◆2008年の重大ニュース:国内面元厚生次官宅連続襲撃、3人殺傷「34年前の犬の仇」元厚生事務次官宅が連続して狙われるという前代未聞の事件が発生。失態続きの年金行政への不満が背景にあるとの見方が浮上し、厚労省の歴代幹部宅は厳戒態勢が敷かれました。
しかし4日後、警視庁にさいたま市在住の小泉毅容疑者(46)が多数の刃物などを持ち出頭。小泉容疑者は「34年前、保健所に殺された犬の仇(あだ)討ちだ」と供述し、「年金テロ」の見方を否定したが、他の元次官らの襲撃も計画していたことが明らかになりました。
▽摘発相次ぐ学生の大麻汚染早稲田や慶応、同志社など有名大の学生に大麻汚染が広がり、スポーツ界や芸能界でも摘発が相次ぎました。
早大では04年以降で計7人が逮捕。慶大や法政大では大学構内で売買や使用されていたことが分かっています。また大相撲ではロシア出身の若ノ鵬が大麻所持容疑で逮捕され、日本相撲協会の尿検査で陽性反応を示した露鵬と白露山と共に解雇されました。
▽汚染米の不正転売 今年も相次ぐ食品偽装三笠フーズ(大阪市)によるメタミドホスやカビ毒「アフラトキシンB1」などに汚染された事故米の不正転売事件が9月に発覚。三笠フーズ以外にも浅井(名古屋市)など3社が不正転売を認めました。
農林水産省の対応も悪く、当時の太田誠一農相と白須敏朗事務次官がそろって辞任。歴代の総合食料局長ら職員25人が処分されました。
また、中国産ウナギを愛知県一色産と偽装表示した事件も6月に発覚。ウナギ輸入販売「魚秀」の中谷彰宏社長やマルハニチロホールディングス子会社「神港魚類」の北本順一元課長ら5人が不正競争防止法違反罪で起訴されました。
▽福田首相も政権「投げ出し」 麻生内閣、支持急落9月1日夜、福田康夫首相(当時)は緊急記者会見を行い、退陣を表明。昨年の07年9月12日に安倍晋三首相が突然辞任表明したのに続き、首相が1年足らずで政権を投げ出す異常事態となりました。
政権を引き継いぎ、第29代の首相となったのは麻生太郎氏。
当初、「選挙管理内閣」と見られましたが、発足時の内閣支持率(毎日新聞世論調査)は、前政権より12ポイント低い45%。ご祝儀相場からは程遠く、麻生首相は米国発の世界的な経済不況などを理由に衆議院解散を先送りしました。しかし、その後も支持率は低迷を続けており、漢字の誤読や不用意な発言も手伝って、政権発足からわずか2カ月で支持率は21%に急落しています。
▽形式で終わった洞爺湖サミット北海道洞爺湖サミットが7月7日開幕。中国、インドなどの新興国、アフリカ7カ国の首脳など過去最多の計22カ国が参加して、地球温暖化、原油・食糧高騰を中心に議論したものの、「食糧危機や気候変動を話し合うのに食事が豪華すぎる」といった非難が出るなど、形だけのサミットとなりました。
▽岩手・宮城、震度6強 死者・不明23人、400人超負傷6月14日、東北地方を襲ったマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震では、宮城県栗原市、岩手県奥州市で震度6強を記録。
13人が死亡、400人以上が負傷し、10人が行方不明となっています。内閣府は、両市と同県一関市を局地激甚災害地域に指定。推計被害総額は宮城1094億円、岩手210億円、秋田26億円とされています。
▽秋葉原17人殺傷 歩行者天国突入、「誰でもよかった」通り魔事件が多発、11月までに13件が起き、警察庁が統計を取り始めた93年以降で最多となりました。死者は11人、負傷者31人に上っています。
東京・秋葉原で6月8日、元派遣社員の加藤智大容疑者(25)がトラックで歩行者天国の交差点に突っ込み、5人をはねて3人を死亡させた上、両刃のダガーナイフ(刃渡り約13センチ)で12人を刺し、うち4人を死亡させました。
事件直前、携帯電話のインターネット掲示板に「犯行予告」を書き込んでいた。調べに「現実でもネットでも孤独だった。ネットの世界の住人に自分の存在を気づかせるため、大きな事件を起こそうと考えた」「誰でもよかった」と供述。事件を機に、規制を強化した改正銃刀法が成立。
また、1月には東京・戸越銀座商店街で、当時16歳の高校2年生が包丁で通行人5人を襲撃し2人が軽傷。3月には茨城県土浦市のJR荒川沖駅前で、別の殺人事件で手配中の金川真大容疑者(24)が刃物で8人に切りつけ、1人が死亡、7人が重軽傷を負っています。
▽後期高齢者医療制度、75歳以上分離・不手際に怒り4月の後期高齢者医療制度発足前後から、保険証が届かないといった不備が相次ぎました。さらに保険料の年金天引きに対する不満が爆発し、批判は75歳以上を区分した制度の根本にまで燃え広がりました。
与党は所得の低い人の保険料を最大9割軽減し、年金からの天引きも口座振替と好きな方を選べるようにしたが、批判は止みませんでした。09年3月までに自民党が見直し案をまとめることになっています。
▽イージス艦衝突、漁船の2人死亡千葉・野島崎沖で2月、海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船が衝突し、漁船乗組員2人が死亡。第3管区海上保安本部は6月、衝突時と交代前の当直士官2人を業務上過失致死容疑などで書類送検しました。
▽中国製冷凍ギョーザ事件 未解決で年越し中国製冷凍ギョーザ中毒事件では昨年12月〜今年1月、中国・天洋食品が製造したギョーザを食べた千葉県市川市や兵庫県高砂市などの3家族計10人が薬物中毒症状を訴え、うち7人が一時重症、当時5歳だった女児が一時重体となりました。
袋などから有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出。別の商品にはジクロルボスなどの有機リン系殺虫剤も混入していたことが判明。千葉、兵庫両県警は殺人未遂容疑などで共同捜査本部を設置。中国でも中毒事件が6月に発生しており、中国捜査当局も捜査を続けているともされていますが、未解決のまま年越しを迎えました。
また9月以降、工業用化学物質「メラミン」が、中国製乳製品に混入していることが判明。中国国内で乳児の健康被害が出るなど、中国製食品の安全が危惧された1年でした。
◆2008年の重大ニュース:文化・スポーツ面▽羽生、十九世名人に将棋の羽生善治王将が6月17日、第66期名人戦で森内俊之名人を破り、永世名人(十九世名人)の資格を獲得。羽生名人は6つの永世称号を手中にしました。しかし、12月18日、竜王戦で渡辺明竜王に敗退。永世竜王の資格獲得はならず、史上初の「永世7冠」は来年以降に持ち越しとなっています。
▽ノーベル賞ラッシュ 物理学・化学、日本人が続々2008年のノーベル賞は、物理学賞を南部陽一郎・米国シカゴ大名誉教授と、小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授、益川敏英・京都産業大教授の3氏が受賞。化学賞を下村脩・元米国ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員が受賞しました。
▽北京五輪 北島選手2冠、ソフト金メダル8月に行われた北京五輪では水泳の北島康介選手が平泳ぎ100m、200mで2冠を達成。今大会で五輪競技からの除外が決まっている女子ソフトボールでは、上野由岐子投手が準決勝、3位決定戦、決勝と3試合、413球を完投する力投を見せるなどして、見事、金メダルを獲得しました。
また陸上男子100mでは、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が9秒69の世界新記録で優勝。9秒7台の壁を超えました。