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ISによる日本人人質事件を整理する(5) -湯川・後藤両氏の殺害-

湯川さん殺害か? ネット上に後藤さんとみられる画像 首相「許し難い暴挙だ」
(産経ニュース 15/1/25)
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束された後藤健二さん(47)とみられる男性が、湯川遥菜(はるな)さん(42)は既に殺害されたとの声明を読み上げる画像がインターネット上に掲載された。安倍晋三首相は25日未明、関係閣僚会議の冒頭で「このようなテロ行為は言語道断の許し難い暴挙で、強い憤りを覚える。断固非難する」と述べた。これに先立ち、菅義偉官房長官は官邸で緊急の記者会見を行い、配信を確認するとともに「残る後藤氏に危害を加えないよう、直ちに解放するよう強く要求する」と強調した。

画像は日本時間の24日午後11時すぎに投稿。後藤さんとみられる男性は、首を切断されたように見える別の男性の写真を掲げ、英語で「仲間のハルナ・ユカワがイスラム国の土地で殺された写真」と説明。

声明で犯人グループは、後藤さんを解放する条件として従来の身代金要求を取り下げ、代わりに自爆テロの共謀罪で、ヨルダンで死刑判決を受け収監中のイラク人、サジダ・アル・リシャウィ死刑囚をヨルダン政府に釈放させるよう要求した。

これを受け、政府は25日午前1時すぎから関係閣僚会議を開催し、情報の収集、分析を進めるとともに、今後の対処方針について協議した。

菅氏は会見で西村泰彦内閣危機管理監と谷内正太郎国家安全保障局長に対し「関係省庁と連携して情報収集などしっかり対応するように」と指示したことを明らかにした。

イスラム国側は今月20日、身代金2億ドルを72時間以内に支払わなければ、湯川さんと後藤さんの2人を殺害すると警告するビデオ声明をネット上に公表。中東を歴訪していた安倍首相がイスラム国対策として表明した2億ドルの支援を殺害警告の理由にしていた。

これに日本政府は再三、資金拠出が非軍事の人道支援であることを強調し、人質の早期解放に向け、イスラム国側の態度の軟化を促してきた。同時に、首相は「わが国は決してテロに屈することはない。国際社会と手を携え、卑劣なテロとの戦いに万全を期す」との姿勢を強調していた。


期限切れを理由に、ISが湯川遥菜氏殺害
72時間の支払期限を経過しても日本政府が2億ドルを支払わなかったことを理由に、ISは湯川遥菜氏を殺害した。

2億ドル要求が通らないことでISが殺したのは、湯川氏だけであった。「ISは、交渉が決裂すれば必ず人質を殺す」という事実を見せつけ、残った後藤氏を人質として更に“取引”を続ける。湯川氏と後藤氏という二枚のカードを握っていたことを最大限に利用した、残虐で冷酷なやり方である。

念の為に指摘するが、ここで「湯川氏が殺されたのは、日本政府の所為だ」と政府批判をするのはお門違いである。身代金誘拐犯であるISが仕掛けた責任転嫁の論理に、まんまと乗せられている。

そもそも、湯川氏を不当に拘束し、湯川氏の生命を盾に不当に身代金を要求し、身代金が取れないと不当にも湯川氏を殺害したのは、すべてISの犯行である。湯川氏殺害は、ISが不当に不当を重ねた結果であり、その責任はISにある。湯川氏を拘束した後に思い直して解放する、身代金を要求した後に思い直して無条件で解放する、身代金は取れなかったが殺さない、これらの選択肢を常に握っていたのはISの方なのだから。

身代金2億ドルから一転、リシャウィ死刑囚の釈放要求
敢えて後藤健二氏を生かしたISが次に要求してきたのは、ヨルダンが収監しているサジダ・アル・リシャウィ死刑囚の釈放であった。

先の2億ドル要求も違和感のある“取引”であったが、今回のリシャウィ死刑囚釈放要求はそれ以上に違和感がある。

2億ドルは大金だが所詮はカネの話であり、実際に払うかどうかはともかく、少なくとも日本政府が払うと決めれば日本政府自身の手で用意できる。しかし今度は、ヨルダン、他国が収監している死刑囚を釈放しろと言う。日本政府が望んだところで、ヨルダン政府が拒否すれば頓挫する話であり、およそ“取引成立”を考えた要求ではない。

