省が来年度予算の概算要求で検討している戸別所得補償制度の対象拡大で、畑作物の作付面積に対して農家に支払う交付金の単価を、10アール(1000平方メートル)当たり1万5000円とする方向で民主党と調整していることが23日分かった。今年度にコメを対象に先行実施中のモデル事業と同額とする。所得補償関連全体では今年度の事業費5618億円から大幅に増やし、中山間地などへの支援拡充なども含めて9千数百億~1兆円程度を要求する方向で調整中だ。

来年度は、コメの事業を継続するほか、麦、大豆、テンサイ、でんぷん原料用バレイショ、ソバ、菜種の畑作6品目に補償対象を拡大。畜産や酪農は見送り、漁業分野では既存の漁業共済などを活用して収入の変動を緩和する仕組みをつくる。

畑作物への補償は、作付面積に応じて交付する面積払いと、収穫量に応じて支払う数量払いを組み合わせて実施。具体的な制度は、コメのモデル事業とセットで今年度に導入した水田での転作を助成する仕組みを準用する。食料自給率の向上につなげるため、数量払いを手厚くし、増産に努めるほど補償が多くなるようにする。

・・・最低卸売価格設定こそ良策では?
鮎滝は、労働力に対して最低賃金が設定されているのと同じように、農作物にも“最低卸売価格”を設定することの方が良策だと考えています。

理由は2つ。補助金付け農業からの脱皮と農業経営の近代化です。

「日本の農家は、農業だけでは食えない」という話は、よく聞きます。また、農家運営の重要課題である「後継者問題」においても、「農業だけでは食べていけるだけの収入が得られないため、息子や娘に後を継がせられない」「長男に対しても、『大学へ行ってサラリーマンになれ』としか言えず、自分の代での廃業を考える」といった声が聞かれます。

だからこそ、所得の再分配という名の下に、農家へ補助金を出そうということになるのでしょう。しかし、この論理を続ける限り、日本の農家経営はいつまで経っても補助金頼みのままだと思うのです。

「日本で農家が食えないなら、日本での農業は止める」というのも選択肢でしょうが、水田や畑が果たしている自然環境・地盤安定への貢献を考えると、それは難しいように考えます。特に、豪雨被害が増加しているように思われる近年、「村が一つ流された」「里山への手入れを強化すべきでは?」といった条件下では、農業の停止に関しては経済的生産性のみを理由に判断するのは避けるべきでしょう。

補助金付け農業からの脱皮① ―日本の農作物輸出―
アジアにおける「安心・安全・美味」という日本の農作物のブランドイメージを活かして、日本の農作物を「輸出で稼げるメイド・イン・ジャパン商品」にするという動きは、もっと活発で良いと思います。中には日本における店頭価格の5倍の価格が付く物もあり、農家の利益幅は大きく改善する可能性があります。

ただし、農作物輸出は非常に困難であるという認識も重要です。
検疫で引っかかるなどとは思っていませんが、自然を直に相手とし、収穫量が決して安定しない農作物はそもそも輸出入に不向きの商品です。なぜなら、ほとんどの農作物は「年1回の作付けで年1回の収穫」であり、作り過ぎや出荷待ちに対して工業製品のような微調整を行うことはできないからです。

例えば、日本でもともと年間・100万トンの需要がある農作物で、作付面積を増やして年間・10万トンの輸出を可能にしたとしましょう。

平年であれば±何%という店頭価格の上下で話は済み、また大豊作で150万トンの収穫が見込まれたとしても、生産調整や間引きによって対応は可能でしょう。間引きは、一つの果実に栄養が集まることによる品質向上という、思わぬ副産物をもたらすかもしれません。

問題は、日照りや干ばつ、日照不足などによる不作です。
収穫が70万トンとなった場合には、国内需要を優先すべきか輸出を優先すべきかという選択を迫られることになります。外国における日本農作物の位置付けが“嗜好品”なのであれば、「今年は入荷しないんだよ。メイド・イン・ジャパンは貴重だろう?」という口上で凌げるでしょう。

けれども「安定的に入荷できないなら、別に要らないよ」というレベルでしかないのなら、輸出を優先させなければ取引は打ち切り。せっかく開拓した優良販路を失うことになります。来年が豊作でも、輸出先はなくなってしまうでしょう。