仮に“取引成立”を考えるのであれば、残る後藤氏を人質として、日本政府へ1億ドルの身代金を要求すれば良い。この方が素直であり、要求を迫られる日本政府もより真剣に考えられる。ISとの取引に応じなかった罪なり湯川氏を見捨てた罪なりをでっち上げて、後藤氏の身柄と併せて身代金2億ドルで据え置く論理だってあり得る。

これぐらいのことを考え付かないはずがないのに、ISは、敢えて日本政府とIS間の“取引”に第三国であるヨルダンを絡めてきた。日本から見れば、「何で、ヨルダン?」と疑問を抱かざるを得ない。

ISが画策した、IS・ヨルダン・日本の三角取引
ヨルダンとISの間には、日本人人質事件の以前からの懸案事項があった。IS空爆中にIS支配地域内に不時着し、ISに拘束されたヨルダン空軍のパイロット、ムアーズ・カサースベ中尉の身柄引き渡しである。

カサースベ中尉は昨年12月24日、対「イスラム国」の空爆作戦にF16戦闘機で参加中、シリア領内で墜落し、拘束された。 (朝日新聞 15/2/4より)

カサースベ中尉は昨年12月、ISISが「首都」と称するシリア北部ラッカ付近を米軍主導の有志連合が空爆した際、操縦していた戦闘機が墜落し、同機から脱出したところをISISに拘束されたとみられる。有志連合の戦闘に直接参加する兵士が人質となったのは、これが初めてだった。(CNN 15/2/4より)


ISは、カサースベ中尉の拘束を戦果として映像付きでアピールしており、ヨルダン政府もすぐに中尉がISに拘束されたことを公表している。当然、ヨルダン政府は、国の英雄である中尉を取り返すため、ISに捕虜交換を働きかけていたはずである。

2015年1月25日の時点で、ISは、ヨルダンが迫る捕虜交換と、日本が迫る人質解放と二つの交渉を抱えていたのだ。

しかし、前者はISの都合から先に進めることは出来ないし、後者も改めて身代金を要求したところで日本が払う可能性は薄い。このまま放っておいて、二つの交渉を共に決裂させるのも芸がない。そこでIS幹部は、「ならば、両者をまとめて解決すれば良い」と考えたわけだ。ヨルダンからリシャウィ死刑囚を出させて、ISは後藤氏を解放し、後は日本とヨルダンが勝手に何かを取引すれば、三角取引は成立である。

ISが見誤ったヨルダン政府の反応
だが、ISが画策した三角取引は早々と暗礁に乗り上げた。先にも触れたが、元から、ヨルダン政府が拒否すれば頓挫する話なのだ。

ヨルダン政府は、カサースベ中尉の解放に拘った。これは至極当然の話であって、ヨルダン政府が第一に考えるのはあくまでヨルダン国民の生命であり、ヨルダンが日本に好意的な国であると言っても、日本人の生命は二の次である。日本人の解放を望む日本政府は、ヨルダン政府の姿勢をどうこう言える立場にない。

この中尉の解放を重視するヨルダン政府の姿勢に困ったのは、IS幹部である。なぜなら、ISは、中尉を1月3日に殺してしまったからだ。

中尉は空爆作戦に参加していたパイロットであり、空爆で多くの同胞を失ったISにとしては許し難い敵兵士である。幹部の中には政治的に利用できると思っていた者も居ただろうが、末端の兵士は生きたまま中尉を解放することを許さなかったはずだ。

ヨルダン人パイロット焼殺か ISISが映像公開
(CNN.co.jp 15/2/4)
イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は3日、拘束していたヨルダン空軍パイロットを殺害したとする映像をインターネット上に公開した。

配信された映像と画像によると、ヨルダン空軍のムアーズ・カサースベ中尉はおりの中に閉じ込められ、生きたまま火をつけられて死亡したとみられる。CNNはこれらの放映を控えている。