日本の農作物輸出が、農家の利益幅を増やす有効手段であることは否定しません。
しかし、輸出に乗せるということは、最終のお客様との距離がそれだけ離れるということであり、工業製品のような安定供給欲求はより強くなります。米国小麦のように、圧倒的な作付け規模に物を言わせる農作物ならともかく、一つ一つに手間をかける日本型農業に適合しているかどうかは、品種によってかなり異なると思います。

補助金付け農業からの脱皮② ―農家間収入保険の充実―
企業における企業労働者に、失業後、再就職するまでの間を傷病手当や技能習得手当、就業促進手当などが受けられる雇用保険があるように、農業にも保険による不作時の収入補償保険があっても良いでしょう。何でもかんでも税金で行う必要はないわけで、「“受益者負担”の名の下で運営される保険制度」を充実させるという手段だってあります。

JA共済というものがありますが、行っている事業は
・医療共済
・終身共済
・養老生命共済
・こども共済
・一時払生存型養老生命共済
・積立型終身共済
・予定利率変動型年金共済
・がん共済
・引受緩和型定期医療共済
・定期生命共済
・傷害共済
・イベント共済
・建物更生共済
・家庭用自動車共済クルマスター
・自賠責共済
と、不作に陥ったときの収入補償や一時借入といった側面は弱いように思われます。

農業経営の近代化① ―最低卸売価格の設定―
かつて日本はコメで政府買取補償制度を行っていましたが、非常に評判の悪い制度でした。最低卸売価格の設定というと、政府買取補償の再来を想起させるかもしれません。

ですが、鮎滝が提唱する「最低卸売価格の設定」は“フェア・トレード”という概念をベースにしています。また、その運用において政府介入は必要としません。

最低卸売価格は、農家の代表と卸売・小売業の代表の交渉によって設定します。要は、企業でいう“労使交渉”の応用です。農家の代表は賃上げアップを要求する労働組合の立場を、卸売・小売業の代表は利益を確保したい経営者の立場を演じることになります。

基本的に農家は食べていけるように卸売価格の値上げを望むでしょうし、多く売りたい卸売・小売業は値下げを望むでしょう。しかし、農家も最終的に売れなければなりませんから妥協の余地がありますし、卸売・小売業も品揃えの充実のために譲歩の余地があります。

いまは、消費者の「1円でも安く」という当然の欲求にそのまま小売業がこたえて卸売業へ要求し、卸売業はそれを上限に青果市場での落札価格を決めている状況。目に見えた不作でもない限り、販売機会を得たい小売業の論理が農家の利益幅を圧縮する構造にあります。

よく言えば市場メカニズムが機能しているとも言えますが、「農家にこれぐらいの利益はいるよね?」「普通、キャベツはこれぐらいでしょう」という適正価格が実現されているかは、かなり疑問です。なぜなら、農家が適正な利益を確保できているのであれば、「農家では食べていけないから、子どもに後を継がせられない」などという話にはならないはずだからです。

企業が最低賃金を踏まえて利益をどのように確保するかを考えるように、農家も最低卸売価格という尺度が決まることによって、農家経営の合理化をより深く考えられるようになるでしょう。

“フェア・トレード”による派生効果
「往復・10分の地元スーパーより、1円でも安ければ往復・1時間の大手スーパーへ走る」ことが、主婦の努力と認められていることも考え直す時機でしょう。たった1円のために1時間も時間を使うというのは、“財布の節約”かもしれませんが明らかな“時間の浪費”です。

同じ1時間をかけるのであれば、ご近所の一人暮らしでいる高齢者宅を30分くらいで回って、買い出しのご用聞き。往復10分の地元スーパーでまとめて買い物をして、各宅へ届ける方が社会的な生産性ははるかに高くなります。「ついでにお茶でも」という話になり、1個・300円のお茶菓子でティー・タイムということになれば、1円の安さのために1時間も走っていた労力はいよいよ虚しくなるでしょう。

そうした地域ネットワークを作ることこそ、井戸端会議や地域による子どもの見守りの復活させることこそが、主婦の真価ではないでしょうか? 高齢者の孤独死も防げるでしょうし、100歳以上で所在不明の高齢者もいなくなるはずです。


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プロフィール

鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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