映像の長さは22分間。冒頭でヨルダンのアブドラ国王を非難し、中尉殺害は国王の責任だと追及している。

ヨルダン軍の報道官は映像公開の直後、中尉は1月3日に「暗殺」されていたと述べた。


ISは、「分かり易い三角取引だろ?ヨルダンが欲しいものは日本から貰えよ」と勝手に思っていた。だからヨルダン政府を絡めたのだ。

しかし、受け手であるヨルダン政府は「ヨルダン対ISの取引だ」と真正面で捉え、日本は日本でヨルダン政府の立場を尊重した。だから、取引は詰んだのだ。ISは、ヨルダンで「中尉と後藤が帰ってくる」と期待の声が上がっては「リシャウィと交換するのは後藤だけだ」と正し、「中尉が生きている証拠を見せろ」と言われれば「リシャウィの釈放こそどうなってる」と返し、中尉の生存情報を不明瞭にしながら交渉を続ける状態に陥ってしまったのである。

ISはヨルダン政府の反応を見誤ったのである。

ISが見誤った後藤健二氏の妻
もう一つ、ISが見誤ったのは後藤健二氏の妻のメッセージだ。

後藤健二さんの妻が手記を公表「これは健二の最後のチャンスです」(全文)
(The Huffington Post 15/1/30)
フリージャーナリストとその家族を支援する国際団体「ローリー・ペック・トラスト」(本部・ロンドン)は1月29日、イスラム系過激派組織「イスラム国」(ISIL)に捕らえられているジャーナリスト後藤健二さんの妻の手記を公表した。

手記では、「イスラム国」からメールで、ヨルダン政府にリシャウィ死刑囚の釈放を求めるメッセージを送るよう求められたとしている。後藤さんが2人の幼い娘を残して、10月25日にシリアへ旅立ったこと、12月2日以降、「イスラム国」とメールでやりとりを続けてきた経緯などをつづり「ヨルダン政府と日本政府に、二人の運命が委ねられていることを理解して欲しい」と訴えている。

手記は英語で発表された(音声)。日本語訳の全文は以下の通り。
  ◇
私の名前はリンコ。シリアで武装グループに拘束されたジャーナリスト、後藤健二の妻です。彼は2014年10月25日に、私の元から離れました。それ以来、私は彼の解放のために舞台裏で休むことなく働き続けました。

私は今まで声を上げませんでした。というのも、健二の苦境に対するメディアの関心が世界中で騒ぎ立てられていることから、私は自分の子供と家族を守ろうとしたからです。

私たち夫婦には、2人のとても幼い娘たちがいます。私たちの赤ちゃんは健二が日本を離れた時には、わずか生後3週間でした。私は2歳の上の娘が再び父親に会えることを望んでいます。私は2人の娘が父のことを知りながら成長してもらいたいのです。

私の夫は善人で、正直な人間です。苦しむ人びとの困窮した様子を伝えようとシリアに行きました。健二は、湯川遥菜さんの居場所を見つけ出そうともしていたようです。私は遥菜さんが亡くなり、非常に悲しい思いをしました。私の思いは彼の家族とともにあります。家族の皆さんがどれだけつらい思いをされているか痛いほどわかるからです。

12月2日に、私は健二がトラブルに巻き込まれたことを知りました。健二を拘束したグループからメールを受け取ったときです。

1月20日、私は湯川遥菜さんと健二の身代金として2億ドルを要求する動画を見ました。それ以来、私とグループとの間でメールを何回かやりとりしました。私は、彼の命を救おうと戦ったのです。

これまでの20時間で、誘拐犯は私に最新の、そして最後の要求と見られる文章を送ってきました。

「リンコ、おまえはこのメッセージを世界のメディアに対して公開し、表に出さなければならない。でなければ、健二が次に殺されるだろう。29日の日没までにサジダ(・リシャウィ死刑囚)がトルコ国境付近にいなければ、ヨルダン人パイロットも即座に殺害する」

私は恐れています。これは健二の最後のチャンスです。健二の解放と、ヨルダン人パイロットの命を救うには、あと数時間しかありません。私はヨルダン政府と日本政府に、二人の運命が委ねられていることを理解して欲しいのです。

同時に、私は両政府の懸命の努力に感謝しています。ヨルダンと日本の人々から寄せられる同情にも感謝しています。私が若いころ、家族の拠点はヨルダンにありました。12歳になるまで、アンマンの学校に通っていました。だから、私にはヨルダンとヨルダンの人々に、特別な感情と、思い出があります。

最後に、私は家族と友人、健二の同僚にも感謝しています。この3カ月間、私と娘たちを支えてくれました。

私の夫と、ヨルダン人パイロット、カサースベさんの無事を祈っています。

リンコ


夫が無事に帰ってくることを願う後藤氏の妻の音声メッセージ。

もっと感情的に取り乱したものであれば、ヨルダン国民の同情心を煽り、ヨルダン国内に「リシャウィ死刑囚と後藤氏の捕虜交換を飲むべきではないか」という雰囲気を生み出していたかもしれない。しかし、後藤氏の妻の音声メッセージは、冷静な口調ながら切々と夫を返して欲しいという思いを伝えるもので、扇情的にならないよう努めたものだった。

それだけではない。後藤氏の妻はISから受け取ったメールに触れ、期限までにリシャウィ死刑囚が釈放されなければカサースベ中尉を殺すことになる、とISが言っていることを明らかにした。これを聞いたヨルダン国民は「まだ中尉は生きているはずだ」と考え、より一層、中尉の帰還に期待を寄せることになった。

さらに、後藤氏の妻はメッセージの最後に、「私の夫と、ヨルダン人パイロット、カサースベさんの無事を祈っています」と添えている。これでヨルダン政府の腹は決まったわけである。リシャウィ死刑囚と引き換えに、後藤氏とカサースベ中尉の2人を救うべきだと。

だからこそ、ヨルダン政府は強気に出た。カサースベ中尉の生存が確認できない以上は、リシャウィ死刑囚はヨルダンから移送できない、と表明したのだ。

後藤さん殺害したとする映像・・・ネットに投稿
(読売新聞 15/2/1)
イスラム過激派組織「イスラム国」は1日早朝、拘束中のジャーナリスト・後藤健二さん(47)を殺害したとするビデオ映像を、動画サイトに投稿した。

日本人2人の人質事件は、人質の映像公開から13日目で、悲劇的な結末を迎えた。イスラム国は、日本人をテロの標的にするとも宣言。安倍首相はテロを非難し、国際社会と連携して中東各国への支援を続ける考えを表明した。

 【アンマン=溝田拓士】映像は1分7秒で、1月31日午後10時頃(日本時間2月1日午前5時頃)に投稿された。イスラム国メンバーを名乗る黒ずくめの男が、左手にナイフを持って立ち、その横でオレンジ色の服を着た後藤さんとみられる男性がひざまずいている。

男は「日本政府に告ぐ」とした上で「安倍(首相)、勝ち目のない戦争に参加するお前の無謀な決断により、このナイフは健二を殺すだけでなく、どこであろうと日本人の虐殺をもたらし続けるだろう。日本の悪夢を始めよう」と脅迫。動画の最後に、後藤さんとみられる男性の遺体が映っている。

イスラム国傘下のラジオ局「バヤーン」は1日、「イスラム国は2人目の日本人の人質を殺害し、広報部門を通じて映像を公開した」と報じた。


結局、ISは、後藤氏を殺害しなければならない状況に追い込まれてしまったのだ。もちろん、リシャウィ死刑囚を取り戻すカードも失うことになる。カネも取れず、同胞も救えず、出来ることは「日本は我々ISの敵だ。覚悟しておけ」と脅し文句を言うことだけだった。

後藤氏を殺害したことで隠す必要はなくなったと判断したISは、カサースベ中尉の殺害も2月3日に公表した。そして、中尉が殺されていることを知ったヨルダンは、すぐさまリシャウィ死刑囚の死刑を執行した。

リシャウィ死刑囚らの刑執行・・・ヨルダン国営TV
(読売新聞 15/2/4)
 【アンマン=久保健一】イスラム過激派組織「イスラム国」は3日夜(日本時間4日未明)、拘束していたヨルダン空軍パイロットのムアズ・カサースベ氏(26)を殺害したとするビデオ映像を動画サイトに投稿した。

ヨルダン政府は、軍事的な報復を行う考えを表明。ヨルダンの国営テレビは4日、イスラム国が釈放を要求していたサジダ・リシャウィ死刑囚ら計2人の死刑が執行されたと報じた。ヨルダンとイスラム国の緊張関係がさらに高まる恐れが出てきた。

死刑が執行されたもう1人は、ジヤド・カルブーリ死刑囚で、イスラム国の前身「イラクのアル・カーイダ」の幹部だった。

国営テレビは3日、「政府はカサースベ氏が1月3日に殺害されたと確認した」と報じた。根拠は示されなかった。訪米中のアブドラ国王は3日、テレビ演説で「卑劣なテロだ」と非難した。

映像は22分34秒で、3日午後7時(同4日午前2時)頃にインターネット上に投稿された。オレンジ色の服を着て、おりの中に入れられたカサースベ氏とみられる男性が、体に火が付いて死亡する様子が映っている。映像の左上には、イスラム国の旗をかたどったロゴが示されている。

映像では、空爆などのイスラム国掃討作戦を展開する「有志連合」の一員であるヨルダンを、アラビア語で執拗に非難。空爆でイスラム国戦闘員が負傷したとする場面のほか、空爆参加国の国旗なども映像に盛り込んでおり、空爆の報復としての意味合いを示す狙いがあるとみられる。


四人の命を弄んだISの罪
およそまとまるはずもない2億ドルという身代金を公開要求した挙句に湯川遥菜氏を殺害。
取引をしたい自己都合のために、既に殺害していたムアーズ・カサースベ中尉を生きているように装う。
最初から成立困難な人質交換を持ちかけて失敗すると後藤健二氏を殺害。
カサースベ中尉の殺害を知らされたヨルダン政府に、サジダ・アル・リシャウィの死刑を執行させる。

結局、ISは四人の命を弄んだのだ。人間として許し難い悪行である。

四人としたのは、この数字には敢えてリシャウィ元死刑囚を含めるべきだと考えるからだ。

リシャウィ元死刑囚が死刑判決を受けたのは、06年9月21日のことである。10年10月4日時点で控訴中だったという報道があることから、八年半近く刑が執行されずに居たのは控訴していたからだ。敵に囚われているとはいえ、死刑判決を覆すチャンスを狙っていたリシャウィ元死刑囚にとって、今回の事件に巻き込まれたのはいい迷惑だったろう。捕虜交換で名前を挙げてもらうにしても、カサースベ中尉を殺した後で計画された、成立の望みのない捕虜交換では「敵に殺されろ」と言われたも同然である。

ISなら、「敵の手の中で苦しんでいたリシャウィを、殉教させることで解放した」とでも言い繕うのかもしれないが、それはリシャウィ元死刑囚を死なせる立場からの論理に過ぎない。リシャウィ元死刑囚にしてみれば、自分の与り知らぬところで進められた犯行に名指しで巻き込まれ、報復の最初のターゲットにされたのだ。凶悪犯罪をやろうとした犯人であっても、「こんなの堪ったものではない」と思うだろう。

しかも、人の命をここまでおもちゃにする連中が、理想のイスラム国家を作ると言うのだから、どうかしていると言わざるを得ない。ISは、自分たちの所業を顧みて、ISがやって来たこと、やっていることが、本当にムスリムの社会的地位を確立することに寄与すると考えているのだろうか。

(完)
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プロフィール

鮎滝 渉

Author:鮎滝 渉
千秋真一に23%似ているらしいブロガーです。
実家である愛知県に戻ってきました。
ほぼ日刊で更新中。日々の巡回サイトに加えてやってください。
-------------------------
ブロガー名を、「鮎滝 渉」へ改めました。
私が自分に付けた最初のペンネーム。そして、「一角の者になるまでは使うまい」と思ってた名でもあります。

大して公知のペンネームというわけでもありません。が、1回目の中小企業診断士試験の失敗以降、あれこれと思い悩む中、「“輝かしい名としようする執着”はかえって醜い。そろそろ、この名を名乗る覚悟をしよう」と決意。鮎滝の名を使うことにしました。

ちなみに、旧ブロガー名は「スクナビコナ」。
日本神話に出てくる知恵の神様の名前です。恐れ多い名前ですが、ブログをする気構えとして、使っておりました。

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